キリンホールディングスの強みとは:ビールなどの酒類、飲料(北米のコカ・コーラのボトラーを含む)、医薬(協和キリン)、ヘルスサイエンス(ファンケルなど)の4事業。2025年12月期は売上収益2兆4,334億円・事業利益2,518億円(+19.3%)。ヘルスサイエンスは黒字化
キリンホールディングスを、2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月13日、東証の適時開示)で分析しました。売上収益2兆4,334億円(+4.1%)、会社が重視する事業利益2,518億円(+19.3%、事業利益率10.3%)、営業利益2,097億円(+67.3%)、親会社の所有者に帰属する当期利益1,475億円(+153.4%)、ROE12.0%、親会社所有者帰属持分比率36.8%。事業別の事業利益は、酒類1,354億円(+9.1%、売上収益1兆753億円。国内は販売数量が減る中で価格改定とブランド構成の見直し)、医薬1,023億円(+11.4%)、飲料677億円(+5.8%、北米のコーク・ノースイースト社を含む)、ヘルスサイエンス111億円(前期は109億円の損失、ファンケル社の通年の連結取り込みなど)。年74円の配当、2026年12月期は事業利益2,350億円(−6.7%)・年76円の予想。アサヒグループホールディングス(サイバー攻撃で決算発表が延期)との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男キリンって、ビールの会社だよね。ビールだけでこんなに大きいの?

メル美決算短信を見ると、医薬品や、ファンケルの化粧品・サプリメントの事業もあるんだって
企業分析の連載、92社目はキリンホールディングスです。2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月13日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、同じく適時開示に載っているアサヒグループホールディングスの2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年7月8日)を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、キリンホールディングス株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。お酒や特定の商品をすすめるものでもありません。
1. ひとことで言うと
ビールなどの酒類、清涼飲料、医薬品、健康・化粧品(ヘルスサイエンス)の4つの事業をもつ会社
| 項目(IFRS・連結) | 2025年12月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 2兆4,334億円 | +4.1% |
| 事業利益(会社が重視する指標) | 2,518億円 | +19.3% |
| 事業利益率 | 10.3% | 前期 9.0% |
| 営業利益 | 2,097億円 | +67.3% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 1,475億円 | +153.4% |
| ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) | 12.0% | 前期 5.0% |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 36.8% | 前期 35.2% |
| 配当 | 年74円(配当性向40.6%) | 前期 71円 |
- 事業利益は、売上収益から売上原価と販売費及び一般管理費を引いた、会社独自の利益です。事業の経常的な業績を測る指標としています
- 会社は、2025年にファンケル社の100%子会社化が完了し、ヘルスサイエンス事業の成長への基盤が整ったとしています
2. 何で稼いでいるか
| 事業 | 中身(決算短信の記載) | 売上収益 | 事業利益 |
|---|---|---|---|
| 酒類 | キリンビール、豪州などのライオン社 | 1兆753億円(−0.6%) | 1,354億円(+9.1%) |
| 医薬 | 協和キリン社 | 4,965億円(+0.2%) | 1,023億円(+11.4%) |
| 飲料 | キリンビバレッジ、北米のコーク・ノースイースト社 | 5,782億円(+2.4%) | 677億円(+5.8%) |
| ヘルスサイエンス | ファンケル社、豪州のブラックモアズ社、協和発酵バイオ社など | 2,514億円(+43.4%) | 111億円(前期は109億円の損失) |
- 事業利益は、酒類がいちばん大きく、医薬が2番目です
- 国内のキリンビール社は、人口減少・高齢化で販売数量が減ったものの、ブランド構成の見直しと価格改定、費用管理で増収増益でした
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 酒類の高付加価値化
- 2025年10月に発売したビール「キリングッドエール」は、発売から8日で当初目標の60万ケースを超え、年間の販売数量は130万ケースを超えたとしています
② 事業の分散
- 酒類・医薬・飲料・ヘルスサイエンスに利益が分かれています。医薬の事業利益は1,023億円です
③ ヘルスサイエンスの黒字化
- 協和発酵バイオ社のアミノ酸事業などの売却の完了と、ファンケル社の通年での連結取り込みで、ヘルスサイエンス事業は黒字化しました
4. 弱み・リスク
① 国内のお酒の需要
- 会社は、経営環境の変化として、健康志向の高まり、酒類規制やアルコール離れ、労働力不足などを挙げています
② 2026年12月期の減益の見通し
- 2026年12月期は、事業利益2,350億円(−6.7%)の予想です
③ 酒税の改正
- キリンビール社は、2026年のビール類の酒税一本化などの酒税改正を見据えて、主力ブランドに投資しています
5. ライバルとの比較
ビール大手のアサヒグループホールディングスと比べます。どちらもIFRS・2025年12月期です。アサヒは、2025年9月29日に発生したサイバー攻撃で日本の受注・出荷などのシステムが止まり、決算発表を延期していました(2026年7月8日に発表)。
| キリンHD | アサヒGHD | |
|---|---|---|
| 売上収益 | 2兆4,334億円(+4.1%) | 2兆8,947億円(−1.5%) |
| 事業利益 | 2,518億円(+19.3%) | 2,630億円(−7.8%) |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 1,475億円(+153.4%) | 1,216億円(−36.7%) |
| ROE | 12.0% | 4.3% |
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
キリンHDの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2025年12月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 事業別の事業利益 | 酒類1,354億円、医薬1,023億円 | 決算短信(セグメント別の業績) |
| ヘルスサイエンスの事業利益 | 111億円 | 決算短信 |
| 会社の業績予想 | 2026年12月期 売上収益2兆4,800億円、事業利益2,350億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年74円、2026年12月期予想76円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

メル美ビールだけじゃなく、医薬品や健康の事業でも稼いでいるのね。お酒離れの中で、どこで伸ばすかを見ておきたいな
ビール大手のアサヒはアサヒグループホールディングスの強みとはも参考にしてください。
清涼飲料の会社はサントリー食品インターナショナルの強みとはも参考にしてください。
まとめ
- キリンHDは、酒類・飲料・医薬・ヘルスサイエンスの4事業の会社
- 2025年12月期は売上収益2兆4,334億円、事業利益2,518億円(+19.3%)
- 事業利益は酒類(1,354億円)と医薬(1,023億円)が大きい
- ファンケル社の100%子会社化でヘルスサイエンスが黒字化
- リスクはお酒離れと酒類規制。2026年12月期は事業利益2,350億円の予想
参考文献
- キリンホールディングス. 2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月13日). https://www2.jpx.co.jp/disc/25030/140120260212558383.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- アサヒグループホールディングス. 2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年7月8日). https://www2.jpx.co.jp/disc/25020/140120260707588934.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。