
プレ男先輩が「これ、元気になるやつ。合法だから」って錠剤を見せてきたんだ。もちろん断ったけど、持っているだけでも罪になるの?

メル美薬物ごとに法律がちがうんだって。条文を見てみよう。
今回は、違法薬物の法律です。覚醒剤取締法、麻薬及び向精神薬取締法(以下「麻向法」)、医薬品医療機器等法(薬機法)、麻薬などを指定する政令の条文(e-Gov法令検索)で確かめました。大麻については、大麻の「使用」も罪にの記事で説明しています。
この記事は一般的な解説で、法律相談の代わりにはなりません。自分や家族の薬物のことで悩んでいたら、下の「相談できるところ」を見てください。
ひと目でわかる罰則
| 薬物 | 法律 | 持つ・譲る・譲り受ける | 使う | 営利目的のとき |
|---|---|---|---|---|
| 覚醒剤 | 覚醒剤取締法 | 10年以下の拘禁刑(41条の2第1項) | 10年以下の拘禁刑(19条、41条の3第1項1号) | 1年以上の有期拘禁刑(情状により500万円以下の罰金も)(41条の2第2項、41条の3第2項) |
| 麻薬(MDMA、コカインなど。ヘロインなどの「ジアセチルモルヒネ等」を除く) | 麻向法 | 7年以下の拘禁刑(66条1項) | 7年以下の拘禁刑(27条、66条の2第1項) | 1年以上10年以下の拘禁刑(情状により300万円以下の罰金も)(66条2項、66条の2第2項) |
| 指定薬物(いわゆる危険ドラッグ) | 薬機法 | 医療等の用途以外の所持・購入・譲り受けは3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、または両方(76条の4、84条28号) | 同じく3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、または両方 | 業として製造・輸入・販売・授与などをすると5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金、または両方(83条の9) |
- どの罪も、未遂も罰せられます(覚醒剤取締法41条の2第3項・41条の3第3項、麻向法66条3項・66条の2第3項)
- 覚醒剤を輸入・輸出・製造すると、1年以上の有期拘禁刑(営利目的なら無期または3年以上の拘禁刑)です(覚醒剤取締法41条)

プレ男覚醒剤は、持つだけでも使うだけでも10年以下…。「1回だけ」でも関係ないんだね。
覚醒剤:医療・研究など以外は「何人も」使えない
- 覚醒剤取締法19条は、覚醒剤製造業者や、覚醒剤施用機関で診療する医師・研究者などが法律にもとづいて使う場合のほかは、「何人も、覚醒剤を使用してはならない」と定めています
- 所持も、14条で覚醒剤製造業者や施用機関の医師・研究者など以外は禁止されています
- 罰則は、みだりに所持・譲り渡し・譲り受けをすると10年以下の拘禁刑(41条の2第1項)、使用すると10年以下の拘禁刑(41条の3第1項1号)
MDMA・コカインは「麻薬」
- 麻向法2条1号:「麻薬」とは、「別表第一に掲げる物及び大麻」
- コカインは別表第一に、MDMA(N・α―ジメチル―三・四―(メチレンジオキシ)フェネチルアミン)は、別表第一77号にもとづく政令(麻薬、麻薬原料植物、向精神薬、麻薬向精神薬原料等を指定する政令)の1条で麻薬に指定されています
- 麻薬は、医療で麻薬施用者から交付を受けた場合などのほかは施用できず(27条)、施用を受けることも禁止されています(27条5項)
指定薬物(いわゆる危険ドラッグ)
- 薬機法2条15項の「指定薬物」は、中枢神経系の興奮・抑制や幻覚の作用(精神毒性)をもつ蓋然性が高く、人に使われると保健衛生上の危害が発生するおそれがあるとして、厚生労働大臣が指定するものです
- 76条の4は、指定薬物を医療等の用途以外のために「製造し、輸入し、販売し、授与し、所持し、購入し、若しくは譲り受け、又は医療等の用途以外の用途に使用してはならない」と定めています
- 厚生労働省は、「合法ハーブ等と称して販売される薬物」の成分のうち、幻覚などの作用があり健康被害のおそれがある物質を指定薬物として指定してきたこと、2014年(平成26年)4月1日から指定薬物の所持・使用・購入・譲り受けも禁止されたことを説明しています
- 厚生労働省は、2026年(令和8年)8月18日にも新たに4物質を指定薬物に指定する省令が公布された、と案内しています。「合法」とうたっていても、中身が指定薬物や麻薬・覚醒剤にあたれば、法律上の扱いは名前で変わりません

メル美「合法」って言われても、中身がわからないものは受け取らない。それがいちばん確かだね。
「運ぶだけ」のバイトも
- 荷物を受け取って運ぶだけ、という闇バイトが、薬物の運び役であることもあります。闇バイトの手口と罪は闇バイトの記事で

覚醒剤は、所持も使用も10年以下の拘禁刑です。悩んでいるときは、責められることをおそれず、精神保健福祉センターなどの相談窓口に連絡してください。
相談できるところ(東京の例)
港区の「薬物乱用についての相談機関」のページ(2026年5月28日更新)は、次の窓口を案内しています。
| 窓口 | 電話 |
|---|---|
| 東京都立中部総合精神保健福祉センター | 03-3302-7711(月〜金 9時〜17時。祝日・年末年始を除く) |
| 厚生労働省 関東信越厚生局麻薬取締部「麻薬・覚醒剤」相談電話 | 03-3512-8690 |
| 警視庁総合相談センター | 03-3501-0110 |
- ほかに、薬物依存症の回復支援施設や家族会、自助グループの連絡先も載っています
- 東京以外の人は、住んでいる都道府県・政令指定都市の精神保健福祉センターへ
まとめ
- 覚醒剤:所持も使用も10年以下の拘禁刑(覚醒剤取締法41条の2・41条の3)
- MDMA・コカインなどの麻薬:所持も施用も7年以下の拘禁刑(麻向法66条・66条の2)
- 指定薬物:医療等の用途以外の所持・購入・使用も3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金(薬機法76条の4・84条28号)、業として売れば5年以下
- 営利目的・未遂も罰せられる
- 大麻は大麻の記事、深夜のナイトクラブのルールはクラブと風営法もどうぞ
参考文献
- 覚醒剤取締法(昭和26年法律第252号)第14条、第19条、第41条、第41条の2、第41条の3. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0100000252 (閲覧日:2026年10月22日)
- 麻薬及び向精神薬取締法(昭和28年法律第14号)第2条、第27条、第66条、第66条の2、別表第一. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/328AC0000000014 (閲覧日:2026年10月22日)
- 麻薬、麻薬原料植物、向精神薬、麻薬向精神薬原料等を指定する政令(平成2年政令第238号)第1条. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/402CO0000000238 (閲覧日:2026年10月22日)
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第2条第15項、第76条の4、第83条の9、第84条. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000145 (閲覧日:2026年10月22日)
- 厚生労働省. 薬物乱用防止に関する情報. https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/yakubuturanyou/index.html (閲覧日:2026年10月22日)
- 港区(みなと保健所生活衛生課). 薬物乱用についての相談機関・URLリンク集(更新日:2026年5月28日). https://www.city.minato.tokyo.jp/imuyakuji/yakuboukyou/yakubutsusoudan.html (閲覧日:2026年10月22日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。