ライオンの強みとは:ハミガキ・ハブラシなどのオーラルケアを中心とした日用品の会社で、売上の3分の1以上が海外。2025年12月期は売上高4,221億円・事業利益308億円(+16.8%)。調理関連品ブランドの譲渡やベトナムの会社の子会社化も
ライオンを、2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月12日)で分析しました。売上高4,221億円(+2.2%)、会社が重視する事業利益308億円(+16.8%、率7.3%)、営業利益364億円(+28.1%)、親会社の所有者に帰属する当期利益276億円(+30.1%)、ROE9.0%。セグメントの事業利益は一般用消費財(日本の日用品・一般用医薬品)216億円(+21.3%)、海外82億円(+25.5%)、産業用品29億円。国内では高付加価値の新製品を出し、調理関連品ブランド「リード」を他社へ譲渡するなど収益構造の改革を進め、海外ではオーラルヘルスケアの拡大、ベトナムの持分法適用関連会社の100%子会社化、バングラデシュの新工場の完工を進めました。年30円の配当、2026年12月期は事業利益350億円・年34円の予想(純利益は−9.4%の予想)。花王・ユニ・チャームとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

メル美ライオンって、ハミガキや洗剤の会社だよね。毎日使うものだから安定してそう

プレ男海外でもけっこう売っているらしいよ。どこで稼いでいるんだろう
企業分析の連載、76社目はライオンです。2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月12日)で確認しました。比較には、この連載の花王の強みとはとユニ・チャームの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、ライオン株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。特定の商品をすすめるものでもありません。
1. ひとことで言うと
ハミガキ・ハブラシなどのオーラルケアや洗剤などの日用品、一般用医薬品を、日本とアジアで売る会社
| 項目(IFRS・連結) | 2025年12月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 4,221億円 | +2.2% |
| 事業利益(会社が重視する指標) | 308億円 | +16.8% |
| 事業利益率 | 7.3% | 前期 6.4% |
| 営業利益 | 364億円 | +28.1% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 276億円 | +30.1% |
| ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) | 9.0% | 前期 7.4% |
| 配当 | 年30円(配当性向30.1%) | 前期 27円 |
- 事業利益は、売上総利益から販売費・一般管理費を引いたもので、会社が「恒常的な事業の業績を測る指標」としています
- 営業利益が事業利益より大きいのは、その他の収益(調理関連品ブランド「リード」の譲渡など)が含まれるためと考えられます
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 中身(決算短信の記載から) | 売上高 | 事業利益 |
|---|---|---|---|
| 一般用消費財 | 日本の日用品、一般用医薬品 | 2,589億円(+1.6%) | 216億円(+21.3%) |
| 海外 | 東南・南アジア(タイ・マレーシアなど)、北東アジア(中国・韓国など) | 1,780億円(+3.6%) | 82億円(+25.5%) |
| 産業用品 | 化学品原料、業務用品など | 583億円(+5.7%) | 29億円(+3.2%) |
- 海外の売上は約36%です
3. 強み
会社の資料で確かめられる事実から、強みと考えられる点を挙げます。
① 国内の高付加価値品
- 国内では、高付加価値の新製品を出して事業の高収益化を進め、一般用消費財の事業利益は+21.3%でした
② オーラルケアの海外展開
- 海外では、最重点事業のオーラルヘルスケアの拡大に努めました。ベトナムの持分法適用関連会社(メラップライオン)を100%子会社にし、バングラデシュではハブラシなどの新工場が完工しました
③ 事業の入れかえ
- 調理関連品ブランド「リード」を他社へ譲渡するなど、収益構造の改革を進めています
4. 弱み・リスク
① 原材料と為替
- 会社は、為替変動などによる原材料価格の上昇や消費の動きを、事業環境のリスクとして挙げています
② 低めの利益率
- 事業利益率は7.3%です
③ 2026年12月期の純利益
- 2026年12月期は、事業利益350億円(+13.8%)の一方、純利益は250億円(−9.4%)の予想です
5. ライバルとの比較
日用品の大手、花王とユニ・チャームと比べます。どれもIFRS・2025年12月期ですが、利益の指標の定義が少しずつ違うので、おおまかな比較です。
| ライオン | 花王 | ユニ・チャーム | |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 4,221億円(+2.2%) | 1兆6,886億円(+3.7%) | 9,453億円(−4.4%) |
| 会社が重視する利益 | 事業利益 308億円(7.3%) | 営業利益 1,641億円(9.7%) | コア営業利益 1,089億円(11.5%) |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 276億円(+30.1%) | 1,201億円 | 652億円 |
| ROE | 9.0% | 11.3% | 8.3% |
- 規模は花王がいちばん大きく、ライオンはオーラルヘルスケアを最重点事業としています(→花王の強みとは、ユニ・チャームの強みとは)
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
ライオンの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2025年12月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 事業利益(率) | 308億円(7.3%) | 決算短信のサマリー |
| 海外の売上高・事業利益 | 1,780億円・82億円 | 決算短信(セグメント) |
| 会社の業績予想 | 2026年12月期 売上高4,300億円、事業利益350億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年30円、2026年12月期予想34円 | 決算短信 |
- 自己株式は313万株(前期805万株)に減り、発行済株式数も減っています(自己株式の消却の可能性。→自社株買いのしくみ)
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

メル美ハミガキなどのオーラルケアを、日本だけじゃなくアジアでも広げているのね。ブランドを売ったり、会社を買ったりもしているんだ
まとめ
- ライオンは、オーラルケアを中心とした日用品の会社
- 2025年12月期は事業利益308億円(+16.8%)、純利益276億円(+30.1%)
- 売上の約36%が海外。ベトナムの会社を100%子会社化
- 調理関連品ブランド「リード」を譲渡するなど、収益構造の改革
- 2026年12月期は事業利益350億円・年34円の予想
参考文献
- ライオン. 2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月12日). https://ssl4.eir-parts.net/doc/4912/tdnet/2756925/00.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
- 花王. 2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月5日). https://www.kao.com/content/dam/sites/kao/www-kao-com/jp/ja/corporate/investor-relations/pdf/kao-results-fy2025-jp.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
- ユニ・チャーム. 2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月12日). https://www.unicharm.co.jp/content/dam/sites/www_unicharm_co_jp/pdf/ir/library/earnings/2025%E5%B9%B412%E6%9C%88%E6%9C%9F%20%E6%B1%BA%E7%AE%97%E7%9F%AD%E4%BF%A1%E3%80%94%EF%BC%A9%EF%BC%A6%EF%BC%B2%EF%BC%B3%E3%80%95%EF%BC%88%E9%80%A3%E7%B5%90%EF%BC%89.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。