病気の解説2026年10月10日

HIVの治療はいつ始める?:今はCD4の数にかかわらず、すべての人に治療開始がすすめられている。治療しないと、エイズでなくても心臓や血管の病気、がん、認知機能の低下などが増える。治療はパートナーへの感染も防ぐ。飲み続けることがいちばん大切

HIVと診断されたら、治療はいつ始めるのでしょうか。国立健康危機管理研究機構エイズ治療・研究開発センター(ACC)の手引き(2022年)によると、厚生労働省研究班の抗HIV治療ガイドライン(2022年3月)は、CD4数にかかわらず、すべてのHIV感染者に治療開始をすすめています。治療しないでいると、免疫がそれほど下がっていなくても、動脈硬化による病気、エイズ指標疾患以外のがん、認知機能の障害などが増え、亡くなる人も増えることがわかったためです。治療はパートナーへの感染を防ぐこともわかっています。

目次
  1. 今は「すべての人に治療開始」
  2. 考え方はどう変わってきた?
  3. 治療を始めるときに大切なこと
  4. エイズを発症してから見つかったとき
  5. まとめ

プレ男HIVと診断された友だちが、「まだ症状もないし、免疫もそんなに下がってないのに、もう薬を始めるの?」って迷ってるんだ。

メル美昔と今で、考え方が変わってるのかな。

こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、HIVの治療はいつ始めるのかの話です。国立健康危機管理研究機構エイズ治療・研究開発センター(ACC)の「抗HIV治療ガイドライン・治療の手引き」の「抗HIV療法の開始時期と薬剤選択」(2022年9月29日更新)をもとにまとめました。HIVそのものについてはHIVを見てください。

今は「すべての人に治療開始」

ACCの手引きで紹介されている、厚生労働省研究班の抗HIV治療ガイドライン(2022年3月)では、

とされています。

HIVは、早く治療を始めて飲み続ければ、エイズの発症を防ぎ、ふつうに暮らせる病気です。症状がないうちから治療を始めることが、自分の体とパートナーを守ることにつながります。

考え方はどう変わってきた?

ACCの手引きによると、

メル美症状がなくても、ウイルスがあるだけで体に負担がかかっているんだね。

パートナーへの感染を防ぐことについては、HIVの記事の「U=U」の説明も見てください。

治療を始めるときに大切なこと

ACCの手引きによると、

(更新)研究班の「抗HIV治療ガイドライン」(2026年3月)では、初回の治療は、核酸系逆転写酵素阻害薬(NRTI)2剤+インテグラーゼ阻害薬(INSTI)1剤、NRTI 1剤(ラミブジン)+INSTI 1剤(ドルテグラビル)の2剤療法、NRTI 2剤+プロテアーゼ阻害薬1剤(コビシスタット併用)、NRTI 2剤+非核酸系逆転写酵素阻害薬1剤のいずれかの組み合わせから選ぶとしています。併存症、副作用、飲み合わせ、飲み続けやすさ、食事との関係、錠剤の数や大きさ、生活スタイルや希望から、その人に最も合うものを選び、服薬率100%をめざすとしています。1日1回1錠の配合剤がどれくらい使われているかは確認していません。

エイズを発症してから見つかったとき

ACCの手引きによると、

CD4数ごとに起こりやすい病気については、HIVの「CD4数」でわかることにまとめています。

飲み続けることが大切な理由のひとつ、薬剤耐性については、HIVの薬が効かなくなる「薬剤耐性」にまとめています。

HIVの薬と市販薬・サプリの飲み合わせについては、HIVの薬と、市販薬・サプリの飲み合わせにまとめています。早く治療を始める理由のひとつ、エイズ以外の病気については、HIVと「エイズ以外の病気」を見てください。

治療を始めたあとに起こることがある免疫再構築症候群については、HIVの治療を始めて数か月以内に、かえって具合が悪くなる「免疫再構築症候群」を見てください。ウイルスがおさえられたあとの注射の治療については、HIVの治療に「注射」という選択肢を見てください。

WHOの2026年の推奨の更新は、WHOがHIVの治療の推奨を更新(2026年1月)を見てください。

まとめ


参考文献

  1. 国立健康危機管理研究機構 エイズ治療・研究開発センター(ACC). 抗HIV治療ガイドライン・治療の手引き:抗HIV療法の開始時期と薬剤選択(Last updated: 2022-09-29). https://www.acc.jihs.go.jp/medics/treatment/handbook/part3/sec01.html (閲覧日:2026年10月10日)
  2. HIV感染症および血友病におけるチーム医療の構築と医療水準の向上を目指した研究班. 抗HIV治療ガイドライン(2026年3月) 抗HIV薬選択の基本. https://hiv-guidelines.jp/2026/part05-1.htm (閲覧日:2026年10月12日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。