病気の解説2026年9月25日

トリコモナスってどんな病気?おりものの変化・検査・治療をやさしく解説

世界でいちばん多い「ウイルス以外の性感染症」、腟トリコモナス症。症状が出にくい理由や、パートナーと一緒に治す大切さをまとめました。

目次
  1. トリコモナスってどんな病気?
  2. どうやってうつるの?
  3. 症状は?—多くは気づかない
  4. 放っておくとどうなる?
  5. 検査はどうやるの?
  6. 治療は?
  7. パートナーに伝えるのが気まずい…
  8. 予防するには
  9. まとめ

メル美おりものが泡っぽくて、においも気になる…。これって何?

こんにちは、Dr. Taro です。 今回は トリコモナス(腟トリコモナス症)のお話です。名前は聞いたことがあっても、どんな病気かはあまり知られていないかもしれません。実は、世界的にはとても多い性感染症です。

トリコモナスってどんな病気?

腟トリコモナス症は、腟トリコモナス原虫という、とても小さな生き物(原虫)が、腟や尿道などに感染して起きる性感染症です。細菌でもウイルスでもない、ちょっと変わった性感染症です。

WHOの推計(2020年、15〜49歳の新しい感染者数)で、治療で治せる4つの性感染症をくらべると、トリコモナス(約1億5,600万人)が、クラミジア(約1億2,900万人)、淋菌(約8,200万人)、梅毒(約710万人)よりも多くなっています。 ※性器ヘルペスやHPVなどのウイルスによる性感染症まで含めると、いちばん多いわけではありません。

日本では、クラミジアや淋菌などとちがって国への届け出の対象ではないため、全国でどのくらいの人がかかっているかは分かっていません。

どうやってうつるの?

主な感染経路は性行為です。 男性は症状が出にくいため、気づかないまま女性パートナーにうつしてしまうことがあります。

症状は?—多くは気づかない

トリコモナスに感染している人の70〜85%は、症状がほとんどないか、まったくありません。治療しないと、数か月〜数年続くこともあります。

トリコモナスの症状:感染している人の70〜85%は症状がほとんどない。女性はおりものの変化(においが強い、黄緑色など)やかゆみ、男性は多くが無症状で、尿道炎などが出ることも

女性

男性

男性は症状が出にくいので、女性だけが治療しても、パートナーからまたうつってしまう「ピンポン感染」が起きやすい病気です。

放っておくとどうなる?

検査はどうやるの?

いつ検査すればいいかは、行為から1週間程度が目安です。 タイミングは性行為後にやるべきことチェッカーでも確認できます。

治療は?

トリコモナスは、メトロニダゾールという薬で治療します。

トリコモナスの治療:男性も女性も、メトロニダゾールの飲み薬を1回250mgを1日2回・10日間。治療中は飲酒を避ける。パートナーも同時に治療。女性は治療から約3か月後に再検査

  1. 治療中はお酒を飲まない メトロニダゾールを使っている間にお酒を飲むと、腹痛や吐き気、顔のほてりなどが起きることがあります
  2. パートナーも一緒に治療する パートナーも同時に治療することが、再感染を防ぐためにとても大切です
  3. 自分とパートナーの治療が終わり、症状がなくなるまでセックスはお休み
  4. 女性は、治療から約3か月後にもう一度検査を受ける トリコモナスは再感染が多いため、米国CDCは、治療した女性に約3か月後の再検査をすすめています

パートナーに伝えるのが気まずい…

わかります。気まずいですよね。 でも、トリコモナスは男性の多くが気づかないまま感染している病気です。「どっちからうつったか」は分からないことがほとんど。一緒に治さないと、またうつし合ってしまいます。

メル美性病になるより、修羅場になる方がヤバい!

プレ男責め合うより、2人で一緒に治すのがいちばんの近道です。

予防するには

まとめ


参考文献

  1. Centers for Disease Control and Prevention. Sexually Transmitted Infections Treatment Guidelines, 2021: Trichomoniasis. https://www.cdc.gov/std/treatment-guidelines/trichomoniasis.htm (閲覧日:2026年9月25日)
  2. World Health Organization. Sexually transmitted infections (STIs) — Fact sheet(2025年9月10日更新). https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/sexually-transmitted-infections-(stis) (閲覧日:2026年9月24日)
  3. メトロニダゾール内服錠250mg 電子添文(KEGG MEDICUS 掲載). https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00054871 (閲覧日:2026年9月25日)
  4. メトロニダゾール腟錠250mg 電子添文(KEGG MEDICUS 掲載). https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00054870 (閲覧日:2026年9月25日)
  5. 国立健康危機管理研究機構. 性器クラミジア感染症(詳細版)(定点報告の対象疾患の記載). https://id-info.jihs.go.jp/infectious-diseases/chlamydia-std/detail/index.html (閲覧日:2026年9月24日)
  6. 日本性感染症学会(編). 性感染症 診断・治療ガイドライン2026. 診断と治療社, 2025年12月18日発行.

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。