企業分析2026年10月10日

TDKの強みとは:スマホなどに入る小型の二次電池(エナジー応用製品)が売上の半分強・セグメント利益の約4分の3。2026年3月期は売上高2兆5,048億円(+13.6%)・営業利益2,724億円(+21.5%)で、全セグメントが増収。HDDヘッドやセンサも大きく増益

TDKを、2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月28日、東証の適時開示)で分析しました。売上高2兆5,048億円(+13.6%)、営業利益2,724億円(+21.5%、営業利益率10.9%)、親会社の所有者に帰属する当期利益1,957億円(+17.0%)、ROE9.8%、親会社所有者帰属持分比率49.5%、海外売上高比率92.7%。セグメントは、エナジー応用製品(二次電池・電源、売上高1兆3,703億円、セグメント利益2,467億円)、受動部品(コンデンサ・インダクタなど、5,932億円・418億円)、磁気応用製品(HDD用ヘッドなど、2,629億円・270億円で前期の約8倍)、センサ応用製品(2,246億円・207億円で約4倍)。ICT市場向けの出荷増と、データセンター向けニアラインHDDの需要が支えました。BEVの需要低迷は続きました。年36円の配当、2027年3月期はメモリの逼迫でスマホなどの生産減を見込みつつ営業利益2,950億円・年40円の予想。村田製作所との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

目次
  1. 1. ひとことで言うと
  2. 2. 何で稼いでいるか
  3. 3. 強み
  4. 4. 弱み・リスク
  5. 5. ライバルとの比較
  6. 6. 投資プレイヤー的チェックポイント
  7. まとめ

プレ男TDKって、いまは何をつくっている会社なの?

メル美決算短信を見ると、いちばん大きいのはスマホなどに入る電池みたいよ

企業分析の連載、82社目はTDKです。2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月28日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載の村田製作所の強みとはで確認した数字を使っています。

この記事は会社のしくみと数字の解説で、TDK株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

1. ひとことで言うと

二次電池・電源(エナジー応用製品)を柱に、コンデンサなどの受動部品、センサ、HDD用ヘッドをつくる電子部品の会社

項目(IFRS・連結) 2026年3月期 前期比
売上高 2兆5,048億円 +13.6%
営業利益 2,724億円 +21.5%
営業利益率 10.9% 前期 10.2%
親会社の所有者に帰属する当期利益 1,957億円 +17.0%
ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) 9.8% 前期 9.5%
親会社所有者帰属持分比率 49.5% 前期 50.8%
海外売上高の比率 92.7% ー
配当 年36円(配当性向34.9%) ー

2. 何で稼いでいるか

セグメント 主な製品 売上高 セグメント利益
エナジー応用製品 エナジーデバイス(二次電池)、電源 1兆3,703億円(+16.5%) 2,467億円(+5.2%)
受動部品 コンデンサ、インダクティブデバイス、高周波部品など 5,932億円(+6.0%) 418億円(+22.8%)
磁気応用製品 HDD用ヘッド・サスペンション、マグネット 2,629億円(+17.6%) 270億円(前期34億円)
センサ応用製品 温度・圧力センサ、磁気センサ、MEMSセンサ 2,246億円(+18.6%) 207億円(前期50億円)
その他 製造設備、スマホのカメラ用マイクロアクチュエータ 538億円(−3.2%) −102億円

3. 強み

会社の資料で確かめられる事実から、強みと考えられる点を挙げます。

① エナジー応用製品の大きさ

② データセンター向けの部品

③ 世界での販売

4. 弱み・リスク

① スマホなどICT製品への依存

② 自動車(BEV)

③ 為替と構造改革

5. ライバルとの比較

電子部品の大手、村田製作所と比べます。どちらもIFRS・2026年3月期です(村田製作所は「売上収益」)。

TDK 村田製作所
売上高 2兆5,048億円(+13.6%) 1兆8,309億円(+5.0%)
営業利益 2,724億円(+21.5%) 2,818億円(+0.8%)
営業利益率 10.9% 15.4%
ROE 9.8% 8.8%

6. 投資プレイヤー的チェックポイント

TDKの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。

見ておく数字 2026年3月期 どこに書いてある
エナジー応用製品のセグメント利益 2,467億円 決算短信(セグメント情報)
磁気応用・センサ応用の利益 270億円・207億円 決算短信
会社の業績予想 2027年3月期 売上高2兆5,800億円、営業利益2,950億円 決算短信のサマリー
配当 年36円、2027年3月期予想40円 決算短信

メル美いまのTDKは電池がいちばん大きい事業なのね。スマホの生産が減る見通しと、データセンター向けの伸びを両方見ておきたいな

まとめ


参考文献

  1. TDK. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月28日). https://www2.jpx.co.jp/disc/67620/140120260427512388.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
  2. 村田製作所. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月30日). https://corporate.murata.com/-/media/corporate/about/newsroom/news/irnews/irnews/2026/0430/25q4-j-fls.ashx?la=ja-jp&cvid=20260430013812000000 (閲覧日:2026年10月10日)

この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。