企業分析2026年10月10日

京セラの強みとは:半導体のセラミックパッケージなどの部品、コンデンサ(KAVX)、複合機・機械工具・コミュニケーションなどのソリューション。2026年3月期は営業利益1,181億円(+332.8%)。KDDI株を売って政策保有株式を減らす計画

京セラを、2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月30日)で分析しました。売上高2兆702億円(+2.8%)、営業利益1,181億円(+332.8%、営業利益率5.7%)、親会社の所有者に帰属する当期利益1,410億円(+485.0%)、ROE4.3%、持分比率71.9%。前期は半導体部品有機材料事業の減損など約430億円の一時損失があり、当期は米国子会社サザンカールソン社の譲渡益約170億円を計上。事業利益はコアコンポーネント631億円(データセンター向け有機パッケージなどの半導体関連部品が+16.0%の増収)、電子部品73億円(KAVXグループのコンデンサ)、ソリューション1,039億円(機械工具352億円、ドキュメントソリューション451億円など)。保有するKDDI株を2026年3月期と翌期で合計約5,000億円売却し、政策保有株式の純資産比率を2031年3月期末をめどに20%未満にする計画で、2026年3月末は48.3%。年52円の配当、2027年3月期は営業利益1,300億円・年56円の予想。村田製作所との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

目次
  1. 1. ひとことで言うと
  2. 2. 何で稼いでいるか
  3. 3. 強み
  4. 4. 弱み・リスク
  5. 5. ライバルとの比較
  6. 6. 投資プレイヤー的チェックポイント
  7. まとめ

プレ男京セラって、どんなものをつくっている会社なの?

メル美KDDIの大株主だって聞いたことがあるよ。その株を売っているらしいの

企業分析の連載、65社目は京セラです。2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月30日)で確認しました。比較には、この連載の村田製作所の強みとはで確認した村田製作所の数字を使っています。

この記事は会社のしくみと数字の解説で、京セラ株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

1. ひとことで言うと

半導体用のセラミックパッケージなどの部品、コンデンサなどの電子部品、複合機・機械工具・コミュニケーションなどのソリューションを手がける会社

項目(IFRS・連結) 2026年3月期 前期比
売上高 2兆702億円 +2.8%
営業利益 1,181億円 +332.8%
営業利益率 5.7% 前期 1.4%
親会社の所有者に帰属する当期利益 1,410億円 +485.0%
ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) 4.3% 前期 0.7%
親会社所有者帰属持分比率 71.9% 前期 71.3%
配当 年52円(配当性向50.6%) 前期 50円

2. 何で稼いでいるか

セグメント別の売上高と事業利益(2026年3月期)です。

セグメント 主な事業 売上高 事業利益(率)
ソリューション 機械工具、ドキュメントソリューション(複合機など)、コミュニケーション 1兆709億円(−1.4%) 1,039億円(9.7%)
コアコンポーネント 半導体関連部品、産業・車載用部品 6,534億円(+10.4%) 631億円(9.7%)
電子部品 コンデンサなど(KAVXグループ) 3,635億円(+2.5%) 73億円(2.0%)

中の事業の利益

事業 売上高 事業利益
半導体関連部品 3,794億円(+16.0%) 469億円(前期 −264億円)
ドキュメントソリューション 4,785億円 451億円
機械工具 2,859億円 352億円
産業・車載用部品 2,501億円 187億円
コミュニケーション 2,192億円 121億円

3. 強み

会社の資料で確かめられる事実から、強みと考えられる点を挙げます。

① データセンター向けの部品

② 事業の入れかえと構造改革

③ 厚い財務

4. 弱み・リスク

① 低い資本効率

② 政策保有株式(KDDI株)

③ 2027年3月期の減収見通し

5. ライバルとの比較

電子部品の大手、村田製作所と比べます。どちらもIFRS・2026年3月期です。

京セラ 村田製作所
売上 2兆702億円(+2.8%) 1兆8,309億円(+5.0%)
営業利益 1,181億円(+332.8%) 2,818億円(+0.8%)
営業利益率 5.7% 15.4%
ROE 4.3% 8.8%

6. 投資プレイヤー的チェックポイント

京セラの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。

見ておく数字 2026年3月期 どこに書いてある
半導体関連部品の事業利益 469億円 決算短信(セグメント別)
一時的な損益 譲渡益 約170億円、評価減・減損 約100億円 決算短信(セグメント別)
政策保有株式の純資産比率 48.3%(目標は2031年3月期末に20%未満) 決算短信(資本政策)
会社の業績予想 2027年3月期 売上高1兆9,400億円、営業利益1,300億円 決算短信のサマリー
配当 年52円、2027年3月期予想56円 決算短信

メル美KDDIの株を売ったお金を、設備投資や株主還元に使うのね。データセンター向けの部品が伸びているのも大事なポイントなんだ

データセンター向けの光ファイバケーブルで伸びた会社はフジクラの強みとはも参考にしてください。

スパークプラグとセンサの会社は日本特殊陶業の強みとはも参考にしてください。

まとめ


参考文献

  1. 京セラ. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月30日). https://www.kyocera.co.jp/ir/pdf/FY26_4Q_tanshin.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
  2. 村田製作所. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月30日). https://corporate.murata.com/-/media/corporate/about/newsroom/news/irnews/irnews/2026/0430/25q4-j-fls.ashx?la=ja-jp&cvid=20260430013812000000 (閲覧日:2026年10月10日)

この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。