伊藤ハム米久ホールディングスの強みとは:ハム・ソーセージなどの加工食品と、国内外の食肉の会社。食肉事業がセグメント利益の約7割。2026年3月期は営業利益285億円(+45.4%)、記念配当を含めて年320円
伊藤ハム米久ホールディングスを、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月1日、東証の適時開示)で分析しました。売上高1兆714億円(+8.4%)、営業利益285億円(+45.4%)、経常利益304億円(+46.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益202億円(+54.4%)、ROE7.0%、自己資本比率56.2%。セグメントの経常利益は、食肉事業226億円(+84.3%、国産鶏肉の相場上昇と国産豚肉の採算改善、海外のアンズコフーズの牛肉・羊肉の収益性改善)、加工食品事業94億円(−3.1%、需要低迷で販売数量が減少、原材料費・物流単価の上昇)。アンズコフーズの決算期変更で15か月分を取り込み。配当は記念配当175円を含め年320円(普通配当145円)、DOE3.0%以上の累進配当の方針。2027年3月期は営業利益270億円(−5.1%)・年155円の予想。日本ハムとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

メル美伊藤ハムと米久って、同じグループなんだね。ハムの会社?

プレ男決算短信だと、売上も利益も、ハムより「食肉」の事業のほうが大きいんだって。海外の牛肉や羊肉も売っているみたい
企業分析の連載、257社目は伊藤ハム米久ホールディングスです。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月1日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載の日本ハムの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、伊藤ハム米久ホールディングス株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
ハム・ソーセージや調理加工食品の「加工食品事業」と、食肉の生産・処理加工・販売の「食肉事業」の会社。海外ではアンズコフーズが牛肉・羊肉を扱う
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 1兆714億円 | +8.4% |
| 営業利益 | 285億円 | +45.4% |
| 営業利益率 | 2.7% | 前期 2.0% |
| 経常利益 | 304億円 | +46.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 202億円 | +54.4% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 7.0% | 前期 4.6% |
| 自己資本比率 | 56.2% | 前期 61.1% |
| 配当 | 年320円(うち記念配当175円) | 前期 145円 |
- 原材料価格の高止まりや物流費の上昇が続く中、食肉事業の国内生産と海外事業の収益性が改善して増益でした
- 海外子会社アンズコフーズの決算期を3月に変えたため、当期は同社の15か月分の成績が入っています
2. 何で稼いでいるか
セグメントの利益は、経常利益です。
| セグメント | 主な動き(決算短信の記載) | 売上高 | 経常利益 |
|---|---|---|---|
| 食肉事業 | 国産鶏肉の相場上昇、国産豚肉の採算改善、アンズコフーズの北米向け牛肉・欧州向け羊肉の収益性改善 | 6,728億円(+14.4%) | 226億円(+84.3%) |
| 加工食品事業 | ハム・ソーセージ、調理加工食品の販売数量が減少、原材料費・物流単価の上昇 | 3,986億円(−0.6%) | 94億円(−3.1%) |
- 売上高の約63%、2つのセグメントの経常利益の合計のうち約71%が食肉事業です(計算値)
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 国内の食肉の生産
- 国産鶏肉の相場上昇による生産事業の収益性改善と、国産豚肉のリスク管理の強化による採算改善で、国内の食肉事業は増収増益でした
② 海外の食肉事業
- アンズコフーズで、北米向けの牛肉と欧州向けの羊肉の販売の収益性が改善しました
③ 配当の方針
- 普通配当は「DOE3.0%以上かつ累進配当」の方針です。2026年3月期は普通配当145円に、記念配当175円を加えて年320円でした(→配当方針の読み方)
4. 弱み・リスク
① 加工食品の需要低迷
- ハム・ソーセージなどは、消費者需要の低迷で販売数量が減り、加工食品事業は減益でした
② 相場とコストの影響
- 利益は、鶏肉の相場や、原材料費・物流単価の動きの影響を受けています。営業利益率は2.7%です
③ 2027年3月期は減益の予想
- 2027年3月期は、営業利益270億円(−5.1%)・当期純利益185億円(−8.5%)の予想です。当期は15か月分の取り込みがあったため、比べるときに注意が必要です
5. ライバルとの比較
食肉・加工食品の日本ハムと並べます。会計基準(日本ハムはIFRS)と利益の指標が違うので、おおまかな比較です。どちらも2026年3月期です。
| 伊藤ハム米久HD | 日本ハム | |
|---|---|---|
| 売上高 | 1兆714億円(+8.4%) | 1兆4,574億円(+6.3%) |
| 利益 | 285億円(営業) | 683億円(事業利益) |
| 利益率 | 2.7% | 4.7% |
| ROE | 7.0% | 6.6% |
| 自己資本(親会社所有者帰属持分)比率 | 56.2% | 53.8% |
- 日本ハムのくわしい中身は日本ハムの強みとはへ
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
伊藤ハム米久HDの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 食肉事業の経常利益 | 226億円 | 決算短信(報告セグメント別の経営成績) |
| 加工食品事業の経常利益 | 94億円 | 決算短信(報告セグメント別の経営成績) |
| 普通配当とDOE | 145円・3.1% | 決算短信(配当の状況の注) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上高1兆400億円、営業利益270億円、当期純利益185億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年320円(記念配当を含む)、2027年3月期予想155円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

メル美ハムより食肉で稼いでいるのね。記念配当がなくなる2027年は、普通配当で比べたいな
まとめ
- 伊藤ハム米久HDは、加工食品と食肉の会社
- 2026年3月期は営業利益285億円(+45.4%)
- 利益の約7割が食肉事業(国内の生産と海外のアンズコフーズ)
- 加工食品は需要の低迷で減益
- 配当は記念配当を含めて年320円、2027年3月期は年155円の予想
参考文献
- 伊藤ハム米久ホールディングス. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月1日). https://www2.jpx.co.jp/disc/22960/140120260430515730.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 日本ハム. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月8日). https://www2.jpx.co.jp/disc/22820/140120260508519362.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。