基礎知識2026年10月10日

HIVの薬と、市販薬・サプリの飲み合わせ:カルシウム・マグネシウム・鉄・亜鉛などをふくむ胃薬やサプリで、一部のHIVの薬の濃度が下がることがある。胃酸をおさえる薬で効きにくくなる薬も。新しく飲む前に主治医や薬剤師に相談を

HIVの薬(抗HIV薬)は、ほかの薬やサプリメントとの飲み合わせに注意が必要です。国立健康危機管理研究機構エイズ治療・研究開発センター(ACC)の手引きの参考図表(2022年)によると、インテグラーゼ阻害薬という種類の抗HIV薬は、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄、亜鉛などをふくむ製品と一緒に飲むと、薬の濃度が下がることがあります。ビクテグラビルとドルテグラビルでは、食事と一緒に飲むことで、この影響を大きくやわらげることができます。また、アタザナビルやリルピビリン(飲み薬)は、胃酸が少なくなると濃度が下がります。

目次
  1. 飲み合わせは複雑
  2. カルシウム・鉄などをふくむ製品
  3. 胃酸をおさえる薬
  4. ほかの薬との飲み合わせ
  5. まとめ

プレ男HIVの治療中の知り合いが、筋トレのためにマルチビタミンとかサプリを飲みたいって言ってたんだけど、薬と一緒で大丈夫なのかな。

メル美胃薬とかかぜ薬も、気をつけたほうがいいのかな。

こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、HIVの薬と、市販薬・サプリメントの飲み合わせの話です。国立健康危機管理研究機構エイズ治療・研究開発センター(ACC)の「抗HIV治療ガイドライン・治療の手引き」の参考図表「抗HIV薬の薬物相互作用」(2022年9月29日更新、米国のガイドライン2022年をもとにした表)をもとにまとめました。

飲み合わせは複雑

ACCの手引きによると、

HIVの薬は、市販薬やサプリメントとの飲み合わせで効きにくくなることがあります。新しく何かを飲む前に、主治医や薬剤師に相談してください。

カルシウム・鉄などをふくむ製品

ACCの表によると、

(更新)インテグラーゼ阻害薬の1つ、ドルテグラビルの添付文書(2026年8月改訂)では、マグネシウムやアルミニウムなど多価の陽イオンをふくむ制酸剤とは、ドルテグラビルを制酸剤の2時間前か6時間後に飲むことがすすめられています。鉄剤やカルシウムをふくむ製剤(サプリメントなど)とも、食事と同時にとる場合をのぞき、2時間前か6時間後に飲むことがすすめられています。ほかのインテグラーゼ阻害薬の時間の目安は確認していません。

プレ男サプリのミネラルで、HIVの薬が効きにくくなることがあるんだね。

胃酸をおさえる薬

ACCの表によると、

(更新)リルピビリン(飲み薬)の添付文書(2026年8月改訂)では、オメプラゾール、ランソプラゾール、ラベプラゾール、エソメプラゾール、ボノプラザンなどのプロトンポンプ阻害薬を使っている人には「投与しないこと」(禁忌)とされています。H2ブロッカー(ファモチジンなど)は、リルピビリンの12時間以上前か4時間以上後に、制酸剤(水酸化アルミニウム、炭酸カルシウムなど)は2時間以上前か4時間以上後に飲むこととされています。アタザナビルの時間の目安は確認していません。

ほかの薬との飲み合わせ

ACCの表によると、

ACCの手引きでは、飲み合わせを調べるのに役立つ情報源として、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の添付文書検索(医療用医薬品・一般用医薬品)や、「飲み合わせチェック!抗HIV薬の相互作用」などをあげています。

HIVの治療の始め方についてはHIVの治療はいつ始める?、薬が効かなくなる場合についてはHIVの薬が効かなくなる「薬剤耐性」を見てください。

まとめ


参考文献

  1. 国立健康危機管理研究機構 エイズ治療・研究開発センター(ACC). 抗HIV治療ガイドライン・治療の手引き 参考図表:抗HIV薬の薬物相互作用(Last updated: 2022-09-29). https://www.acc.jihs.go.jp/medics/treatment/handbook/part1/1-07.html (閲覧日:2026年10月10日)
  2. ドルテグラビルナトリウム錠 添付文書(2026年8月改訂 第9版). KEGG MEDICUS. https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00062687 (閲覧日:2026年10月12日)
  3. リルピビリン塩酸塩錠 添付文書(2026年8月改訂 第8版). KEGG MEDICUS. https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00060371 (閲覧日:2026年10月12日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。