
メル美前に使っていたマッチングアプリ、退会したけど、私のプロフィールや写真ってまだ会社に残ってるのかな。何が残ってるか知りたい。

プレ男ポイントカードの会社に、おれの買い物の記録がどれだけあるのかも気になる。「見せて」って言えるのかな。
今回は、自分の個人データの「開示」「訂正」「利用停止」の請求です。個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)と同法施行規則の条文(e-Gov法令検索)、個人情報保護委員会の相談ダイヤルの案内の原文で確かめました。条文は2026年10月22日現在のものです。
この記事は一般的な解説で、法律相談の代わりにはなりません。事業者の対応に困ったら、下の「相談先」へ。
だれに請求できる?
- 個人情報保護法は、個人情報データベース等を事業の用に供している者を「個人情報取扱事業者」としています(16条2項)。国の機関・地方公共団体・独立行政法人等・地方独立行政法人は除かれます(同項ただし書)
- 請求の対象になるのは「保有個人データ」、つまり事業者が開示・訂正・利用停止・消去・第三者提供の停止を行う権限を持っている個人データです(16条4項。存否が明らかになると公益などが害されるとして政令で定めるものを除く)
請求できること(33条〜35条)
| 請求 | できるとき | 条文 |
|---|---|---|
| 開示 | いつでも。電磁的記録の提供、書面の交付、その他事業者の定める方法から請求できる(施行規則30条) | 33条1項 |
| 第三者提供記録の開示 | 自分のデータをだれに提供した/だれから受け取ったかの記録 | 33条5項 |
| 訂正・追加・削除 | 保有個人データの内容が事実でないとき | 34条1項 |
| 利用停止・消去 | 利用目的の範囲を超えた取扱い(18条)、不適正な利用(19条)、不正な取得(20条)のとき | 35条1項 |
| 第三者への提供の停止 | 本人の同意のない第三者提供など(27条1項・28条違反)のとき | 35条3項 |
| 利用停止・消去・提供の停止 | 事業者が利用する必要がなくなったとき、そのデータの漏えい等(26条1項本文の事態)が生じたとき、その他本人の権利または正当な利益が害されるおそれがあるとき | 35条5項 |

プレ男「もう使う必要がなくなった」ときも、消してって言えるんだ。
事業者はどう対応する?
- 開示の請求を受けたら、本人が請求した方法(その方法に多額の費用がかかるなど困難なときは書面の交付)で、遅滞なく開示しなければなりません(33条2項)
- ただし、開示すると①本人または第三者の生命、身体、財産その他の権利利益を害するおそれがある、②事業者の業務の適正な実施に著しい支障を及ぼすおそれがある、③他の法令に違反することになる、のどれかにあたるときは、全部または一部を開示しないことができます(33条2項ただし書)
- 開示しないと決めたとき、データが存在しないとき、請求された方法での開示が困難なときは、本人に遅滞なく通知しなければなりません(33条3項)
- 訂正の請求には、利用目的の達成に必要な範囲で遅滞なく調査し、その結果にもとづいて訂正等を行い、結果を通知します(34条2項・3項)
- 利用停止等は、請求に理由があることがわかったら、違反を正すのに必要な限度などで遅滞なく行います。多額の費用がかかるなど困難な場合は、本人の権利利益を守るための代わりの措置をとることもできます(35条2項・4項・6項)
手続と手数料(32条・37条・38条)
- 事業者は、請求に応じる手続(手数料の額を定めたときはその額も)を、本人が知りうる状態(本人の求めに応じて遅滞なく回答する場合を含む)に置かなければなりません(32条1項3号)。まずは、事業者のプライバシーポリシーや問い合わせ窓口で手続を確かめることになります
- 事業者は請求を受け付ける方法を定めることができ、本人はその方法にしたがって請求します(37条1項)。対象を特定する情報を求められることもありますが、事業者は本人の利便を考えた措置をとり、本人に過重な負担を課さないよう配慮しなければなりません(37条2項・4項)
- 請求は、政令で定めるところにより代理人によってもできます(37条3項)
- 開示や利用目的の通知には手数料を取ることができますが、その額は実費を勘案して合理的と認められる範囲内で定めなければなりません(38条)

メル美まずは、アプリのプライバシーポリシーで「開示請求の手続」を探してみるね。
応じてもらえないとき
- 開示・訂正・利用停止等の請求について裁判に訴えるときは、あらかじめ事業者に請求し、それが届いた日から2週間を過ぎてからでなければ訴えを起こせません。事業者が請求を拒んだときは、この限りではありません(39条1項)。仮処分の申立ても同じです(39条3項)

事業者が利用する必要がなくなった個人データや、漏えい等が生じた個人データについても、本人は利用停止・消去を請求できます(個人情報保護法35条5項)。
これからの改正(施行予定)
- 2026年7月17日に公布された改正法(令和8年法律第56号)により、e-Gov法令検索に載っている2028年7月16日施行予定の条文では、35条に、顔などの特定生体個人情報の利用停止等の請求や、16歳未満の本人の利用停止等の請求が加わります(施行日までに変わることもあるので、e-Gov法令検索で最新の条文を確かめてください)
相談先
- 個人情報保護法相談ダイヤル(個人情報保護委員会):03-6457-9849、9:30〜17:30(土日祝日・年末年始を除く)。事業者や行政機関の個人情報の取扱いに関する苦情や、制度の質問を電話で受け付け、ガイドラインやQ&Aにもとづいて助言・回答します。条件を満たす事業者への苦情では、当事者の間に立って歩み寄りを促す「あっせん」も行います。匿名でも相談できます。個別の適法・違法の判断は求められません
まとめ
- 本人は、事業者が持つ自分の保有個人データの開示を請求でき、電子データでの提供も求められる(33条1項・施行規則30条)
- 内容が事実でなければ訂正・追加・削除(34条)、違法な取扱い・不正取得なら利用停止・消去(35条1項)、同意のない第三者提供なら提供の停止(35条3項)
- 必要がなくなったとき、漏えいがあったときなども、利用停止等を請求できる(35条5項)
- 手数料は実費を勘案して合理的な範囲(38条)。裁判の前には請求して2週間(39条)
- 漏えいの通知が届いたときのことは個人データの漏えいの報告と通知、AIに入力する情報の注意はチャットAIと個人情報、ネットの書き込みの削除は発信者情報開示と削除の申出の記事で
参考文献
- 個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)第16条、第18条〜第20条、第26条〜第28条、第32条〜第35条、第37条〜第39条. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/415AC0000000057 (閲覧日:2026年10月22日)
- 個人情報の保護に関する法律(令和8年法律第56号による改正後、2028年7月16日施行予定の条文)第35条. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/415AC0000000057 (閲覧日:2026年10月22日)
- 個人情報の保護に関する法律施行規則(平成28年個人情報保護委員会規則第3号)第30条. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/428M60020000003 (閲覧日:2026年10月22日)
- 個人情報保護委員会. 個人情報保護法相談ダイヤル. https://www.ppc.go.jp/personalinfo/pipldial/ (閲覧日:2026年10月22日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。