企業分析2026年10月10日

味の素の強みとは:「味の素」などの調味料・食品が売上の6割。電子材料やアミノ酸を含む「ヘルスケア等」が利益を伸ばす。2026年3月期は売上高1兆5,837億円、事業利益1,811億円(+13.7%)。本社ビルの譲渡益で純利益は1,346億円

味の素を、2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月7日)で分析しました。売上高1兆5,837億円(+3.5%)、会社が重視する事業利益1,811億円(+13.7%、事業利益率11.4%)、営業利益1,994億円(+75.0%)、親会社の所有者に帰属する当期利益1,346億円(+91.6%)、ROE17.7%。営業利益と純利益が大きく増えたのは、本社ビルの土地・建物を譲渡した固定資産売却益によるものです。セグメントは調味料・食品(売上高9,369億円、事業利益1,430億円)、冷凍食品(2,903億円、84億円で北米の減益により−35%)、ヘルスケア等(3,415億円、662億円で+45.1%。電子材料の販売好調、アミノ酸・バイオ医薬品の受託製造の増益)。2025年4月1日に1株→2株の株式分割。年48円の配当、2027年3月期は事業利益1,970億円・年50円の予想。キッコーマンとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

目次
  1. 1. ひとことで言うと
  2. 2. 何で稼いでいるか
  3. 3. 強み
  4. 4. 弱み・リスク
  5. 5. ライバルとの比較
  6. 6. 投資プレイヤー的チェックポイント
  7. まとめ

メル美味の素って、台所にあるうま味調味料の会社だよね

プレ男え、半導体の材料もつくってるって聞いたよ! 食品の会社なのに?

企業分析の連載、43社目は味の素です。2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月7日)で確認しました。比較にはキッコーマンの2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月24日)を使っています。

この記事は会社のしくみと数字の解説で、味の素株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。食品の健康効果を説明する記事でもありません。

1. ひとことで言うと

調味料・食品を世界で売り、冷凍食品、アミノ酸、半導体向けの電子材料なども手がける会社

項目(IFRS・連結) 2026年3月期 前期比
売上高 1兆5,837億円 +3.5%
事業利益(会社が重視する指標) 1,811億円 +13.7%
事業利益率 11.4% 前期 10.4%
営業利益 1,994億円 +75.0%
親会社の所有者に帰属する当期利益 1,346億円 +91.6%
ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) 17.7% 前期 9.0%
配当 年48円(配当性向34.7%) 前期 80円(分割前)

2. 何で稼いでいるか

セグメント 中身(決算短信の記載から) 売上高 事業利益
調味料・食品 調味料、栄養・加工食品、加工用うま味調味料など 9,369億円(+4.6%) 1,430億円(+6.6%)
ヘルスケア等 アミノ酸、バイオ医薬品の受託製造(CDMO)、電子材料など 3,415億円(+4.0%) 662億円(+45.1%)
冷凍食品 日本・北米などの冷凍食品 2,903億円(+0.3%) 84億円(−35.0%)

3. 強み

会社の資料で確かめられる事実から、強みと考えられる点を挙げます。

① 世界で売れる調味料

② 電子材料

③ アミノ酸とバイオ医薬品の受託製造

4. 弱み・リスク

① 冷凍食品の減益

② 原材料コスト

③ 一度きりの利益

5. ライバルとの比較

しょうゆなどの調味料の大手、キッコーマンと比べます。どちらもIFRS・2026年3月期です。

味の素 キッコーマン
売上 1兆5,837億円(+3.5%) 7,455億円(+5.2%)
事業利益 1,811億円(+13.7%) 795億円(+2.9%)
事業利益率 11.4% 約10.7%(計算値)
親会社の所有者に帰属する当期利益 1,346億円(本社ビルの譲渡益を含む) 616億円(−0.1%)

6. 投資プレイヤー的チェックポイント

味の素の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。

見ておく数字 2026年3月期 どこに書いてある
事業利益 1,811億円 決算短信のサマリー
ヘルスケア等の事業利益 662億円 決算短信(セグメント)
冷凍食品の事業利益 84億円 決算短信
会社の業績予想 2027年3月期 売上高1兆7,230億円、事業利益1,970億円 決算短信のサマリー
配当 年48円、2027年3月期予想50円 決算短信

プレ男調味料が中心だけど、伸びているのは電子材料やアミノ酸なんだ。純利益は本社ビルを売った分で増えてるから、事業利益で見るんだね

ビール・飲料・医薬の会社はキリンホールディングスの強みとはも参考にしてください。

しょうゆを世界で売る会社はキッコーマンの強みとはも参考にしてください。

食肉とハム・ソーセージの会社は日本ハムの強みとはも参考にしてください。

小麦粉の会社は日清製粉グループ本社の強みとはも参考にしてください。

カレーのルウなどの食品の会社はハウス食品グループ本社の強みとはも参考にしてください。

食用油やチョコレート用油脂の会社はJ-オイルミルズの強みとは・不二製油の強みとはも参考にしてください。

まとめ


参考文献

  1. 味の素. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月7日). https://news.ajinomoto.co.jp/2026/05/2026_05_07_03.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
  2. キッコーマン. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月24日). https://www.kikkoman.com/jp/ir/assets/tan202603.pdf (閲覧日:2026年10月10日)

この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。