著名人なりすまし広告に注意:有名な経営者や投資家の写真・動画を無断で使い「必ずもうかる」とうたうSNSの広告は、SNS型投資詐欺の入口。2025年はバナー広告から始まる被害が3,785件。2025年4月施行の情報流通プラットフォーム対処法で、大手SNSに削除対応の迅速化が義務に
著名人になりすました投資広告の手口と対策を、警察庁「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(確定値)」、総務省「令和7年版 情報通信白書」と大規模特定電気通信役務提供者の指定の発表でまとめました。2025年のSNS型投資詐欺9,523件のうち、最初の接触がバナーなどの広告だったのは3,785件(YouTube 1,024件など)。警察庁は、著名人の画像や動画を無断で使用し「必ずもうかる」「元本保証」などの文言を含む広告を確認しています。2025年4月1日施行の情報流通プラットフォーム対処法は、大規模なプラットフォーム事業者に削除対応の迅速化と運用状況の透明化を義務づけました。見分け方と相談先も紹介します。

プレ男YouTubeで、テレビで見る有名な社長が「わたしの投資法を無料で教えます」って広告に出てた! 本人だから安心だよね

メル美本人の写真が勝手に使われてる広告が多いって、警察庁が注意してるよ
今回は、著名人になりすました投資広告です。警察庁「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(確定値)」(2026年5月22日)、総務省「令和7年版 情報通信白書」、総務省の大規模特定電気通信役務提供者の指定の発表(2025年5月30日)で確認しました。
広告を信じてしまった人が悪いのではありません。知っている顔、信頼できそうな人を使うのが、この手口のねらいです。
広告から始まる被害(警察庁、2025年)
- 2025年のSNS型投資詐欺は9,523件・被害額1,288.0億円
- 最初の接触手段は、バナーなどの広告が3,785件(前年比+30.5%)、ダイレクトメッセージが3,549件で、合わせて約8割
- 広告のツール別では、YouTube 1,024件(前年比+1,989.8%)、投資のサイト697件、Instagram 617件
- 警察庁は、2025年3月以降に増えたバナー広告について、「著名人の画像や動画を無断で使用した広告が確認されており、『必ずもうかる』、『元本保証』などの文言を含む広告も見られた」と書いています
くわしい統計はSNS型投資詐欺の手口と相談窓口にまとめています。
よくある流れ
- SNSや動画サイトで、有名な経営者・投資家・タレントの写真や動画を使った広告を見る
- 「無料で投資法を教える」「限定の勉強会」などと書かれ、LINEのグループに誘われる
- グループ内で「先生」や「アシスタント」が、ほかの参加者の「もうかった」報告とともに投資を勧める
- 指定されたアプリやサイト、個人名義の口座、暗号資産で入金させられる
- 画面上は利益が出ているように見えるが、出金しようとすると手数料や税金を求められる

プレ男有名な人が、わざわざLINEで個人に投資を教えてくれるわけない…か
警察庁が挙げる特徴
警察庁は同じ資料の「トピックス」で、SNS型投資・ロマンス詐欺の入口になるバナー広告からの被害が3,831件(2025年、前年比+30.9%)に増えたとし、著名人をかたる広告からSNSの投資グループに誘導する手口に、次の特徴があるとしています。
- 動画で、口の動きと声が合わない、日本語の表記が誤っているなど、不自然である
- 著名人をかたっているのに、未認証アカウントを使っている
- LINE登録に誘導する
- 「必ずもうかる」「元本保証」などの甘い文句で誘う
見分けるポイント
| 要注意のサイン | 理由 |
|---|---|
| 有名人が「必ずもうかる」「元本保証」 | 警察庁が確認した詐欺広告の文言。本物の経営者・投資家がこう言うことはまずない |
| 広告からLINEのグループへ | 2025年の典型的な流れ |
| 本人の公式サイト・公式SNSに同じ告知がない | なりすましの可能性が高い |
| 「今だけ」「限定○名」 | 考える時間をなくす |
| 入金先が個人名義の口座や暗号資産 | 登録業者ではない可能性 |
- 本人や所属事務所が「なりすまし広告に注意」と公式に発表していることもあります。名前で検索して確かめましょう
- 投資の勧誘・助言を仕事として行うには、金融商品取引業の登録が必要です(金融商品取引法29条)
プラットフォームへの規制:情報流通プラットフォーム対処法
- 総務省によると、インターネット上の違法・有害情報に対処するため、2024年5月にプロバイダ責任制限法の改正法が成立し、法律の名前が「情報流通プラットフォーム対処法」に変わりました
- 改正法は2025年4月1日に施行され、大規模なプラットフォーム事業者に、削除対応の迅速化と運用状況の透明化の措置を義務づけています
- 総務省は、どのような情報が権利侵害や法令違反にあたるかを示す「違法情報ガイドライン」(2025年3月11日制定)もつくりました
- 総務省は、法律にもとづいて大規模特定電気通信役務提供者を指定しています(2025年5月30日の発表では、Pinterest、Amebaブログ、爆サイ.com、ニコニコの事業者を追加で指定)
見つけたら・だまされたら
- 広告は、SNSの通報(報告)機能で知らせることができます
- お金を払う前でも後でも、相談できます
- 金融庁「詐欺的な投資に関する相談ダイヤル」0570-050588(IP電話 03-6206-6066)
- 警察相談専用電話 #9110、消費者ホットライン 188
- 「お金を取り戻します」という連絡は二次被害の入口です(→被害回復をうたう二次被害)
まとめ
- 著名人の写真・動画を無断で使った投資広告が、SNS型投資詐欺の入口になっている
- 2025年は、広告から始まる被害が3,785件(YouTubeが1,024件)
- 「必ずもうかる」「元本保証」、LINEグループへの誘導、個人名義の口座は要注意
- 2025年4月施行の情報流通プラットフォーム対処法で、大規模な事業者に削除対応の迅速化などを義務化
- 迷ったら、払う前に金融庁・#9110・188へ
参考文献
- 警察庁. 令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(確定値)(令和8年5月22日). https://www.npa.go.jp/bureau/criminal/souni/tokusyusagi/hurikomesagi_toukei2025.pdf (閲覧日:2026年10月5日)
- 総務省. 令和7年版 情報通信白書 情報流通プラットフォーム対処法の施行. https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r07/html/nd123210.html (閲覧日:2026年10月7日)
- 総務省. 情報流通プラットフォーム対処法第20条第1項に基づく大規模特定電気通信役務提供者の指定(令和7年5月30日). https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu02_02000440.html (閲覧日:2026年10月7日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。