HIVと仕事:HIVはふだんの職場生活ではうつらない。国のガイドラインは、会社は働く人や採用の応募者にHIV検査を行わないこと、HIVに感染していること自体は解雇の理由にならないこと、秘密を守ることを定めている
HIVに感染していると、仕事を続けられないのでは——そんな不安を持つ人もいるかもしれません。厚生労働省(旧労働省)の「職場におけるエイズ問題に関するガイドライン」は、HIVはふだんの職場生活では感染しないとし、会社(事業者)は、働く人にHIV検査を行わないこと、採用選考でHIV検査を行わないこと、HIV感染の情報の秘密を守ること、健康状態が良好な人をほかの人と同じように扱うことを定めています。HIVに感染していること自体は、就業禁止や解雇の理由にはなりません。

メル美もしHIVに感染していたら、会社に知られたり、仕事を続けられなくなったりするのかな……。それがこわくて検査を受けられない人もいるのかも。

プレ男職場でHIVがうつることって、あるの?
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、HIVと仕事の話です。厚生労働省(当時の労働省)が定めた「職場におけるエイズ問題に関するガイドライン」をもとにまとめました。HIVは、早く見つけて治療すれば、ほとんど変わらない生活を送れる病気です(HIV)。仕事への不安で、検査や治療をためらわないでください。
HIVは、ふだんの職場生活ではうつらない
- ガイドラインは、働く人にHIVが日常の職場生活では感染しないことを周知し、根拠のない恐怖や誤解、偏見による差別や混乱を防ぐ必要があるとしています
- 職場でけがをして出血した人の手当てをするときは、HIVだけでなく、B型・C型肝炎など血液でうつる病原体があるものとして、使い捨ての手袋などを使うよう教育することがすすめられています。HIVがいる血液が皮膚にふれても、ふつうは感染しませんが、傷口や粘膜からは感染する危険があるとしています
会社は、HIV検査を行わない
ガイドラインは、会社(事業者)について、次のように定めています。
- 働く人にHIV検査を行わないこと。職場でのHIV検査は、労働衛生管理上の必要性に乏しく、職場に不安を招くおそれがあるためです。解説では、本人の同意のないHIV検査はプライバシーの侵害になるとしています
- 採用選考で、HIV検査を行わないこと。HIVに感染しているかどうかは、応募者の能力や適性とは一般的に無関係だからです
- 働く人が自分の意思で会社の診療所などで検査を受けるときは、秘密を徹底して守り、検査の前と結果を伝えるときに十分な説明とカウンセリングを行うこと

プレ男会社が勝手にHIVの検査をすることはできないんだね。
秘密を守り、ほかの人と同じように扱う
- 会社は、HIV感染に関する健康情報の秘密を徹底して守ること
- HIVに感染していても健康状態が良好な人は、ほかの健康な人と同じように扱うこと。エイズなどを発症している人も、ほかの病気の人と同じように扱うこと
- HIVに感染していること自体は、労働安全衛生法の就業禁止にはあたりません
- HIVに感染していること自体は、解雇の理由になりません

HIVはふだんの職場生活ではうつりません。国のガイドラインでも、HIV感染そのものは解雇の理由にならないとされています。仕事への不安で、検査や治療を先のばしにしないでください。
検査は、保健所などで匿名で
- 職場とは関係なく、保健所などで無料・匿名でHIV検査を受けられます(性感染症の検査、どこを調べる?、東京で、匿名・無料でHIVと梅毒の検査)
- 結果の見方は、HIV検査で「陽性」「要確認」と言われたらの記事にまとめています
困ったときは
- 職場で不当な扱いを受けたときは、都道府県の労働局などの相談窓口や、HIVの診療をしている医療機関の医療スタッフ(ソーシャルワーカーなど)に相談しましょう
(更新)厚生労働省の「総合労働相談コーナーのご案内」(2026年10月12日閲覧)によると、各都道府県労働局や全国の労働基準監督署内など378か所に「総合労働相談コーナー」があり、解雇、雇止め、配置転換、賃金の引下げ、募集・採用、いじめ・嫌がらせ、パワハラなど、あらゆる分野の労働問題の相談を、予約不要・無料で受けています。法律違反の疑いがある場合は、行政指導などの権限をもつ部署に取り次ぐとしています。HIVを理由とする扱いについての相談に特化した窓口かどうかは確認していません。
医療費や生活を支える制度は、HIVの医療費と支援制度の記事にまとめています。
まとめ
- HIVはふだんの職場生活ではうつらない
- 会社は、働く人や採用の応募者にHIV検査を行わない(ガイドライン)
- 本人が自分の意思で検査を受けるときは、秘密を守り、十分な説明を
- HIV感染そのものは、就業禁止や解雇の理由にならない。ほかの人と同じように扱う
- 検査は保健所などで無料・匿名で
参考文献
- 労働省労働基準局長・職業安定局長通知. 職場におけるエイズ問題に関するガイドラインについて(平成7年2月20日 基発第75号・職発第97号)(厚生労働省 法令等データベース). https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc4517&dataType=1&pageNo=1 (閲覧日:2026年10月10日)
- 厚生労働省. 総合労働相談コーナーのご案内. https://www.mhlw.go.jp/general/seido/chihou/kaiketu/soudan.html (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
