企業分析2026年10月10日

信越化学工業の強みとは:半導体のシリコンウエハー・フォトレジストと、塩化ビニル・か性ソーダの2本柱。2026年3月期は売上高2兆5,739億円・営業利益6,352億円(前期比14.4%減)。電子材料は増益、塩ビは市況の軟化で43%減益。自己資本比率78.7%

信越化学工業を、2026年3月期決算短信〔日本基準〕(2026年4月28日)で分析しました。売上高2兆5,739億円(+0.5%)、営業利益6,352億円(−14.4%、営業利益率24.7%)、親会社株主に帰属する当期純利益4,744億円(−11.2%)。セグメントは電子材料(シリコンウエハー、フォトレジスト、マスクブランクスなど。売上高1兆157億円、営業利益3,445億円)、生活環境基盤材料(塩化ビニル、か性ソーダ。売上高9,813億円、営業利益1,648億円、−43%)、機能材料(シリコーンなど。営業利益1,009億円)など。海外売上高比率79%、自己資本比率78.7%。2027年3月期の業績予想は開示を見送り。SUMCO(2026年12月期中間期)との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

目次
  1. 1. ひとことで言うと
  2. 2. 何で稼いでいるか
  3. 3. 強み
  4. 4. 弱み・リスク
  5. 5. ライバルとの比較
  6. 6. 投資プレイヤー的チェックポイント
  7. まとめ

プレ男信越化学って、なにをつくってる会社? 化学っていうと、なんだか地味なイメージ…

メル美半導体の材料と、水道管とかに使う塩ビ、両方つくってるらしいよ

企業分析の連載、11社目は信越化学工業です。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月28日)で確認しました。比較にはSUMCOの2026年12月期 第2四半期(中間期)決算短信(2026年8月6日)を使っています。

この記事は会社のしくみと数字の解説で、信越化学株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

1. ひとことで言うと

半導体をつくるための材料(シリコンウエハー、フォトレジストなど)と、塩化ビニル・か性ソーダなどの基礎素材を、世界で大量に供給する化学メーカー

項目(日本基準・連結) 2026年3月期 前期比
売上高 2兆5,739億円 +0.5%
営業利益 6,352億円 −14.4%
営業利益率 24.7% 前期 29.0%
親会社株主に帰属する当期純利益 4,744億円 −11.2%
ROE(自己資本当期純利益率) 10.4% 前期 12.0%
自己資本比率 78.7% 前期 82.6%
海外売上高比率 79% —
研究開発費 778億円 前期 731億円

2. 何で稼いでいるか

決算短信の補足資料(2026年3月期)です。

セグメント 主な製品(決算短信の記載から) 売上高 営業利益 前期比(営業利益)
電子材料 シリコンウエハー、フォトレジスト、マスクブランクス、磁性材料 など 1兆157億円 3,445億円 +6%
生活環境基盤材料 塩化ビニル、か性ソーダ 9,813億円 1,648億円 −43%
機能材料 珪素化学(シリコーンなど)、製剤用セルロース など 4,408億円 1,009億円 +1%
加工・商事・技術サービス 半導体ウエハー関連容器、シリコーン成型品 など 1,359億円 273億円 −5%

3. 強み

会社の資料で確かめられる事実から、強みと考えられる点を挙げます。

① AI・半導体向けの材料

② 塩ビの供給力(米国拠点)

③ とても厚い財務

4. 弱み・リスク

① 塩ビの市況

② 原料・エネルギー価格

③ 半導体の波

④ 業績予想を出していない

5. ライバルとの比較

シリコンウエハーの大手、SUMCOと比べます。決算期が違い(SUMCOは12月期)、信越化学の電子材料にはウエハー以外も含まれるので、おおまかな比較です。

信越化学 電子材料(2026年3月期・通期) SUMCO 全社(2026年12月期・中間期)
売上高 1兆157億円 2,150億円(6か月)
営業利益 3,445億円(利益率約34%) −63億円(営業損失)

6. 投資プレイヤー的チェックポイント

信越化学の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。

見ておく数字 2026年3月期 どこに書いてある
電子材料の営業利益 3,445億円 決算短信(補足資料)
生活環境基盤材料の営業利益(四半期ごと) 通期1,648億円、1〜3月期185億円 決算短信(補足資料「四半期業績の推移」)
営業利益率 24.7% 決算短信のサマリー
海外売上高比率 79% 決算短信(補足資料)
ROE 10.4% 決算短信のサマリー
配当 年106円(配当性向41.9%) 決算短信

プレ男半導体の材料が伸びても、塩ビが落ちると全体は減益になるんだ。2本柱って、そういうことか

同じくマスクブランクスをつくる会社はHOYAの強みとはへ。

繊維・樹脂・炭素繊維の素材の会社は東レの強みとはへ。

光学フィルムやテープの素材メーカーは日東電工の強みとはも参考にしてください。

産業ガスなども手がける化学グループは三菱ケミカルグループの強みとはも参考にしてください。

産業ガスの会社は日本酸素ホールディングスの強みとは、半導体材料の会社はレゾナック・ホールディングスの強みとはも参考にしてください。

シリコンウェーハだけを手がける会社はSUMCOの強みとはも参考にしてください。

まとめ


参考文献

  1. 信越化学工業. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月28日). https://www.shinetsu.co.jp/wp-content/uploads/2025/07/20260428_con_J.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
  2. SUMCO. 2026年12月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年8月6日). https://ssl4.eir-parts.net/doc/3436/tdnet/2864795/00.pdf (閲覧日:2026年10月10日)

この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。