WHOがHIVの治療の推奨を更新(2026年1月):最初の治療もその後もドルテグラビルをふくむ組み合わせが第一選択(日本のガイドラインではビクテグラビルの組み合わせも推奨)。飲み続けるのがむずかしい人には注射の治療も。HIVのある人の結核予防は3か月の3HP(日本ではリファペンチンは未承認)
世界保健機関(WHO)が2026年1月7日に発表した、HIVの診療についての推奨の更新をまとめました。最初の治療とその後の治療で、ドルテグラビルをふくむ組み合わせを第一選択とし、プロテアーゼ阻害薬が必要なときはダルナビル・リトナビルを第一選択としました。毎日の飲み薬を続けるのがむずかしい大人や若者には、特定の条件で注射の治療(持効性注射剤)も推奨し、状態の安定した人には2剤の飲み薬への切り替えも選択肢としています。HIVのある人の結核の予防には、イソニアジドとリファペンチンを週1回・3か月飲む方法(3HP)を第一選択としました。日本の研究班のガイドライン(2026年3月)では、最初の治療にビクテグラビルをふくむ組み合わせも推奨され、リファペンチンは日本では未承認です。母乳育児の推奨は世界向けのもので、日本の対応とはちがいます。

プレ男WHOがHIVの治療のすすめ方を新しくしたって聞いたよ。何が変わったの?

メル美日本の治療にも関係があるのかな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、世界保健機関(WHO)のHIVの診療の推奨の更新(2026年1月7日発表)の話です。WHOのニュースリリース「WHO releases updated recommendations on HIV clinical management」をもとにまとめました。WHOの推奨は、世界の国々に向けた公衆衛生の立場からのものです。日本での治療は、HIVの治療はいつ始める?などを見てください。
治療薬の組み合わせ
WHOによると、
- ドルテグラビルをふくむ組み合わせを、最初の治療とその後の治療の第一選択として確認しました
- プロテアーゼ阻害薬が必要なときは、ダルナビル・リトナビルを第一選択とし、これまでのアタザナビル・リトナビルやロピナビル・リトナビルから変えました
- 治療を変えるときに、テノホビルやアバカビルをもう一度使うことも支持しています
- 毎日の飲み薬を続けるのがむずかしい大人や若者などには、特定の条件で注射の治療(持効性注射剤)を推奨し、状態が安定した人には2剤の飲み薬への切り替えも、治療を簡単にする選択肢として推奨しています
日本のガイドラインでは
研究班の「抗HIV治療ガイドライン」(2026年3月)では、最初の治療で大部分のHIVのある人に推奨される組み合わせとして、次の3つをあげています。
- ビクテグラビル・テノホビル アラフェナミド・エムトリシタビン(1錠の合剤)
- ドルテグラビル+テノホビル アラフェナミド・エムトリシタビン
- ドルテグラビル・ラミブジン(B型肝炎の合併がない、ウイルス量が50万コピー/mL未満、薬剤耐性がないなどの条件を満たす人だけ)
WHOのニュースリリースでは、第一選択としてドルテグラビルの組み合わせがあげられていて、ビクテグラビルは出てきません。日本では、ビクテグラビルの組み合わせもドルテグラビルの組み合わせと並んで推奨されています。
お母さんから赤ちゃんへの感染を防ぐ
WHOによると、母子感染の排除は大きく進んだものの、とくに母乳を通じた赤ちゃんの新しい感染が今も起きています。WHOは、効果のある抗HIV治療を受けながら母乳で育てることを推奨し、HIVにさらされた赤ちゃんには6週間の予防薬(できればネビラピン)を、リスクの高い赤ちゃんには3剤の予防薬を推奨しています。

WHOは2026年1月、ドルテグラビルをふくむ組み合わせを最初の治療とその後の治療の第一選択とし、飲み続けるのがむずかしい人には注射の治療も推奨しました。
HIVのある人の結核の予防
WHOによると、結核は今もHIVのある人のおもな死因です。結核の予防の治療を受けやすく、最後まで続けやすくするため、イソニアジドとリファペンチンを週1回・3か月飲む方法(3HP)を、HIVのある大人と若者の結核予防の第一選択としました。ほかのWHOが推奨する方法も、診療や体制の状況に応じて選べるとしています。
研究班の「抗HIV治療ガイドライン」(2026年3月)では、リファペンチンは日本では未承認とされています。同じガイドラインは、米国の推奨として、イソニアジドとリファンピシンを毎日・3か月飲む方法(リファペンチンを使う3HPと並ぶ方法)も紹介しています。日本での結核の予防の方法はHIVと結核を見てください

プレ男世界の推奨と、日本で使える薬や方針はちがうこともあるんだね。治療のことは主治医と相談だね。
注射の治療についてはHIVの治療に「注射」という選択肢を見てください。
まとめ
- WHOは2026年1月、HIVの診療の推奨を更新
- ドルテグラビルをふくむ組み合わせが第一選択。プロテアーゼ阻害薬はダルナビル・リトナビル
- 日本のガイドラインでは、ビクテグラビルの組み合わせも、ドルテグラビルの組み合わせと並んで推奨
- 飲み続けるのがむずかしい人には注射の治療、安定した人には2剤への切り替えも
- 結核の予防は3HP(日本ではリファペンチンは未承認。日本のガイドラインは、イソニアジドとリファンピシンの3か月の方法も紹介)
- 母乳の推奨は世界向けで、日本の方針とはちがう
参考文献
- World Health Organization. WHO releases updated recommendations on HIV clinical management (News release, 7 January 2026). https://www.who.int/news/item/07-01-2026-who-releases-updated-recommendations-on-hiv-clinical-management (閲覧日:2026年10月12日)
- HIV感染症および血友病におけるチーム医療の構築と医療水準の向上を目指した研究班. 抗HIV治療ガイドライン(2026年3月) 潜在性結核感染症(LTBI)の治療. https://hiv-guidelines.jp/2026/part11-6.htm (閲覧日:2026年10月12日)
- HIV感染症および血友病におけるチーム医療の構築と医療水準の向上を目指した研究班. 抗HIV治療ガイドライン(2026年3月) 初回治療レジメン(表V-2). https://hiv-guidelines.jp/2026/part05-2.htm (閲覧日:2026年10月22日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
