日本ハムの強みとは:売上の65%は食肉(国産鶏肉・豪州牛肉など)、ハム・ソーセージや加工食品も。北海道ボールパークFビレッジも運営。2026年3月期は売上高1兆4,574億円(+6.3%)・事業利益683億円(+60.7%)
日本ハムを、2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月8日、東証の適時開示)で分析しました。売上高1兆4,574億円(+6.3%)、事業利益683億円(+60.7%、事業利益率4.7%)、親会社の所有者に帰属する当期利益351億円(+31.9%)、ROE6.6%、親会社所有者帰属持分比率53.8%。品目別の売上は食肉65.4%、加工食品18.2%、ハム・ソーセージ8.4%。セグメントの事業利益は、食肉事業本部613億円(+80.5%、国産鶏の相場上昇と豪州牛肉)、加工事業本部72億円(−28.6%、工場の製造経費の高止まり)、ボールパーク事業54億円(+61.9%、北海道ボールパークFビレッジの来場者)。2025年4月に海外事業本部を廃止し2事業本部体制に。年160円の配当、2027年3月期は売上高1兆5,000億円・事業利益610億円(−10.7%)・年180円の予想。味の素との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男日本ハムって、ハムやソーセージの会社でしょ?

メル美決算短信を見ると、売上の6割以上はお肉そのもの(食肉)なんだって。ハム・ソーセージは1割くらいみたい
企業分析の連載、140社目は日本ハムです。2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月8日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載の味の素の強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、日本ハム株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。特定の商品をすすめるものでもありません。
1. ひとことで言うと
国産鶏肉・豪州牛肉などの食肉と、ハム・ソーセージ・加工食品を売り、北海道でボールパーク事業も手がける会社
| 項目(IFRS・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 1兆4,574億円 | +6.3% |
| 事業利益(会社の指標) | 683億円 | +60.7% |
| 事業利益率 | 4.7% | 前期 3.1% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 351億円 | +31.9% |
| ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) | 6.6% | 前期 5.1% |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 53.8% | 前期 55.2% |
| 配当 | 年160円(配当性向44.3%) | 前期 135円 |
- 事業利益は、売上高から売上原価と販売費及び一般管理費を引き、会社が定める調整と非経常項目を除いて計算した指標です
- 増収増益は、主に食肉事業の豪州牛肉の販売の伸びや国産鶏肉の単価の上昇、ボールパークの来場者の増加によるものです
2. 何で稼いでいるか
品目別の売上高
| 品目 | 売上高 | 構成比 |
|---|---|---|
| 食肉 | 9,527億円(+7.3%) | 65.4% |
| 加工食品 | 2,660億円(+9.0%) | 18.2% |
| ハム・ソーセージ | 1,222億円(−6.4%) | 8.4% |
| 乳製品 | 410億円(+2.7%) | 2.8% |
| その他 | 754億円(+10.9%) | 5.2% |
セグメント別(2025年4月に海外事業本部を廃止し、海外子会社を加工・食肉の2事業本部に移管。前期も組み替え)
| セグメント | 売上高 | 事業利益 |
|---|---|---|
| 食肉事業本部 | 1兆341億円(+8.1%) | 613億円(+80.5%) |
| 加工事業本部 | 5,303億円(−0.6%) | 72億円(−28.6%) |
| ボールパーク事業 | 310億円(+15.0%) | 54億円(+61.9%) |
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 食肉事業
- 食肉事業本部は、国産鶏の相場上昇に加え、豪州産牛肉の販売施策と豪州内の販売が好調で、事業利益が+80.5%でした。販売部門での適切な価格転嫁も売上の増加に寄与しました
② ボールパーク事業
- 北海道ボールパークFビレッジは、観客動員数が過去最高を記録し、オフシーズンの各種イベントもあって来場者数が堅調でした。チケット・グッズの売上が増え、事業利益は+61.9%でした
③ 安定した財務と増配
- 親会社所有者帰属持分比率は53.8%、配当は135円→160円、2027年3月期は180円の予想です(→配当方針の読み方)
4. 弱み・リスク
① 加工事業の減益
- 加工事業本部は、上期の販売数量の減少や、工場の製造経費の高止まりで事業利益が28.6%減りました
② 食肉の相場
- 食肉事業の利益は、国産鶏の相場や豪州牛肉の販売環境に左右されます。2027年3月期の食肉事業本部の事業利益は500億円(−18.4%)の見込みです
③ 低い利益率
- 事業利益率は4.7%です。会社は、2027年3月期に中東情勢の影響による全社的なコスト上昇を見込んでいます
5. ライバルとの比較
食品大手の味の素と並べます。どちらもIFRS・2026年3月期で、事業利益はそれぞれの会社の指標です。扱う商品はまったく違うので、おおまかな比較です。
| 日本ハム | 味の素 | |
|---|---|---|
| 売上高 | 1兆4,574億円(+6.3%) | 1兆5,837億円(+3.5%) |
| 事業利益 | 683億円(+60.7%) | 1,811億円(+13.7%) |
| 事業利益率 | 4.7% | 11.4% |
| ROE | 6.6% | 17.7% |
- 売上の規模は近いものの、利益率は味の素が高い水準です(→味の素の強みとは)。海外で稼ぐ食品の会社はキッコーマンの強みとはも
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
日本ハムの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 食肉事業本部の事業利益 | 613億円 | 決算短信(セグメントの概況) |
| 加工事業本部の事業利益 | 72億円(2027年3月期見込み120億円) | 決算短信(セグメントの概況・今後の見通し) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上高1兆5,000億円、事業利益610億円、当期利益380億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年160円、2027年3月期予想180円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

プレ男ハムの会社だと思ってたけど、いまはお肉そのものとボールパークが伸びたんだね。加工事業が戻るかを見ておこう
冷凍食品と低温物流の会社はニチレイの強みとはも参考にしてください。
ほかの食肉・乳製品の会社は伊藤ハム米久ホールディングスの強みとは・雪印メグミルクの強みとはも参考にしてください。
まとめ
- 日本ハムは、食肉が売上の65%、ハム・ソーセージや加工食品、ボールパークも手がける会社
- 2026年3月期は事業利益683億円(+60.7%)
- 伸びたのは国産鶏肉と豪州牛肉、ボールパークの来場者
- 加工事業本部は製造経費の高止まりで28.6%減
- 2027年3月期は事業利益610億円(−10.7%)、配当は180円の予想
参考文献
- 日本ハム. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月8日). https://www2.jpx.co.jp/disc/22820/140120260508519362.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 味の素. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月7日). https://news.ajinomoto.co.jp/2026/05/2026_05_07_03.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。