企業分析2026年10月10日

村田製作所の強みとは:スマホやサーバー、車に何百個も入る小さな部品「積層セラミックコンデンサ」。2026年3月期は売上収益1兆8,309億円・営業利益2,818億円。コンデンサはAIサーバー向けで伸び、営業利益率26.8%。一方、通信モジュールは赤字でのれんを減損

村田製作所を、2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月30日)で分析しました。売上収益1兆8,309億円(+5.0%)、営業利益2,818億円(+0.8%、営業利益率15.4%)、親会社の所有者に帰属する当期利益2,339億円。セグメントはコンポーネント(積層セラミックコンデンサ、インダクタなど。売上収益1兆1,752億円、営業利益3,151億円、利益率26.8%)と、デバイス・モジュール(高周波モジュール、表面波フィルタ、リチウムイオン二次電池など。営業損失265億円)。積層セラミックコンデンサはサーバー向けを中心に増え、コンデンサの売上は9,364億円(+12.6%)。用途別ではコンピュータ向けが28.4%増。表面波フィルタの事業でのれん438億円を減損。親会社所有者帰属持分比率85.0%。2027年3月期は営業利益3,800億円の予想。太陽誘電との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

目次
  1. 1. ひとことで言うと
  2. 2. 何で稼いでいるか
  3. 3. 強み
  4. 4. 弱み・リスク
  5. 5. ライバルとの比較
  6. 6. 投資プレイヤー的チェックポイント
  7. まとめ

プレ男村田製作所って、何をつくってる会社? CMで見たことはあるけど、製品を買ったことはないような…

メル美スマホの中に入ってる、すごく小さい部品をつくってるんだって。直接は買わないけど、毎日使ってるのかも

企業分析の連載、18社目は村田製作所です。2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月30日)で確認しました。比較には太陽誘電の2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月8日)を使っています。

この記事は会社のしくみと数字の解説で、村田製作所株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

1. ひとことで言うと

スマホ・サーバー・車などに使われる電子部品、とくに「積層セラミックコンデンサ」をつくる会社

項目(IFRS・連結) 2026年3月期 前期比
売上収益 1兆8,309億円 +5.0%
営業利益 2,818億円 +0.8%
営業利益率 15.4% 前期 16.0%
親会社の所有者に帰属する当期利益 2,339億円 +0.0%
ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) 8.8% 前期 9.1%
親会社所有者帰属持分比率 85.0% 前期 85.2%
配当 年65円(配当性向50.9%) 前期 57円

2. 何で稼いでいるか

セグメント 主な製品 売上収益 営業利益 利益率
コンポーネント 積層セラミックコンデンサ、インダクタ、EMI除去フィルタなど 1兆1,752億円 3,151億円 26.8%
デバイス・モジュール 高周波モジュール、樹脂多層基板、表面波フィルタ、リチウムイオン二次電池、センサなど 6,560億円 −265億円(損失) −4.0%
その他 ソリューションビジネスなど 697億円 −68億円 —

用途別の売上収益(会社の推定値)

用途 金額 構成比 前期比
通信(スマホなど) 6,530億円 35.7% −3.1%
モビリティ(車など) 4,745億円 25.9% +4.8%
コンピュータ(サーバーなど) 3,104億円 16.9% +28.4%
産業・その他 2,503億円 13.7% +7.8%
家電 1,427億円 7.8% +0.1%

3. 強み

会社の資料で確かめられる事実から、強みと考えられる点を挙げます。

① コンデンサの稼ぐ力

② 用途の広がり

③ とても厚い財務

4. 弱み・リスク

① デバイス・モジュールの赤字と減損

② スマホ向けの減少

③ 値下がり・為替・地政学

④ 不正アクセス

5. ライバルとの比較

積層セラミックコンデンサを主力とする太陽誘電と比べます。会計基準(太陽誘電は日本基準)が違うので、おおまかな比較です。

村田製作所(IFRS) 太陽誘電(日本基準)
売上収益(売上高) 1兆8,309億円(+5.0%) 3,553億円(+4.1%)
営業利益 2,818億円(+0.8%) 200億円(+91.2%)
営業利益率 15.4% 5.6%
コンデンサの売上 9,364億円(+12.6%) 2,518億円(+8.5%)

6. 投資プレイヤー的チェックポイント

村田製作所の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。

見ておく数字 2026年3月期 どこに書いてある
コンポーネントの営業利益率 26.8% 決算短信(セグメント情報)
デバイス・モジュールの営業損益 −265億円 決算短信(セグメント情報)
用途別の売上(とくにコンピュータ・モビリティ) コンピュータ+28.4% 決算短信(用途別)
減損損失 504億円(うちのれん438億円) 決算短信(非金融資産の減損)
会社の業績予想 2027年3月期 売上収益1兆9,600億円、営業利益3,800億円 決算短信のサマリー
配当 年65円、2027年3月期予想70円 決算短信

メル美同じ会社の中でも、コンデンサは大きな黒字、モジュールは赤字。セグメントで分けて見ないとわからないね

半導体部品・コンデンサの会社は京セラの強みとはへ。

電池が中心の電子部品の会社はTDKの強みとはも参考にしてください。

ほかの電子部品の会社は太陽誘電の強みとはとミネベアミツミの強みとはも参考にしてください。

コネクタの会社はヒロセ電機の強みとはも参考にしてください。

まとめ


参考文献

  1. 村田製作所. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月30日). https://corporate.murata.com/-/media/corporate/about/newsroom/news/irnews/irnews/2026/0430/25q4-j-fls.ashx?la=ja-jp&cvid=20260430013812000000 (閲覧日:2026年10月10日)
  2. 太陽誘電. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月8日). https://pdf.irpocket.com/C6976/Kdx3/cyuz/k5xZ.pdf (閲覧日:2026年10月10日)

この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。