企業分析2026年10月12日

日東電工の強みとは:スマホ・パソコンなどに使う光学フィルム・テープ・高精度基板の素材メーカー。2026年3月期は売上収益1兆282億円・営業利益1,836億円(営業利益率17.9%)。利益の大半はオプトロニクス。核酸医薬の受託製造は大型案件の商用化で赤字が縮小

日東電工を、2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月27日、東証の適時開示)で分析しました。売上収益1兆282億円(+1.4%)、営業利益1,836億円(−1.1%、営業利益率17.9%、円高で81億円の減益要因)、親会社の所有者に帰属する当期利益1,335億円(−2.7%)、ROE12.2%、親会社所有者帰属持分比率79.6%。セグメントは、オプトロニクス(光学フィルムなどの情報機能材料、高精度基板・HDD用のCISなどの回路材料。売上収益5,278億円、営業利益1,499億円、−13.4%)、インダストリアルテープ(接合・保護・工程用材料、自動車材料。3,666億円・517億円、+12.6%)、ヒューマンライフ(核酸受託製造、メンブレン、衛生材料。1,437億円、営業損失50億円で赤字縮小)。LCDスマートフォン向け光学フィルムからは戦略的に撤退。年60円の配当、2027年3月期は営業利益1,930億円・年64円の予想。信越化学工業との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

目次
  1. 1. ひとことで言うと
  2. 2. 何で稼いでいるか
  3. 3. 強み
  4. 4. 弱み・リスク
  5. 5. ライバルとの比較
  6. 6. 投資プレイヤー的チェックポイント
  7. まとめ

プレ男日東電工って、テープの会社? 名前に「電工」って入ってるけど

メル美いちばん稼いでいるのは、ノートパソコンやスマホに使う光学フィルムや基板なんだって

企業分析の連載、94社目は日東電工です。2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月27日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載の信越化学工業の強みとはで確認した数字を使っています。

この記事は会社のしくみと数字の解説で、日東電工株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

1. ひとことで言うと

光学フィルム・高精度基板などの電子材料、テープなどの機能材料、核酸医薬の受託製造などを手がける素材メーカー

項目(IFRS・連結) 2026年3月期 前期比
売上収益 1兆282億円 +1.4%
営業利益 1,836億円 −1.1%
営業利益率 17.9% 前期 18.3%
親会社の所有者に帰属する当期利益 1,335億円 −2.7%
ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) 12.2% 前期 13.5%
親会社所有者帰属持分比率 79.6% 前期 79.0%
配当 年60円(配当性向30.4%) ー

2. 何で稼いでいるか

セグメント 主な製品(決算短信の記載) 売上収益 営業利益
オプトロニクス 情報機能材料(光学フィルムなど)、回路材料(HDD用のCIS、高精度基板など) 5,278億円(−2.6%) 1,499億円(−13.4%)
インダストリアルテープ 基盤機能材料(接合材料、保護材料、プロセス材料、自動車材料など) 3,666億円(+4.2%) 517億円(+12.6%)
ヒューマンライフ 核酸受託製造・核酸合成材料、メンブレン(高分子分離膜)、パーソナルケア材料 1,437億円(+8.5%) −50億円(前期 −117億円)

3. 強み

会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。

① 高い利益率と厚い財務

② テープの好調

③ 核酸医薬の受託製造

4. 弱み・リスク

① スマホ・パソコンへの依存

② 為替

③ ヒューマンライフの赤字

5. ライバルとの比較

同じく電子材料を手がける素材メーカーの信越化学工業と比べます。会計基準(信越化学は日本基準)と製品が違うので、おおまかな比較です(どちらも2026年3月期)。

日東電工 信越化学工業
売上 1兆282億円(+1.4%) 2兆5,739億円(+0.5%)
営業利益 1,836億円(−1.1%) 6,352億円(−14.4%)
営業利益率 17.9% 24.7%
ROE 12.2% 10.4%

6. 投資プレイヤー的チェックポイント

日東電工の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。

見ておく数字 2026年3月期 どこに書いてある
オプトロニクスの営業利益 1,499億円 決算短信(セグメント)
ライフサイエンスの売上収益 540億円 決算短信(セグメント)
為替の影響 円高で営業利益81億円の減益要因 決算短信(経営成績)
会社の業績予想 2027年3月期 売上収益1兆650億円、営業利益1,930億円 決算短信のサマリー
配当 年60円、2027年3月期予想64円 決算短信

メル美テープだけじゃなく、スマホやパソコンのフィルム、核酸医薬の受託製造まであるのね。メモリ不足でスマホの生産がどうなるかも見ておきたいな

まとめ


参考文献

  1. 日東電工. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月27日). https://www2.jpx.co.jp/disc/69880/140120260424510818.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
  2. 信越化学工業. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月28日). https://www.shinetsu.co.jp/wp-content/uploads/2025/07/20260428_con_J.pdf (閲覧日:2026年10月12日)

この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。