HIV検査で「陽性」「要確認」と言われたら:即日検査の陽性はまだ確定ではない。迅速検査では100人に1人ほど偽陽性が出て、本当に感染しているのは約4人に1人。必ず確認検査を
保健所の即日検査で「陽性(要確認)」と言われると、頭が真っ白になると思います。HIV検査は、まず「スクリーニング検査」をして、陽性なら「確認検査」で確定します。厚生労働省の研究班が運営するHIV検査・相談マップによると、迅速検査では感染していなくてもおよそ100人に1人が陽性に出て、スクリーニング陽性の人のうち本当に感染しているのは約23%。結果の意味、ウインドウ期、確定したときにすること、相談先をまとめました。
目次

プレ男保健所の即日検査で「陽性なので、確認検査をします」って言われた…。もうダメなのかな。

メル美「確認検査」って、まだ決まったわけじゃないってこと?
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、HIV検査の結果の意味の話です。即日検査の「陽性」は、まだ確定ではありません。一方で、確定したときは、できるだけ早く専門の医療機関につながることが、自分の体と命を守ります。厚生労働省の研究班が運営する「HIV検査・相談マップ」の解説をもとにまとめました。
HIV検査は「2段階」
- HIV検査は、まずスクリーニング検査をします。ここで陰性なら「陰性」です
- スクリーニング検査で陽性になったときは、続けて確認検査をします
- 確認検査で陽性 → HIV感染
- 確認検査で陰性 → 陰性(スクリーニング検査の「偽陽性」だった)
- スクリーニング検査の陽性には、本当に感染している「真の陽性」と、感染していないのに反応が出る「偽陽性」がまじっているので、確認検査は必ず必要です
「即日検査」と「通常検査」のちがい
HIV検査・相談マップによると、保健所などの無料・匿名検査には2つの方法があります。
| 即日(迅速)検査 | 通常検査 | |
|---|---|---|
| 陰性のとき | その日のうちに結果がわかる | 1〜2週間後に結果 |
| スクリーニング陽性のとき | その日に「陽性(要確認)」と伝えられ、確認検査の結果は後日 | 確認検査まで行って、確定した結果を1〜2週間後に伝える |
医療機関では、スクリーニング検査の結果を一度伝えてから、陽性なら確認検査をするのが主な方法です。「陽性」と言われたら、それがスクリーニング検査の結果か、確認検査の結果かを確かめてください。

プレ男即日検査の「陽性」は、まだスクリーニングの結果なんだ。
スクリーニング陽性で、本当に感染している割合は?
HIV検査・相談マップは、保健所の検査を受ける人の場合について、次のように説明しています。
- 保健所の検査を受ける人のうち、感染している人はおよそ0.3%(1,000人に3人くらい)
- 通常のスクリーニング検査では、感染していなくてもおよそ0.3%が陽性に出るので、スクリーニング陽性の人のうち本当に感染しているのは約50%
- 迅速検査(即日検査)では、偽陽性がおよそ1%(100人に1人くらい)と多いので、スクリーニング陽性の人のうち本当に感染しているのは約23%
つまり、即日検査で「陽性(要確認)」と言われても、4人に3人くらいは、確認検査で陰性になる計算です。だからこそ、確認検査の結果を必ず聞きに行ってください。

即日検査の「陽性」は確定ではありません。必ず確認検査の結果を聞きに行ってください。確定したときは、早く治療を始めるほど、エイズの発症を防げます。
即日検査の「陰性」は信じていい?
- HIV検査・相談マップによると、即日検査に使う迅速検査の試薬は日本で承認を受けたもので、感度は通常の検査とほぼ同じです。陰性の結果は信頼してよいとされています
- ただし、感染してすぐは検査で見つからない時期(ウインドウ期)があります。抗体は、ふつう感染から4週間後くらいから見つかるようになるので、4週間以内に受けた抗体検査は、感染していても陰性になる可能性があります
- HIVの記事にあるように、陰性でも、感染の機会から3か月以降にもう一度検査すると確実です。タイミングは性感染症の潜伏期間と検査のタイミングも見てください
ネットで買える「自己検査キット」は使わないで
- HIV検査・相談マップによると、日本では、国が性能や安全性を審査して認めた、家で結果まで判定するHIV自己検査キットはありません
- ネットで売られているものには、専門家向け・研究用のもの、偽造品もあり、偽陽性や偽陰性が出ることもあります。気になる結果が出ても、相談できる体制がありません
- 検査は、保健所・専門の検査施設・医療機関で受けましょう。検査の受け方や、東京なら東京都の無料HIV検査の記事も見てください
確認検査で陽性(感染)とわかったら
- できるだけ早く、専門の医療機関(エイズ治療拠点病院など)を受診してください。HIV検査・相談マップは、早く治療を始めればエイズの発症を長く抑えられるとしています
- いまは、毎日の薬でウイルスが増えるのを抑えれば、これまでどおりの生活を送ることができ、HIVを持っていない人と変わらないくらいの寿命が期待できます
- 治療を続けて血液中のウイルスが検出されない状態を保てば、セックスでパートナーにうつさないことがわかっています(U=U。くわしくはHIVの記事)
- 一方で、エイズを発症してから見つかる人が、感染がわかった人の約3割いるとされています。発症してからの治療は、発症前より効果が劣ります。だからこそ、検査で早く見つけることに意味があります
- 不安なことは、ひとりで抱えこまず、保健所や医療機関のスタッフ、電話相談窓口、支援団体などに相談してください。HIV検査・相談マップには、HIV陽性の人や確認検査を待っている人向けの電話相談も載っています
- パートナーに伝えるかどうか、いつ・どう伝えるかは、主治医やカウンセラーと相談しながら決めていきましょう(パートナーにどう伝える?)

メル美結果がどちらでも、ひとりで抱えこまないで、相談できるところがあるんだね。
確認検査の結果を待つあいだ
-
結果を待つ時間は、とても不安です。電話相談を使ってもかまいません
-
結果が出るまでは、パートナーとのセックスではコンドームを使いましょう
-
確認検査で陰性だったときも、最後の感染の機会から3か月たっていなければ、時期をあけてもう一度検査を
HIVと診断されたあとの治療の始め方については、HIVの治療はいつ始める?にまとめています。
HIVと確定したときのことは、HIVと診断されたら、最初に知ってほしいことにまとめています。
まとめ
- HIV検査はスクリーニング検査 → 確認検査の2段階。スクリーニングの陽性は確定ではない
- 迅速検査(即日検査)は偽陽性が約1%。スクリーニング陽性で本当に感染しているのは約23%(保健所の受検者の場合)
- 即日検査の陰性は信頼できる。ただしウインドウ期があるので、感染の機会から3か月以降にもう一度
- ネットの自己検査キットは使わない
- 確定したら、早く専門の医療機関へ。治療で、これまでどおりの生活と寿命が期待できる
参考文献
- HIV検査・相談マップ(厚生労働省「HIV検査相談体制の充実と活用に関する研究」班). HIV検査まめ知識. https://www.hivkensa.com/knowledge/mame/ (閲覧日:2026年10月4日)
- HIV検査・相談マップ. HIV検査Q&A(「スクリーニング検査で陽性となった場合、本当の陽性である確率はどの程度ですか?」ほか). https://www.hivkensa.com/knowledge/question/ (閲覧日:2026年10月4日)
- HIV検査・相談マップ. HIV・エイズって何?. https://www.hivkensa.com/knowledge/whatis/ (閲覧日:2026年10月4日)
- HIV検査・相談マップ. HIV陽性とわかったら. https://www.hivkensa.com/knowledge/positivity/ (閲覧日:2026年10月4日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
