太陽誘電の強みとは:積層セラミックコンデンサが売上の約7割、インダクタを第二の柱に。2026年3月期は自動車・情報インフラ向けが伸び営業利益200億円(+91.2%)、2027年3月期はAIサーバー向けなどで300億円の予想
太陽誘電を、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月8日、東証の適時開示)で分析しました。売上高3,553億円(+4.1%、主に自動車、情報インフラ・産業機器向けが増加)、営業利益200億円(+91.2%、営業利益率5.6%)、経常利益241億円(+129.4%、為替差益48億円)、親会社株主に帰属する当期純利益148億円(+535.9%、減損損失21億円などを計上)、ROE4.5%、自己資本比率56.0%。電子部品事業の単一セグメントで、製品別の売上はコンデンサ2,518億円(+8.5%、70.9%)、インダクタ643億円(+4.5%)、複合デバイス148億円(−35.6%、通信用デバイスFBAR/SAWなど)、その他245億円。地域別では日本向けは約6%で、中国・香港・台湾などアジア向けが中心。年90円の配当(DOE3.8%)、2027年3月期は売上高3,840億円・営業利益300億円(+50.0%)・年90円の予想。村田製作所・TDKとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男コンデンサって、電子機器のどこに使われているの?

メル美太陽誘電の決算短信を見ると、自動車や情報インフラ・産業機器向けの売上が増えたんだって。2027年3月期はAIサーバー向けなどの需要拡大を見込んでいるみたい
企業分析の連載、173社目は太陽誘電です。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月8日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載の村田製作所の強みとは・TDKの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、太陽誘電株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
積層セラミックコンデンサを中心に、インダクタ、通信用デバイス(FBAR/SAW)などの電子部品をつくる会社(電子部品事業の単一セグメント)
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 3,553億円 | +4.1% |
| 営業利益 | 200億円 | +91.2% |
| 営業利益率 | 5.6% | 前期 3.1% |
| 経常利益 | 241億円 | +129.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 148億円 | +535.9% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 4.5% | 前期 0.7% |
| 自己資本比率 | 56.0% | 前期 55.6% |
| 配当 | 年90円(配当性向76.0%、DOE3.8%) | 前期 90円 |
- 主に自動車、情報インフラ・産業機器向けの売上が増え、各段階の利益が大きく増えました
- 経常利益には為替差益48億円が含まれます。特別損失には減損損失21億円などを計上しました
2. 何で稼いでいるか
製品別の売上高
| 製品 | 中身(決算短信の記載) | 売上高 | 構成比 |
|---|---|---|---|
| コンデンサ | 積層セラミックコンデンサなど。自動車、情報インフラ・産業機器向けが増加 | 2,518億円(+8.5%) | 70.9% |
| インダクタ | 巻線・積層インダクタなど。民生機器、情報機器向けが増加 | 643億円(+4.5%) | 18.1% |
| 複合デバイス | 通信用デバイス(FBAR/SAW)、回路モジュール | 148億円(−35.6%) | 4.2% |
| その他 | アルミニウム電解コンデンサなど | 245億円(−1.5%) | 6.9% |
地域別の売上高(顧客の住所地)
| 地域 | 売上高 |
|---|---|
| 中国 | 1,048億円 |
| 香港 | 505億円 |
| 台湾 | 407億円 |
| 欧州 | 277億円 |
| 北米 | 270億円 |
| 日本 | 205億円(約6%、計算値) |
| その他 | 843億円 |
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 積層セラミックコンデンサ
- 売上の約7割が積層セラミックコンデンサなどのコンデンサで、+8.5%でした。会社は、ハイエンド商品・高信頼性商品を中心とした高付加価値な電子部品に注力するとしています
② 自動車と情報インフラ
- 会社は、自動車の電子化・電動化やAIサーバーなど情報インフラの需要拡大を見込み、2027年3月期は営業利益300億円(+50.0%)を予想しています
③ インダクタを第二の柱に
- 積層セラミックコンデンサのさらなる成長に加え、インダクタを第二の柱として強化するとしています
4. 弱み・リスク
① 低い利益率
- 営業利益率は5.6%、ROEは4.5%で、比較した2社より低い水準です
② 複合デバイスの減少
- 通信用デバイス(FBAR/SAW)や回路モジュールの売上が減り、複合デバイスは35.6%減りました
③ コストと為替
- 会社は、中東情勢にともなう資源価格の高騰や、金属価格・部材費の上昇を注視するとしています。経常利益は為替差益の影響も受けています
5. ライバルとの比較
電子部品大手と比べます。会計基準(村田製作所・TDKはIFRS)が違うので、おおまかな比較です。3社とも2026年3月期です。
| 太陽誘電 | 村田製作所 | TDK | |
|---|---|---|---|
| 売上(売上収益) | 3,553億円(+4.1%) | 1兆8,309億円(+5.0%) | 2兆5,048億円(+13.6%) |
| 営業利益 | 200億円(+91.2%) | 2,818億円(+0.8%) | 2,724億円(+21.5%) |
| 営業利益率 | 5.6% | 15.4% | 10.9% |
| ROE | 4.5% | 8.8% | 9.8% |
| 自己資本(帰属持分)比率 | 56.0% | 85.0% | 49.5% |
- 太陽誘電は、規模と利益率でほかの2社を下回りますが、2026年3月期は利益が大きく回復しました(→村田製作所の強みとは、TDKの強みとは)。セラミック部品の会社は京セラの強みとはも
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
太陽誘電の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| コンデンサの売上高 | 2,518億円 | 決算短信(販売実績) |
| 受注残高(コンデンサ) | 632億円(全体819億円) | 決算短信(受注残高) |
| 為替の前提 | 1米ドル150円(2027年3月期) | 決算短信(今後の見通し) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上高3,840億円、営業利益300億円、当期純利益180億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年90円、2027年3月期予想90円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

プレ男コンデンサが売上の7割で、自動車とAIサーバー向けで伸びる予想なんだね。利益率がどこまで上がるかを見ておこう
まとめ
- 太陽誘電は、積層セラミックコンデンサが中心の電子部品の会社
- 2026年3月期は営業利益200億円(+91.2%)
- 売上の約7割がコンデンサ、自動車・情報インフラ向けが増加
- 営業利益率は5.6%で、村田製作所・TDKより低い
- 2027年3月期は営業利益300億円(+50.0%)・年90円の予想
参考文献
- 太陽誘電. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月8日). https://www2.jpx.co.jp/disc/69760/140120260424510424.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 村田製作所. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月30日). https://corporate.murata.com/-/media/corporate/about/newsroom/news/irnews/irnews/2026/0430/25q4-j-fls.ashx?la=ja-jp&cvid=20260430013812000000 (閲覧日:2026年10月12日)
- TDK. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月28日). https://www2.jpx.co.jp/disc/67620/140120260427512388.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。