
プレ男先輩が、カードのリボと借金がふくらんで、もう返せないって悩んでる。自己破産したら人生終わり、って思いこんでるみたいで…。

メル美ひとりで抱えこまないでほしいね。まず、破産の手続きで何が起きるのかを、条文と裁判所の案内で確かめよう。
今回は、自己破産と免責です。破産法と民事執行法施行令の条文(e-Gov法令検索)、裁判所の手続案内「破産」、金融庁の「多重債務についての相談窓口」の原文で確かめました。
この記事は一般的な解説で、法律相談の代わりにはなりません。返済に困ったら、早めに下の「相談先」へ。
破産手続とは
- 破産法15条:債務者が支払不能にあるとき、裁判所は、申立てにより、決定で破産手続を開始します。支払を停止したときは支払不能にあると推定されます
- 申立ては、債権者も債務者もできます(18条)。自分で申し立てるのが、いわゆる「自己破産」です
- 裁判所の案内によると、破産手続は、裁判所が破産手続の開始を決定し、破産管財人を選任して、管財人が債務者の財産を金銭に換えて債権者に配当する手続きです。財産が少ない場合は、管財人を選任しないまま終了することもあります
借金がなくなるには「免責」が必要
- 裁判所の案内:「破産手続開始時点の債務は、破産手続が開始されても、当然に返済を免れるものではなく、債務を免れるためには免責の許可を受ける必要があります」
- 個人が破産手続開始の申立てをした場合は、反対の意思を表示しない限り、同時に免責許可の申立てをしたものとみなされます(248条4項)
- 免責許可の決定が確定すると、破産者は、配当を除き、破産債権についてその責任を免れます(253条1項)

プレ男破産の手続きと、借金を免れる「免責」は別のものなんだ。
ギャンブルや浪費の借金は?(252条)
免責が許可されない事由(免責不許可事由)が、252条1項に11個あげられています。主なものは次のとおりです。
| 免責不許可事由(主なもの) | 号 |
|---|---|
| 債権者を害する目的で、財産を隠す・壊す・不利益に処分する | 1号 |
| 浪費または賭博その他の射幸行為をしたことで、著しく財産を減少させ、または過大な債務を負担した | 4号 |
| 申立ての1年前から開始決定までに、支払不能などを知りながら、ないと信じさせるため詐術を用いて信用取引で財産を取得した | 5号 |
| うその債権者名簿を出した | 7号 |
| 裁判所の調査で、説明を拒み、またはうその説明をした | 8号 |
| 前に免責許可の決定が確定した日などから7年以内に免責許可の申立てをした | 10号 |
- ただし、252条2項:これらに当たる場合でも、裁判所は、「破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認めるときは、免責許可の決定をすることができる」
- 裁判所の案内も、破産に至った事情に浪費や詐欺行為などがある場合は「免責の許可が受けられないこともあります」と説明しています。手続きの中で、事情を正直に説明することが大切です(うその説明は8号の不許可事由)
オンラインカジノは日本から賭ければ賭博罪になります。オンラインカジノの記事もどうぞ。
免責されても残るもの(253条)
| 免責されない請求権(非免責債権) | 号 |
|---|---|
| 税金などの租税等の請求権 | 1号 |
| 悪意で加えた不法行為にもとづく損害賠償 | 2号 |
| 故意または重大な過失で人の生命・身体を害した不法行為の損害賠償 | 3号 |
| 夫婦の協力・扶助、婚姻費用、子の監護(養育費など)、扶養の義務にかかる請求権 | 4号 |
| 雇っている人の給料などの請求権 | 5号 |
| 知りながら債権者名簿に書かなかった請求権 | 6号 |
| 罰金等の請求権 | 7号 |
- さらに、免責は、債権者が保証人などに対して持つ権利には影響を及ぼしません(253条2項)。本人が免責されても、保証人には請求がいくことがあります。保証人の記事もどうぞ

メル美保証人になってくれた家族や友だちに、請求がいくかもしれない。だから、ひとりで決めずに専門家に相談しないとね。
手もとに残せる財産もある(34条)
- 破産手続開始のときに持っている財産は、原則として「破産財団」になります(34条1項)
- ただし、民事執行法131条3号の額(民事執行法施行令1条で66万円)に「二分の三」を掛けた額の金銭(=99万円)と、差し押さえることができない財産は、破産財団に入りません(34条3項)
- 裁判所は、破産者の生活の状況などを考え、破産財団に入らない財産の範囲を拡張することもできます(34条4項)
費用(裁判所の案内)
- 収入印紙は、破産手続開始の申立てで1000円分、免責許可の申立てで500円分(債権者による申立ては2万円分)
- ほかに、連絡用の郵便料や予納金が必要で、裁判所ごとに異なります。申立先は、原則として住所地を管轄する地方裁判所です

破産法252条2項では、浪費やギャンブルなどの免責不許可事由に当たる場合でも、裁判所は、破産手続開始に至った経緯その他一切の事情を考慮して、免責を許可することができます。
相談先
- 金融庁「多重債務についての相談窓口」:全国の財務局の多重債務相談窓口や、債務整理(借金問題)の相談先として、法テラス、日本弁護士連合会、日本司法書士会連合会、日本貸金業協会、日本クレジットカウンセリング協会、全国銀行協会などを案内しています
- 法テラス(サポートダイヤル 0570-078374):厚生労働省は、法テラスは多重債務問題などの法的トラブルの解決に役立つ法制度や相談窓口を紹介している、と案内しています。平日9時〜21時、土曜9時〜17時(祝日・年末年始を除く)
- 登録のない業者から借りてしまったら、ヤミ金の記事へ
まとめ
- 支払不能なら、裁判所に破産手続を申し立てられる(15条・18条)。個人の申立ては免責の申立てもしたものとみなされる(248条4項)
- 借金を免れるには免責許可の決定が必要(253条1項)
- 浪費・ギャンブルで著しく財産を減らしたことなどは免責不許可事由。でも、裁判所は一切の事情を考えて免責できる(252条)
- 税金・養育費・罰金などは免責されず、保証人への請求も残る(253条)
- 99万円までの現金などは手もとに残る(34条3項)
- まず相談を。金融庁の窓口一覧や法テラスへ
参考文献
- 破産法(平成16年法律第75号)第15条、第18条、第34条、第248条、第252条、第253条. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000075 (閲覧日:2026年10月22日)
- 民事執行法(昭和54年法律第4号)第131条. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004 (閲覧日:2026年10月22日)
- 民事執行法施行令(昭和55年政令第230号)第1条. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/355CO0000000230 (閲覧日:2026年10月22日)
- 裁判所. 破産. https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_16/index.html (閲覧日:2026年10月22日)
- 金融庁. 多重債務についての相談窓口. https://www.fsa.go.jp/soudan/index.html (閲覧日:2026年10月22日)
- 厚生労働省. その他の相談先(法テラス・サポートダイヤル). https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/jisatsu/soudan_sonota.html (閲覧日:2026年10月22日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。