HIVのお母さんから生まれた赤ちゃんの検査と、子どものHIV:お母さんの抗体が移るので、生後12〜18か月までは抗体の検査ではわからない。遺伝子の検査(PCR)を生後2〜3週と4〜6か月などに行う。感染していたら、すぐに治療を始める
HIVのあるお母さんから生まれた赤ちゃんは、HIVに感染しているかをどう調べるのでしょうか。国立健康危機管理研究機構エイズ治療・研究開発センター(ACC)の手引き(2023年)によると、生後12〜18か月までは、お母さんから移った抗体のため、抗体の検査では陽性に出てしまうので、はじめから遺伝子の検査(PCR)を使います。PCRは、生まれて48時間以内、生後2〜3週、2〜3か月、4〜6か月に行い、2回続けて陽性なら感染が確定します。日本では、12歳以下の子どもが母子感染以外でHIVに感染することは極めてまれです。感染していたら、大人と同じく、診断後すみやかに治療を始めます。

メル美HIVのあるお母さんから生まれた赤ちゃんは、うつっているかどうか、生まれてすぐにわかるの?

プレ男大人と同じ検査ではわからないこともあるのかな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、HIVのお母さんから生まれた赤ちゃんの検査と、子どものHIVの話です。国立健康危機管理研究機構エイズ治療・研究開発センター(ACC)の「抗HIV治療ガイドライン・治療の手引き」の「小児のHIV感染症」(2023年8月1日更新)をもとにまとめました。妊娠中のHIVと母子感染を防ぐ方法についてはHIVと妊娠を見てください。
子どものHIVは、ほとんどが母子感染
ACCの手引きによると、日本では、12歳以下の子どもが、母子感染以外でHIVに感染することは極めてまれです。
赤ちゃんは「遺伝子の検査」で調べる
ACCの手引きによると、
- 大人のHIVの診断は、まずスクリーニング検査をして、陽性なら確認検査をします
- でも、生後12〜18か月までの赤ちゃんは、お母さんから移った抗体のため、抗体の検査が偽陽性になってしまいます。そのため、はじめから遺伝子の検査(PCR)を使います
- HIVのお母さんから生まれた赤ちゃんは、PCRを、生まれて48時間以内、生後2〜3週、生後2〜3か月、生後4〜6か月に行います。リスクが低い場合は、48時間以内と2〜3か月を省くことができます
- 陽性が出たら、できるだけすぐにもう一度調べ、2回続けて陽性なら感染が確定します

プレ男お母さんの抗体が赤ちゃんに残っているから、抗体の検査ではわからないんだね。

HIVのお母さんから生まれた赤ちゃんは、決められた時期に遺伝子の検査を受けることで、感染しているかを確かめられます。検査の予定は、主治医と一緒に確認してください。
感染していたら、すぐに治療
ACCの手引きによると、
- 以前はCD4数によってすすめ方が異なっていましたが、今は大人と同じく、子どもでも全員、診断後すみやかに治療を始めることが強くすすめられています(HIVの治療はいつ始める?)
- 子どもでも、大人と同じようにいくつかの薬を組み合わせた治療を行います。治療を始める前には、薬剤耐性の検査を行います
- 子どもが飲める形の薬で保険で使えるものはとても限られているため、厚生労働省の研究班から提供される薬を使うこともあります
- HIVのある子どもは日和見感染症のリスクが高いため、大人よりも積極的な予防がすすめられています
ワクチン
ACCの手引きによると、米国CDCのガイドラインでは、
- 不活化ワクチンは原則すべてすすめられ、とくに肺炎球菌やHibのワクチンは、重症化を防ぐためにつよくすすめられています
- 生ワクチンでは、BCGはすべて接種しない(禁忌)とされ、水ぼうそうや麻しん・風しん・おたふくかぜのワクチンは、免疫が保たれている子ども(CD4の割合が15%より多い)にすすめられています
- 実際のスケジュールは、専門家と相談しながら決めるべきとされています
まとめ
- 日本の子どものHIVは、ほとんどが母子感染
- 生後12〜18か月までは、抗体の検査ではわからない。PCR(遺伝子の検査)で調べる
- PCRは48時間以内、2〜3週、2〜3か月、4〜6か月。2回続けて陽性で確定
- 感染していたら、すぐに治療を始める
- ワクチンは専門家と相談しながら。BCGは接種しない
参考文献
- 国立健康危機管理研究機構 エイズ治療・研究開発センター(ACC). 抗HIV治療ガイドライン・治療の手引き:小児のHIV感染症(Last updated: 2023-08-01). https://www.acc.jihs.go.jp/medics/treatment/handbook/part3/sec07.html (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
