サントリー食品インターナショナルの強みとは:「サントリー天然水」「BOSS」の日本と、欧州・アジアパシフィック・米州で清涼飲料を売り、セグメント利益の7割超を海外で稼ぐ会社。2025年12月期は営業利益1,487億円(−7.2%)、ベトナム・タイが減収
サントリー食品インターナショナルを、2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月12日、東証の適時開示)で分析しました。売上収益1兆7,154億円(+1.1%)、営業利益1,487億円(−7.2%、営業利益率8.7%、アジアパシフィックの減収とインフレによる原材料価格・物流費の高騰)、親会社の所有者に帰属する当期利益887億円(−5.1%)、ROE7.0%、親会社所有者帰属持分比率59.3%。セグメント利益は、欧州616億円(+2.0%、イギリスのLucozade・Ribena)、日本470億円(−4.3%)、アジアパシフィック425億円(−6.4%、ベトナム・タイの事業環境変化への対応の遅れ)、米州235億円(−0.7%)。年120円の配当、2026年12月期は売上収益1兆8,260億円・営業利益1,550億円(+4.2%)・年120円の予想。2026年4月1日に商号をサントリービバレッジ&フードに変更する予定(決算短信の時点)。キリンホールディングス・アサヒグループホールディングスとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男サントリーの天然水やBOSSの会社って、上場しているの?

メル美清涼飲料のサントリー食品インターナショナルが上場しているんだって。決算短信を見ると、利益の7割以上は海外なのよ
企業分析の連載、147社目はサントリー食品インターナショナルです。2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月12日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載のキリンホールディングスの強みとは・アサヒグループホールディングスの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、サントリー食品インターナショナル株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。特定の商品をすすめるものでもありません。
1. ひとことで言うと
ミネラルウォーター・コーヒー飲料・茶系飲料・炭酸飲料などの清涼飲料を、日本・アジアパシフィック・欧州・米州でつくって売る会社
| 項目(IFRS・連結) | 2025年12月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 1兆7,154億円 | +1.1% |
| 営業利益 | 1,487億円 | −7.2% |
| 営業利益率 | 8.7% | 前期 9.4% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 887億円 | −5.1% |
| ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) | 7.0% | 前期 8.1% |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 59.3% | 前期 58.8% |
| 配当 | 年120円(配当性向41.8%) | 前期 120円 |
- 欧州・日本・米州は積極的なマーケティングで増収でしたが、急速な事業環境変化への対応が遅れたアジアパシフィックは減収でした。営業利益は、アジアパシフィックの減収と、インフレによる原材料価格や物流費の高騰で減りました
- 決算短信では、2026年4月1日に商号をサントリービバレッジ&フード株式会社に変更する予定としています(株主総会での承認が条件)
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 主な国・動き(決算短信の記載) | 売上収益 | セグメント利益 |
|---|---|---|---|
| 欧州 | フランス・イギリス・スペインなど。イギリスで「Lucozade」「Ribena」 | 3,902億円(+6.0%) | 616億円(+2.0%) |
| 日本 | 「サントリー天然水」「BOSS」「伊右衛門」など。価格改定で増収、販売数量は減少 | 7,352億円(+0.5%) | 470億円(−4.3%) |
| アジアパシフィック | ベトナム・タイ・ニュージーランド・オーストラリアなど | 3,941億円(−2.0%) | 425億円(−6.4%) |
| 米州 | アメリカ。炭酸・エナジーが堅調 | 1,960億円(+0.6%) | 235億円(−0.7%) |
- 4つのセグメント利益の合計1,746億円のうち、海外(欧州・アジアパシフィック・米州)が約73%です(計算値)
- 売上収益では、日本が約43%、海外が約57%です(計算値)
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 世界のブランド
- 日本の「サントリー天然水」「BOSS」、イギリスの「Lucozade」「Ribena」、オセアニアの「V」など、地域ごとのブランドをもっています
② 欧州の好調
- 欧州は、フランスで砂糖税の増税で販売数量が減ったものの価格改定で増収、イギリスは積極的なマーケティングで増収となり、セグメント利益は616億円でいちばん大きくなりました
③ 厚い財務
- 親会社所有者帰属持分比率は59.3%です
4. 弱み・リスク
① アジアパシフィック
- ベトナムでは競争の激化と消費低迷で、水以外の飲料市場が縮小しました。タイでは天候不順で主力の炭酸の市場が落ち込みました
② 原材料・物流費
- インフレによる原材料価格や物流費の高騰で、日本のセグメント利益は4.3%減りました
③ 日本の飲料市場
- 会社は、日本の飲料市場(会社推定)は、価格改定や最盛期の悪天候などで前期を下回ったとしています
5. ライバルとの比較
飲料・お酒の大手と並べます。3社ともIFRS・2025年12月期ですが、利益の指標(サントリー食品は営業利益、キリン・アサヒは会社独自の事業利益)が違い、キリン・アサヒはお酒が中心なので、おおまかな比較です。
| サントリー食品 | キリンHD | アサヒGHD | |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 1兆7,154億円(+1.1%) | 2兆4,334億円(+4.1%) | 2兆8,947億円(−1.5%) |
| 利益(営業/事業) | 1,487億円(営業) | 2,518億円(事業) | 2,630億円(事業) |
| ROE | 7.0% | 12.0% | 4.3% |
- 海外の比重が大きいのはアサヒと同じです(→アサヒグループホールディングスの強みとは、キリンホールディングスの強みとは)。海外で稼ぐ会社の為替の見方は外国株と為替も
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
サントリー食品の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2025年12月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| アジアパシフィックのセグメント利益 | 425億円 | 決算短信(セグメント別の業績) |
| 欧州のセグメント利益 | 616億円 | 決算短信(セグメント別の業績) |
| 会社の業績予想 | 2026年12月期 売上収益1兆8,260億円、営業利益1,550億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年120円、2026年12月期予想120円 | 決算短信 |
- 2026年度からは、セグメントを日本・欧州・アジア・オセアニアなどに分け直すとしています
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

プレ男日本の飲み物の会社なのに、利益の7割以上は海外なんだね。ベトナム・タイが戻るかを見ておこう
お茶飲料の会社は伊藤園の強みとはも参考にしてください。
まとめ
- サントリー食品は、日本・欧州・アジアパシフィック・米州で清涼飲料を売る会社
- 2025年12月期は営業利益1,487億円(−7.2%)
- セグメント利益の約73%が海外、いちばん大きいのは欧州
- ベトナム・タイの減収と、原材料・物流費の高騰が逆風
- 2026年12月期は営業利益1,550億円(+4.2%)の予想
参考文献
- サントリー食品インターナショナル. 2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月12日). https://www2.jpx.co.jp/disc/25870/140120260212556026.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- キリンホールディングス. 2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月13日). https://www2.jpx.co.jp/disc/25030/140120260212558383.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- アサヒグループホールディングス. 2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年7月8日). https://www2.jpx.co.jp/disc/25020/140120260707588934.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。