ジェイテクトの強みとは:ステアリングなどの自動車部品が売上の約7割、ベアリング(軸受)と工作機械も。2026年3月期は事業利益757億円(+16.5%)、その他の費用で営業利益は248億円(−35.4%)。2027年3月期は営業利益750億円の予想
ジェイテクトを、2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月28日)で分析しました。売上収益1兆9,250億円(+2.2%)、事業利益757億円(+16.5%、事業利益率3.9%、米国関税の影響の一方で販売増・円安・原価改善・欧州の構造改革)、営業利益248億円(−35.4%、その他の費用568億円)、親会社の所有者に帰属する当期利益120億円(−12.7%)、ROE1.6%、親会社所有者帰属持分比率50.1%。セグメントの事業利益は、自動車467億円(+21.8%、ステアリング・駆動系部品)、工作機械174億円、産機・軸受112億円(+29.6%、欧州ニードルローラーベアリング事業を譲渡)。年60円の配当(配当性向159.5%)、2027年3月期は事業利益900億円・営業利益750億円・年70円の予想。デンソー・アイシンとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男ジェイテクトって、何の会社?

メル美決算短信を見ると、車のステアリングやベアリング、工作機械をつくっている会社なんだって
企業分析の連載、150社目はジェイテクトです。2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月28日)で確認しました。比較には、この連載のデンソーの強みとは・アイシンの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、ジェイテクト株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
ステアリング・駆動系部品などの自動車部品(自動車)を中心に、産業機械用のベアリング(産機・軸受)、工作機械・制御機器(工作機械)をつくる会社
| 項目(IFRS・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 1兆9,250億円 | +2.2% |
| 事業利益(会社の指標) | 757億円 | +16.5% |
| 事業利益率 | 3.9% | 前期 3.4% |
| 営業利益 | 248億円 | −35.4% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 120億円 | −12.7% |
| ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) | 1.6% | 前期 1.8% |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 50.1% | 前期 47.6% |
| 配当 | 年60円(配当性向159.5%) | 前期 50円 |
- 事業利益は、売上収益から売上原価と販売費及び一般管理費を引いた、会社の指標です
- 事業利益は、米国の関税政策や中国を中心とした競争の激化がある中、付加価値の高い製品の拡販、欧州の構造改革、原価改善で増えました
- 営業利益は、その他の費用568億円などを計上し、事業利益を大きく下回りました
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 中身(決算短信の記載) | 売上収益 | 事業利益 |
|---|---|---|---|
| 自動車 | ステアリング、駆動系部品など | 1兆3,670億円(+2.5%) | 467億円(+21.8%) |
| 産機・軸受 | 産業機械用ベアリングなど | 3,471億円(−1.5%) | 112億円(+29.6%) |
| 工作機械 | 工作機械、制御機器、工業用熱処理炉など | 2,109億円(+6.0%) | 174億円(前期並み) |
- 売上収益の約71%が自動車、セグメントの事業利益の合計754億円の約62%も自動車です(計算値)
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 自動車部品の販売増
- 自動車は、欧州・中国の販売減の一方、日本や北米などで販売が増え、円安や原価改善で事業利益が+21.8%でした
② 構造改革の効果
- 産機・軸受は、欧州のニードルローラーベアリング事業の譲渡を完了し、構造改革の効果などで事業利益が+29.6%でした
③ 工作機械
- 工作機械は、日本や北米を中心に販売が増え、売上収益が+6.0%でした
4. 弱み・リスク
① 低い利益率
- 事業利益率は3.9%、ROEは1.6%、配当性向は159.5%です
② 関税と競争
- 会社は、米国の関税政策や、中国を中心とした競争の激化を厳しさが増す環境として挙げています
③ 事業利益と営業利益の差
- その他の費用が大きく、営業利益は事業利益の約3分の1でした。どんな費用が出ているかを毎回確かめる必要があります
5. ライバルとの比較
自動車部品の大手と比べます。3社ともIFRS・2026年3月期ですが、ジェイテクトの主な指標は事業利益なので、ここでは営業利益で並べます。
| ジェイテクト | デンソー | アイシン | |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 1兆9,250億円(+2.2%) | 7兆5,400億円(+5.3%) | 5兆1,177億円(+4.5%) |
| 営業利益 | 248億円(−35.4%) | 5,525億円(+6.5%) | 2,287億円(+12.7%) |
| 営業利益率 | 1.3% | 7.3% | 4.5% |
| ROE | 1.6% | 8.5% | 8.2% |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 50.1% | 62.9% | 48.8% |
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
ジェイテクトの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 自動車の事業利益 | 467億円 | 決算短信(セグメント別の業績) |
| その他の費用 | 568億円 | 決算短信(セグメント情報) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上収益1兆8,800億円、事業利益900億円、営業利益750億円、当期利益500億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年60円、2027年3月期予想70円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

プレ男事業利益は増えたのに、営業利益は大きく減ったんだね。来年はその差が小さくなる予想みたいだから、確かめておこう
まとめ
- ジェイテクトは、ステアリングなどの自動車部品、ベアリング、工作機械の会社
- 2026年3月期は事業利益757億円(+16.5%)、営業利益は248億円(−35.4%)
- 売上・事業利益とも約7割・約6割が自動車
- 欧州の構造改革を進め、欧州ニードルローラーベアリング事業を譲渡
- 2027年3月期は営業利益750億円・年70円の予想
参考文献
- ジェイテクト. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月28日). https://www.jtekt.co.jp/assets/uploads/2026/04/files/A_2026_4Q_tanshin_jp.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- デンソー. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月28日). https://www2.jpx.co.jp/disc/69020/140120260424510681.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- アイシン. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月28日). https://www2.jpx.co.jp/disc/72590/140120260427512421.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。