雪印メグミルクの強みとは:チーズ・バターなどの乳製品が営業利益の約57%、牛乳・ヨーグルトなどの飲料・デザートも。2026年3月期は営業利益183億円(−4.5%)、政策保有株の売却益で純利益329億円(+136.6%)。配当は下限100円の方針
雪印メグミルクを、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日、東証の適時開示)で分析しました。売上高6,158億円(−0.0%)、営業利益183億円(−4.5%、ブランド浸透施策・100周年記念イベントの経費、前年の他社のシステムトラブルによる物量増の反動、価格改定後の物量減)、経常利益205億円(+1.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益329億円(+136.6%、政策保有株式の売却益300億円)、ROE13.6%、自己資本比率55.7%。セグメントの営業利益は乳製品105億円(+1.1%、バター好調、さけるチーズは過去最高の売上)、飲料・デザート類39億円(−30.9%)、飼料・種苗7億円、その他33億円。200億円の自己株式の取得・消却。配当は年100円で、資産売却益を除く配当性向40%以上かつ下限100円の方針。2027年3月期は営業利益210億円(+15.0%)の予想。伊藤ハム米久HD・カルビーとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男雪印メグミルクって、牛乳の会社だよね

メル美決算短信だと、いちばん稼いでいるのはチーズやバターなどの乳製品なんだって。牛乳などの飲料は値上げのあと量が減ったみたい
企業分析の連載、258社目は雪印メグミルクです。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載の伊藤ハム米久ホールディングスの強みとは・カルビーの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、雪印メグミルク株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。特定の商品をすすめるものではなく、食品の健康効果についてはふれません。
1. ひとことで言うと
チーズ・バター・粉乳などの「乳製品」、牛乳・果汁飲料・ヨーグルト・デザートの「飲料・デザート類」、牛用の飼料や種子の「飼料・種苗」の会社
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 6,158億円 | −0.0% |
| 営業利益 | 183億円 | −4.5% |
| 営業利益率 | 3.0% | 前期 3.1% |
| 経常利益 | 205億円 | +1.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 329億円 | +136.6% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 13.6% | 前期 5.8% |
| 自己資本比率 | 55.7% | 前期 56.8% |
| 配当 | 年100円(配当性向19.1%) | 前期 100円 |
- 営業利益は、価格改定の効果があった一方、ブランド浸透の施策や100周年記念イベントの経費、前年度の他社のシステムトラブルによる一時的な物量増の反動、先に価格改定したカテゴリーでの想定以上の物量減で減りました
- 当期純利益は、主に政策保有株式の売却益(投資有価証券売却益300億円)で大きく増えました
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 主な動き(決算短信の記載) | 売上高 | 営業利益 |
|---|---|---|---|
| 乳製品 | バターが好調、「さけるチーズ」は過去最高の売上高、チーズ全体は物量減 | 2,684億円(+1.9%) | 105億円(+1.1%) |
| 飲料・デザート類 | 価格改定などで飲料の物量が減少、ヨーグルト・デザートは前年を上回る | 2,603億円(−1.5%) | 39億円(−30.9%) |
| その他 | 共同配送センター、不動産賃貸など | 391億円(−1.4%) | 33億円(+25.0%) |
| 飼料・種苗 | 配合飼料の単価下落、原価低減で増益 | 479億円(−1.1%) | 7億円(+95.3%) |
- セグメントの営業利益の合計のうち、約57%が乳製品です(計算値)
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① チーズ・バター
- バターは価格改定のあとも販売物量を保ち、主力の「さけるチーズ」は過去最高の売上高でした
② 価格改定をやりきる
- コストの上昇に対応するため、物量への影響が心配される中でも価格改定を断行したとしています
③ 株主還元の方針
- 配当は「資産売却益を除く連結配当性向40%以上」に加え、新しく配当の下限100円を設けました。2026年3月期は200億円の自己株式の取得・消却も行いました(→配当方針の読み方)
4. 弱み・リスク
① 飲料・デザート類の減益
- 牛乳などの飲料は、価格改定のあとの物量の減少などで、飲料・デザート類の営業利益は−30.9%でした
② 低い利益率
- 営業利益率は3.0%です
③ 一時的な利益
- 2026年3月期の当期純利益は、政策保有株式の売却益が大きく押し上げました。2027年3月期の当期純利益は245億円(−25.5%)の予想です
5. ライバルとの比較
食品の会社と並べます。どれも2026年3月期です。扱う食品が違うので、おおまかな比較です。
| 雪印メグミルク | 伊藤ハム米久HD | カルビー | |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 6,158億円(−0.0%) | 1兆714億円(+8.4%) | 3,402億円(+5.5%) |
| 営業利益 | 183億円(−4.5%) | 285億円(+45.4%) | 262億円(−10.0%) |
| 営業利益率 | 3.0% | 2.7% | 7.7% |
| ROE | 13.6% | 7.0% | 8.3% |
| 自己資本比率 | 55.7% | 56.2% | 64.3% |
- 雪印メグミルクの2026年3月期の当期純利益には、政策保有株式の売却益がふくまれています(→伊藤ハム米久ホールディングスの強みとは、カルビーの強みとは)
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
雪印メグミルクの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 乳製品の営業利益 | 105億円 | 決算短信(セグメントごとの業績) |
| 飲料・デザート類の営業利益 | 39億円 | 決算短信(セグメントごとの業績) |
| 投資有価証券売却益 | 300億円 | 決算短信(連結損益計算書) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上高6,450億円、営業利益210億円、当期純利益245億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年100円、2027年3月期予想100円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

プレ男純利益が大きく増えたのは株を売った利益なんだね。本業の営業利益の回復を見ておこう
まとめ
- 雪印メグミルクは、乳製品・飲料・デザート・飼料の会社
- 2026年3月期は営業利益183億円(−4.5%)、純利益は株式売却益で329億円
- 利益の約57%が乳製品(バター・チーズ)
- 飲料は値上げのあとの物量減で減益
- 配当は下限100円の方針、2027年3月期は営業利益210億円(+15.0%)の予想
参考文献
- 雪印メグミルク. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日). https://www2.jpx.co.jp/disc/22700/140120260514531756.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 伊藤ハム米久ホールディングス. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月1日). https://www2.jpx.co.jp/disc/22960/140120260430515730.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- カルビー. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日). https://www2.jpx.co.jp/disc/22290/140120260513530401.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。