HIVと診断されたら、最初に知ってほしいこと:有効な治療があり、合併症がなければ長く生きられる。早く専門の医師に。日常生活ではほかの人にうつさない。医療費の支援制度もある。仕事をやめるなど大きな決断は急がないで
HIV陽性と告げられたとき、頭が真っ白になる人は少なくありません。国立健康危機管理研究機構エイズ治療・研究開発センター(ACC)の手引き(2022年)では、HIV検査の結果を伝えるときに伝える情報として、HIV感染症には有効な治療法があり、合併症がなければ長く生きることが期待できること、早く専門の医師の診察を受けることが望ましいこと、日常生活ではほかの人に感染させることはないこと、電話相談やカウンセリングの体制があること、治療費についてさまざまな支援制度があることをあげています。また、仕事や学校をやめる、見境なく打ち明けるなど、衝動的に大きな決断をしないよう助言するとしています。

プレ男もし自分がHIV陽性って言われたら、頭が真っ白になって、何をしたらいいかわからなくなりそうだ……。

メル美まず何を知っておけばいいのかな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、HIVと診断されたときに、最初に知ってほしいことの話です。国立健康危機管理研究機構エイズ治療・研究開発センター(ACC)の「抗HIV治療ガイドライン・治療の手引き」の「HIV感染症の診断」(2022年9月29日更新)の「HIV検査結果の告知」をもとにまとめました。
「陽性」の意味を確かめる
ACCの手引きによると、HIV検査は、スクリーニング検査のあと、確認検査で陽性になったときに、HIV感染症と確定します。スクリーニング検査には偽陽性の可能性があるため、告げられたのが「スクリーニング検査が陽性で、確認のための追加の検査が必要」なのか、「HIVに感染している」なのかを、まず確かめてください。
スクリーニング検査で陽性と言われたときのことは、HIV検査で「陽性」「要確認」と言われたらを見てください。
最初に知ってほしいこと
ACCの手引きでは、HIV検査の結果を伝えるとき、次のことを伝えるとしています。
- HIV感染症には有効な治療法があり、合併症がなければ長く生きることが期待できる
- 早く専門の医師の診察を受けることが望ましい
- 日常生活では、ほかの人に感染させることはない
- 電話相談の窓口やカウンセリングの体制がある
- 治療の費用について、さまざまな支援制度がある

HIV感染症には有効な治療があり、合併症がなければ長く生きることが期待できます。まずは、できるだけ早く専門の医師の診察を受けてください。
医療費の支援についてはHIVの医療費と支援制度、治療の始め方についてはHIVの治療はいつ始める?を見てください。
大きな決断は、急がない
ACCの手引きによると、告げられたときは落ちついているように見えても、時間がたってから疑問や混乱、不安が出てくることがあります。そのため、仕事や学校をやめる、見境なくまわりに打ち明けるなど、衝動的に大きな決断をしないように助言するとしています。
仕事のことは、HIVと仕事を見てください。

プレ男あせって仕事をやめたりしないで、まずは専門の医師に会って、治療と支援のことを聞くのが先なんだね。
周りの人ができること
- 打ち明けられたら、責めずに、まず話を聴く
- 日常生活ではうつらないので、今までどおりに接する
- 受診や治療を応援する
- 聞いたことを、本人の許可なくほかの人に話さない
(更新)公益財団法人エイズ予防財団の「API-Net エイズ予防情報ネット」には、エイズの電話相談の案内があります。名前を告げる必要はなく、相談内容の秘密は守られ、相談は無料で、HIVの感染がわかってどうしたらよいか困ったときや、恋人・家族・同僚の感染がわかったときにも相談できるとしています。API-Netの「エイズ検査・相談の基礎知識」では、エイズ予防財団の無料電話相談 0120-177-812、携帯電話からの相談 03-5259-1815(通話料は有料)が案内されています。受付時間は、API-Netの「電話相談のご案内」で確認してください。
まとめ
- まず、「スクリーニング検査の陽性」か「確定」かを確かめる
- HIVには有効な治療があり、合併症がなければ長く生きられる
- 早く専門の医師へ。医療費の支援制度もある
- 日常生活ではほかの人にうつさない
- 仕事をやめるなど大きな決断は急がない
参考文献
- 国立健康危機管理研究機構 エイズ治療・研究開発センター(ACC). 抗HIV治療ガイドライン・治療の手引き:HIV感染症の診断(Last updated: 2022-09-29). https://www.acc.jihs.go.jp/medics/treatment/handbook/part3/sec12.html (閲覧日:2026年10月10日)
- 公益財団法人エイズ予防財団. API-Net エイズ予防情報ネット「電話相談のご案内」. https://api-net.jfap.or.jp/inspection/tel.html (閲覧日:2026年10月12日)
- 公益財団法人エイズ予防財団. API-Net エイズ予防情報ネット「エイズ検査・相談の基礎知識」. https://api-net.jfap.or.jp/inspection/index.html (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
