HIVの治療を始めて数か月以内に、かえって具合が悪くなる「免疫再構築症候群」:免疫がもどる途中で、かくれていた感染症などが表に出る。日本では治療を受けた人の約8%
HIVの治療(抗HIV療法)を始めたあと、数か月以内に、日和見感染症などが新たに出たり、再発・悪化したりすることがあります。これを免疫再構築症候群といいます。研究班の「抗HIV治療ガイドライン」(2026年3月)によると、日本での発症の頻度は、抗HIV治療を受けた人全体の8%前後で、帯状疱疹、非結核性抗酸菌症、サイトメガロウイルス感染症、ニューモシスチス肺炎、結核、カポジ肉腫などが多く、最近はB型肝炎なども増える傾向です。CD4数が50以下、ウイルス量が10万コピー以上の人で治療を始めるときは、とくに注意が必要です。治療を始める前に日和見感染症の有無を調べ、必要な予防をしておくことが大切です。

プレ男HIVの治療を始めたのに、帯状疱疹が出たって話を聞いたんだ。薬が効いていないのかな?

メル美治療を始めたあとに具合が悪くなることがあるなんて、知らないと不安になるよね。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、HIVの治療を始めたあとに起こることがある「免疫再構築症候群」の話です。研究班の「抗HIV治療ガイドライン」(2026年3月)の「免疫再構築症候群」の項をもとにまとめました。
治療を始めて数か月以内に、症状が出ることがある
ガイドラインによると、
- 免疫が弱っているHIVのある人が、効果のある抗HIV治療を始めて数か月以内に、日和見感染症などの病気が新たに出る、再発する、悪化することがあり、これを免疫再構築症候群と考えて対応します
- 治療で免疫がもどってくる途中で、体の中にかくれていた病原体に免疫が反応することなどで起こると考えられています
日本では約8%
ガイドラインによると、
- 日本での発症の頻度は、抗HIV治療を受けた人全体の8%前後で、医療機関によってちがいます(2012〜2016年は7.1%、医療機関ごとに1.9〜18.4%)
- 日本で多いのは、帯状疱疹、非結核性抗酸菌症、サイトメガロウイルス感染症、ニューモシスチス肺炎、結核、カポジ肉腫などで、2010年代からはB型肝炎や進行性多巣性白質脳症がふえる傾向です
- 日和見感染症を発症していた人に限ると、2〜63%と高くなります

HIVの治療を始めて数か月以内に、帯状疱疹などの病気が出ることがあります。免疫再構築症候群とよばれ、日本では治療を受けた人の約8%にみられます。
注意が必要な人と、前もってできること
ガイドラインによると、
- CD4数が50以下、ウイルス量が10万コピー/mL以上の人で治療を始めるときは、とくに注意が必要です
- 免疫不全が進んだ人では、治療を始める前に、目の奥の検査、胸のレントゲン、脳のMRI、血液検査などで日和見感染症がないかを調べ、必要な予防を始めておきます(CD4数200未満ではニューモシスチス肺炎、50未満で治療をすぐ始められないときは非結核性抗酸菌症の予防など)
- 日和見感染症の治療を始めたあと、抗HIV治療をいつ始めるかは、病気によってちがいます。海外の指針では、結核性髄膜炎とクリプトコックス髄膜炎をのぞき、日和見感染症の治療を始めてから早めに抗HIV治療を始めることがすすめられています
- 対処法や防ぎ方は、まだ確立していないとしています

プレ男治療が効いて免疫がもどってくる途中で起こることがあるんだね。早く検査して、免疫が弱る前に治療を始めることも大事なんだ。
治療を始める時期はHIVの治療はいつ始める?、エイズを発症してからわかるときはエイズを発症してからHIVがわかるとき、帯状疱疹はHIVと帯状疱疹を見てください。
まとめ
- HIVの治療を始めて数か月以内に、日和見感染症などが出たり悪化したりすることがある(免疫再構築症候群)
- 日本では治療を受けた人の約8%
- 帯状疱疹、非結核性抗酸菌症、サイトメガロウイルス、ニューモシスチス肺炎、結核、カポジ肉腫など
- CD4数50以下・ウイルス量10万以上で始めるときはとくに注意
- 治療前に日和見感染症を調べ、予防をしておく
参考文献
- HIV感染症および血友病におけるチーム医療の構築と医療水準の向上を目指した研究班. 抗HIV治療ガイドライン(2026年3月) 免疫再構築症候群(要約、疫学、対応方法). https://hiv-guidelines.jp/2026/part10-1.htm (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
