花王の強みとは:洗剤・紙おむつ・スキンケア・化粧品と、油脂などの化学品。2025年12月期は売上高1兆6,886億円・営業利益1,641億円(+11.9%)。化粧品が黒字に転換し、36期連続増配。売上の約57%が日本
花王を、2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月5日)で分析しました。売上高1兆6,886億円(+3.7%)、営業利益1,641億円(+11.9%、営業利益率9.7%)、親会社の所有者に帰属する当期利益1,201億円(+11.4%)、ROE11.3%。セグメントはハイジーンリビングケア(衣料用洗剤などのファブリック&ホームケア、紙おむつなどのサニタリー。営業利益813億円)、ヘルスビューティケア(391億円)、化粧品(前期37億円の赤字から104億円の黒字)、ビジネスコネクティッド(23億円)、ケミカル(302億円、−55億円)。売上の海外比率は42.9%。年間配当154円で、2026年12月期は37期連続増配をめざすとしています。2026年7月1日に1株を2株に分割予定。ユニ・チャームとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

メル美花王って、洗剤やシャンプーの会社だよね。毎日使うものだから、売上も安定してそう

プレ男「何十年も連続で増配してる会社」って聞いたことがあるよ。本当?
企業分析の連載、24社目は花王です。2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月5日)で確認しました。比較にはユニ・チャームの2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月12日)を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、花王株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
洗剤・紙おむつ・スキンケア・化粧品などの日用品と、油脂などを原料にした化学品をつくる会社
| 項目(IFRS・連結) | 2025年12月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 1兆6,886億円 | +3.7% |
| 営業利益 | 1,641億円 | +11.9% |
| 営業利益率 | 9.7% | 前期 9.0% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 1,201億円 | +11.4% |
| ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) | 11.3% | 前期 10.5% |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 56.7% | 前期 57.1% |
| 配当 | 年154円(配当性向59.2%) | 前期 152円 |
2. 何で稼いでいるか
2025年12月期の第1四半期から、セグメントが変わりました(ビジネスコネクティッド事業の新設など)。
| セグメント | 主な製品 | 売上高 | 営業利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|---|
| ハイジーンリビングケア | 衣料用洗剤などのファブリック&ホームケア、紙おむつなどのサニタリー | 5,493億円 | 813億円 | 14.8% |
| ヘルスビューティケア | ー | 4,329億円 | 391億円 | 9.0% |
| 化粧品 | 化粧品 | 2,616億円 | 104億円(前期 −37億円) | 4.0% |
| ビジネスコネクティッド | 業務用衛生製品、ライフケア製品など | 392億円 | 23億円 | 5.8% |
| ケミカル | ー | 4,515億円 | 302億円(−55億円) | 6.7% |
- いちばん稼いでいるのはハイジーンリビングケアで、なかでもファブリック&ホームケア(営業利益741億円、利益率19.1%)が大きい
- 売上高の海外比率は42.9%(前期43.3%)。日本が9,634億円、アジア3,283億円、米州2,065億円、欧州1,904億円です
3. 強み
会社の資料で確かめられる事実から、強みと考えられる点を挙げます。
① 日本の生活に根づいた製品
- ハイジーンリビングケアの日本の売上は4,176億円(+3.3%)。会社は、高付加価値製品の提案と、価値に見合った価格改定で「稼ぐ力」を高めているとしています
② 化粧品の立て直し
- 化粧品は、前期の37億円の赤字から104億円の黒字に転換しました。アジアの売上が15.8%伸びています
③ 長い増配の歴史
- 会社は「安定的・継続的な増配」を方針とし、2026年12月期は37期連続増配をめざすとしています(年間156円の予想、分割前ベース)
4. 弱み・リスク
① 海外の日用品
- ハイジーンリビングケアのアジアの売上は5.7%減、サニタリー製品(紙おむつなど)全体も5.0%減でした
② 消費の二極化と低価格志向
- 会社は、世界で生活者の低価格志向が見られ、日本でも消費行動の二極化が見られるとしています
③ ケミカルの減益
- ケミカルは売上が伸びた(価格が10.1%上昇)一方、数量は3.2%減り、営業利益は55億円減でした
④ 配当性向の高さ
- 配当性向は59.2%です
5. ライバルとの比較
日用品大手のユニ・チャームと比べます(どちらもIFRS・2025年12月期)。ユニ・チャームは「コア営業利益」という会社独自の利益を使っているので、利益の物差しが少し違う点に注意してください。
| 花王 | ユニ・チャーム | |
|---|---|---|
| 売上高 | 1兆6,886億円(+3.7%) | 9,453億円(−4.4%) |
| 利益 | 営業利益1,641億円(+11.9%) | コア営業利益1,089億円(−21.4%) |
| 利益率 | 9.7% | 約11.5% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 1,201億円 | 652億円 |
- 2025年12月期は、花王が増益、ユニ・チャームは減益でした
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
花王の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2025年12月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| ハイジーンリビングケアの営業利益 | 813億円(14.8%) | 決算短信(セグメントの業績) |
| 化粧品の営業利益 | 104億円 | 決算短信(セグメントの業績) |
| 売上の「数量等」と「価格」の内訳 | 合計:数量0.5%、価格3.2% | 決算短信(売上高 対前期分析) |
| 会社の業績予想 | 2026年12月期 売上高1兆7,500億円、営業利益1,820億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年154円(配当性向59.2%) | 決算短信 |
- 2025年12月期の増収(+3.7%)のうち、価格(値上げなど)が3.2%、数量は0.5%でした。数量が伸びているかは大事な見どころです
- 2026年7月1日に1株を2株に分割する予定です(→株式分割とは)。分割の前後で1株あたりの数字が変わるので注意します
- 増配と配当のしくみは配当・株主優待と権利確定日へ

プレ男売上の伸びは、ほとんどが値上げの分なんだ。たくさん売れて伸びたのかどうかも見ないとね
化粧品が柱の会社は資生堂の強みとはへ。
調味料・食品が柱の会社は味の素の強みとはへ。
紙おむつ・生理用品・ペット用品の会社はユニ・チャームの強みとはへ。
オーラルケアが中心の日用品の会社はライオンの強みとはへ。
まとめ
- 花王は、日用品(洗剤・紙おむつ・スキンケア・化粧品)と化学品の会社
- 2025年12月期は売上高1兆6,886億円、営業利益1,641億円(+11.9%)
- 稼ぎ頭はハイジーンリビングケア。化粧品が黒字に転換
- 増収の多くは価格で、数量は0.5%増。アジアの日用品は減収
- 37期連続増配をめざす。2026年7月に1株を2株に分割予定
参考文献
- 花王. 2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月5日). https://www.kao.com/content/dam/sites/kao/www-kao-com/jp/ja/corporate/investor-relations/pdf/kao-results-fy2025-jp.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
- ユニ・チャーム. 2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月12日). https://www.unicharm.co.jp/content/dam/sites/www_unicharm_co_jp/pdf/ir/library/earnings/2025%E5%B9%B412%E6%9C%88%E6%9C%9F%20%E6%B1%BA%E7%AE%97%E7%9F%AD%E4%BF%A1%E3%80%94%EF%BC%A9%EF%BC%A6%EF%BC%B2%EF%BC%B3%E3%80%95%EF%BC%88%E9%80%A3%E7%B5%90%EF%BC%89.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。