日本特殊陶業の強みとは:スパークプラグと排気ガスセンサの自動車関連で営業利益のほぼすべてを稼ぐ会社。2026年3月期は売上収益7,312億円(+12.0%)・営業利益1,382億円(+6.6%)、営業利益率18.9%、ROE15.7%
日本特殊陶業を、2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月30日、東証の適時開示)で分析しました。売上収益7,312億円(+12.0%)、営業利益1,382億円(+6.6%、営業利益率18.9%)、税引前利益1,655億円(+24.1%)、親会社の所有者に帰属する当期利益1,129億円(+21.9%)、ROE15.7%、親会社所有者帰属持分比率62.8%。セグメントは、自動車関連が売上収益5,875億円(+8.2%、プラグ3,907億円・センサ1,968億円、新車組付け用と補修用)・営業利益1,353億円(+0.8%)、コンポーネント・ソリューションは半導体製造装置向けが堅調で売上収益1,307億円(+26.8%)だが、Niterra Materialsの取得にともなう償却費や減損損失で46億円の営業損失。年205円の配当、2027年3月期は売上収益7,900億円・営業利益1,500億円・年210円の予想。デンソー・京セラとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男電気自動車が増えたら、エンジンの部品の会社は困るんじゃないの?

メル美日本特殊陶業の決算短信を見ると、スパークプラグとセンサの売上は2026年3月期も増えたんだって。利益率も高いみたい
企業分析の連載、162社目は日本特殊陶業です。2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月30日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載のデンソーの強みとは・京セラの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、日本特殊陶業株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
スパークプラグや排気ガスセンサなどの自動車部品(自動車関連)を中心に、半導体製造装置向けのセラミック部品や切削工具などの「コンポーネント・ソリューション」も手がける会社
| 項目(IFRS・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 7,312億円 | +12.0% |
| 営業利益 | 1,382億円 | +6.6% |
| 営業利益率 | 18.9% | 前期 19.9% |
| 税引前利益 | 1,655億円 | +24.1% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 1,129億円 | +21.9% |
| ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) | 15.7% | 前期 14.1% |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 62.8% | 前期 68.1% |
| 配当 | 年205円(配当性向35.9%) | 前期 178円 |
- 会社は、自動車業界では内燃機関搭載車の生産は前年比で若干減り、中国で電気自動車の生産増加が続く一方、内燃機関搭載車の生産は軟調だとしています
2. 何で稼いでいるか
当期から報告セグメントを2つに変更しています(前期も組み替えて比較)。
| セグメント | 中身(決算短信の記載) | 売上収益 | 営業損益 |
|---|---|---|---|
| 自動車関連 | スパークプラグ(3,907億円、+7.7%)、排気ガスセンサなど(1,968億円、+9.2%) | 5,875億円(+8.2%) | 1,353億円(+0.8%) |
| コンポーネント・ソリューション | 切削工具、産業機器部品、半導体製造装置向け(SPE)、半導体パッケージ、燃料電池など | 1,307億円(+26.8%) | −46億円 |
| その他 | 固定資産の売却など | 138億円 | 74億円 |
- 営業利益のほぼすべて(約98%)を自動車関連が稼いでいます(計算値)
- 自動車関連は、新車組付け用が米国・欧州・中国・日本などグローバルで伸び、補修用も堅調でした
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① プラグとセンサ
- スパークプラグの売上収益は3,907億円、センサは1,968億円で、どちらも増えました。新車組付け用に加え、補修用の製品も堅調でした
② 高い利益率
- 営業利益率は18.9%、ROEは15.7%です
③ 半導体向けの事業
- コンポーネント・ソリューションでは、生成AI関連用途や先端ロジック半導体向けのSPE(半導体製造装置向け)事業が堅調でした。2025年6月に企業結合した東芝マテリアル(現・Niterra Materials)も増収に寄与しました
4. 弱み・リスク
① 内燃機関の車への依存
- 利益の大半が、内燃機関の車向けのスパークプラグ・センサです。中国では電気自動車の生産の増加が続いています
② 新しい事業の赤字
- コンポーネント・ソリューションは、Niterra Materialsの取得にともなう償却費や、一部事業の収益見込みの低下による減損損失で、46億円の営業損失でした
③ 自己資本の比率の低下
- 子会社の取得などで総資産が増え、親会社所有者帰属持分比率は68.1%→62.8%に下がりました
5. ライバルとの比較
自動車部品とセラミックの会社と並べます。3社ともIFRS・2026年3月期ですが、事業の中身が違うので、おおまかな比較です。
| 日本特殊陶業 | デンソー | 京セラ | |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 7,312億円(+12.0%) | 7兆5,400億円(+5.3%) | 2兆702億円(+2.8%) |
| 営業利益 | 1,382億円(+6.6%) | 5,525億円(+6.5%) | 1,181億円(+332.8%) |
| 営業利益率 | 18.9% | 7.3% | 5.7% |
| ROE | 15.7% | 8.5% | 4.3% |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 62.8% | 62.9% | 71.9% |
- 規模はデンソーが大きく、利益率とROEは日本特殊陶業が高い水準です(→デンソーの強みとは、京セラの強みとは)。自動車部品はジェイテクトの強みとはも
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
日本特殊陶業の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| プラグ・センサの売上収益 | 3,907億円・1,968億円 | 決算短信(セグメント別の売上収益) |
| 自動車関連の営業利益 | 1,353億円 | 決算短信(セグメント別の業績) |
| コンポーネント・ソリューションの営業損益 | −46億円 | 決算短信(セグメント別の業績) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上収益7,900億円、営業利益1,500億円、当期利益1,050億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年205円、2027年3月期予想210円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

プレ男今はプラグとセンサでしっかり稼いでいるんだね。新しい事業が黒字になるかを見ておこう
まとめ
- 日本特殊陶業は、スパークプラグと排気ガスセンサが中心の会社
- 2026年3月期は営業利益1,382億円(+6.6%)、営業利益率18.9%
- 営業利益の約98%が自動車関連
- 半導体向けなどのコンポーネント・ソリューションは46億円の営業損失
- 2027年3月期は営業利益1,500億円・年210円の予想
参考文献
- 日本特殊陶業. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月30日). https://www2.jpx.co.jp/disc/53340/140120260427512176.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- デンソー. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月28日). https://www2.jpx.co.jp/disc/69020/140120260424510681.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 京セラ. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月30日). https://www.kyocera.co.jp/ir/pdf/FY26_4Q_tanshin.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。