性感染症と診断されたら、パートナーにどう伝える?クラミジア・淋菌は60日、梅毒は3か月〜1年さかのぼる。責めずに「一緒に検査しよう」が近道。伝え方の例文つき
性感染症と診断されたとき、いちばん気が重いのが「パートナーに伝えること」かもしれません。でも、パートナーが治療しないと、自分にまたうつる(ピンポン感染)うえに、パートナーの体にも負担が残ります。米国CDCのガイドラインでは、クラミジア・淋菌は症状が出る前か診断の60日以内、梅毒は時期によって3か月〜1年以内のパートナーに伝えることがすすめられています。だれに、いつ、どう伝えるか、例文と、伝えられた側がすることをまとめました。

プレ男クラミジアって言われた…。治療はするけど、彼女になんて言えばいいんだろう。

メル美私だったら、黙っていられるほうがいやかも。でも、言い方はすごく大事だよね。
こんにちは、Dr. Taro です。 性感染症と診断されたとき、治療そのものより気が重いのが「パートナーに伝えること」かもしれません。今回は、だれに、いつ、どう伝えるかをまとめました。
なぜ伝えるの?
- パートナーが治療しないと、自分にまたうつります。いわゆる「ピンポン感染」です。米国CDCは、クラミジアの治療のあとに見つかる感染の多くは、治療が効かなかったのではなく、パートナーが治療を受けていなかったり、新しいパートナーからうつったりした「再感染」だとしています
- パートナーの体を守るためでもあります。クラミジアや淋菌は症状が出にくいので、本人は気づいていないことが多いのです。女性では、放っておくと骨盤内炎症性疾患(PID)になり、不妊などにつながることがあります
- 伝えることは、相手を責めることではなく、相手の健康を気づかう行動です

プレ男自分だけ治しても、相手が治してなかったら、またうつるのか…。
だれに伝える?(さかのぼる期間)
米国CDCの性感染症治療ガイドライン(2021年)では、次の期間にセックスしたパートナーに、検査と治療をすすめています。
| 病気 | さかのぼる期間 |
|---|---|
| クラミジア、淋菌 | 症状が出る前、または診断の60日以内。60日以内にセックスしていなければ、いちばん最近のパートナー |
| トリコモナスなど(子宮頸管炎・尿道炎の原因として見つかったとき) | 60日以内 |
| 梅毒 | 第1期:3か月+症状が出ていた期間/第2期:6か月+症状が出ていた期間/早期潜伏梅毒:1年以内 |
- どこまで伝えるかは、病気や時期によってちがうので、診断した医師に確認しましょう
- 「いつ、だれからうつったのか」は、わからないことが多いです。クラミジアや梅毒は、症状がないまま長く続くことがあるからです。犯人さがしより、今いっしょに検査・治療することを優先しましょう
いつ伝える?
- できるだけ早く。診断がついたら、治療と同時に伝えるのが理想です
- 伝えるまでは、そして自分とパートナーの治療が終わるまでは、セックスはお休みです。クラミジアや淋菌では、治療後7日間+パートナーの治療が終わるまで、がCDCの目安です(くわしくは治療中のセックスはいつから?)
どう伝える?
CDCは、直接会って、または電話、メール、メッセージで伝えるようすすめています。顔を見て話すのがむずかしければ、メッセージでもかまいません。
伝えるときのポイント:
- 事実だけを、短く:「検査で〇〇が見つかった」「治療で治る」「あなたにもうつっている可能性があるから、検査を受けてほしい」
- 相手を責めない、自分も責めすぎない:いつ、どこでうつったかは、たいていわかりません
- 次にすることを具体的に:どこで検査できるか、どの検査を受ければいいか(検査の受け方)
- 診断のときにもらった説明の紙や病名のメモを見せると、相手も受診しやすくなります

メル美性病になるより、修羅場になる方がヤバい!責め合うより、2人で治すほうがずっといいよね。
伝え方の例
恋人・パートナーに(会って)
「ちょっと話があるんだけど、この前、検査を受けたらクラミジアが見つかったんだ。症状が出にくい病気で、いつうつったのかはわからないんだけど、薬で治るって。あなたにもうつっている可能性があるから、一緒に検査を受けてくれないかな。治るまでは、セックスはお休みしよう」
しばらく会っていない相手に(メッセージで)
「急にごめんね。最近、性感染症の検査で淋菌が見つかって、医師に、ここ2か月くらいのあいだに関係があった人にも伝えるように言われたので連絡しました。症状がなくても感染していることがあるので、念のため泌尿器科や婦人科で検査を受けてください。治療で治る病気です」
- 病名を言うのがむずかしければ、まず「性感染症の検査で陽性だった」と伝えて、病名はあとで伝えてもかまいません
- 相手がおどろいたり、怒ったりしても、すぐに結論を求めない。落ち着いてから、もう一度話せば大丈夫です
伝えるのが危ないと感じるとき
- 相手に暴力をふるわれたり、強く責められたりするおそれがあるときは、ひとりで伝えようとしないでください。CDCも、パートナーへの連絡が暴力のきっかけになるおそれがあるときは、そのことを考えて対応するよう医療者に求めています
- 診断した医師や医療スタッフに相談しましょう。暴力や支配に悩んでいるときは、デートDVの記事も見てください
HIVや梅毒のとき
- HIVや梅毒は、早く見つけて治療することが、相手の体と命を守ることにつながります。HIVは、治療を続けて血液中のウイルスが検出されない状態を保てば、セックスでうつらないことがわかっています(U=U。くわしくはHIVの記事)
- HIVと診断されたときは、伝えるかどうか、いつ・どう伝えるかを、主治医やカウンセラーと相談しながら決めていきましょう。ひとりで抱えこまなくて大丈夫です
伝えられた側がすること

プレ男逆に、相手から「検査で見つかった」って言われたら、どうすればいいの?
- 症状がなくても、検査を受けましょう。クラミジアや淋菌、梅毒は、症状がないまま感染していることがよくあります
- 受診のときは、「パートナーが〇〇と診断された」と伝えてください。CDCのガイドラインでは、クラミジアや淋菌などのパートナーには、検査に加えて、結果を待たずに治療することもすすめられています。どうするかは医師が判断します
- 自分と相手の治療が終わるまでは、セックスはお休み
- そして、伝えてくれた勇気に「ありがとう」を。言いにくいことを伝えてくれた相手は、あなたの体を気づかってくれています

治療のあとに見つかるクラミジアの多くは、パートナーからの再感染です。伝えることは、自分と相手の両方を守ります。
性感染症が見つかっても、必ずしも浮気の証拠ではありません。症状が出ないまま長く続くものもあります(パートナーは一人なのに性感染症?)。
3か月後に、もう一度検査を
- CDCは、クラミジア・淋菌と診断された人は、パートナーが治療したと思っていても、治療の約3か月後にもう一度検査を受けるようすすめています。再感染が多いためです
まとめ
- パートナーが治療しないと、自分にまたうつる。相手の体を守るためにも伝える
- さかのぼる期間は、クラミジア・淋菌は60日、梅毒は3か月〜1年(時期による)。医師に確認を
- 伝え方は、事実だけを短く、責めずに、次にすることを具体的に。メッセージでもOK
- 暴力などのおそれがあるときは、ひとりで伝えずに医療者に相談
- 伝えられたら、症状がなくても受診。そして「ありがとう」を
- 治療の3か月後に、もう一度検査
参考文献
- Workowski KA, et al. Sexually Transmitted Infections Treatment Guidelines, 2021. MMWR Recomm Rep. 2021;70(4):1-187.(Partner Services、Chlamydial Infections、Gonococcal Infections、Syphilis、Urethritis、Cervicitis の各項) https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/70/rr/rr7004a1.htm (閲覧日:2026年10月4日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。