アイシンの強みとは:ハイブリッドトランスミッションやeAxleなどのパワートレインを中心とした自動車部品の大手。2026年3月期は売上収益5兆1,177億円(+4.5%)・営業利益2,287億円(+12.7%)、当期利益1,716億円(+59.6%)。北米・アセアン・インドが伸び、欧州・中国はATの減少で減益
アイシンを、2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月28日、東証の適時開示)で分析しました。売上収益5兆1,177億円(+4.5%、得意先の車両生産台数とパワートレインユニット販売台数の増加)、営業利益2,287億円(+12.7%、営業利益率4.5%、関税影響の一方で企業体質改善と構造改革の効果)、親会社の所有者に帰属する当期利益1,716億円(+59.6%)、ROE8.2%、親会社所有者帰属持分比率48.8%。地域別の営業利益は、日本802億円(ハイブリッドトランスミッション・eAxle)、アセアン・インド696億円(+17.3%)、北米391億円(+33.5%、ハイブリッドトランスミッションの生産増)、中国306億円、欧州41億円(オートマチックトランスミッションの販売減)。年70円の配当、2027年3月期は営業利益2,350億円・年75円の予想。デンソーとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男アイシンって、車の部品の会社だよね。どんな部品をつくっているの?

メル美決算短信には、ハイブリッド車のトランスミッションや「eAxle」っていう部品が出てくるよ
企業分析の連載、114社目はアイシンです。2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月28日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載のデンソーの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、アイシン株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
ハイブリッドトランスミッション、eAxle、オートマチックトランスミッションなどのパワートレイン(車を動かす装置)を中心に、自動車部品をつくって世界で売る会社
| 項目(IFRS・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 5兆1,177億円 | +4.5% |
| 営業利益 | 2,287億円 | +12.7% |
| 営業利益率 | 4.5% | 前期 4.1% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 1,716億円 | +59.6% |
| ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) | 8.2% | 前期 5.2% |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 48.8% | 前期 46.1% |
| 配当 | 年70円(配当性向30.1%) | 前期 60円(分割後換算) |
- 売上収益は、得意先の車両生産台数とパワートレインユニットの販売台数の増加で増えました
- 営業利益は、人・将来への投資や関税の影響があった一方、企業体質改善の努力と構造改革の効果で増えました
- 2024年10月1日に1株→3株の株式分割をしています(→株式分割と投資単位)
2. 何で稼いでいるか
アイシンのセグメントは地域別です。
| 地域 | 主な動き(決算短信の記載) | 売上収益 | 営業利益 |
|---|---|---|---|
| 日本 | ハイブリッドトランスミッション・eAxleの販売台数の増加 | 3兆2,147億円(+2.4%) | 802億円(+8.9%) |
| アセアン・インド | 得意先の車両生産台数とパワートレインユニット販売台数の増加、円安 | 6,134億円(+15.7%) | 696億円(+17.3%) |
| 北米 | ハイブリッドトランスミッションの生産台数の増加、関税の影響 | 1兆1,958億円(+10.0%) | 391億円(+33.5%) |
| 中国 | オートマチックトランスミッションの販売減、構造改革費用 | 5,989億円(−3.2%) | 306億円(−5.3%) |
| 欧州 | オートマチックトランスミッションの販売減 | 2,842億円(−3.9%) | 41億円(−6.1%) |
- 売上収益はセグメント間の取引を含む金額です
- アセアン・インドは、売上収益に対する営業利益の割合が約11%と、ほかの地域より高い形です(計算値)
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① ハイブリッド車向けの部品
- 日本と北米で、ハイブリッドトランスミッションの販売・生産が増えました
② 構造改革の効果
- 関税の影響がある中でも、企業体質改善と構造改革の効果で営業利益を増やしました
③ アセアン・インドの成長
- アセアン・インドは、売上収益+15.7%、営業利益+17.3%でした
4. 弱み・リスク
① オートマチックトランスミッションの減少
- 欧州と中国では、オートマチックトランスミッションの販売台数の減少で減収減益でした
② 関税
- 北米では関税の影響がありました
③ 2027年3月期の当期利益の減少
- 2027年3月期は、営業利益2,350億円(+2.7%)の一方、当期利益は1,500億円(−12.6%)の予想です。2026年3月期は、単体で政策保有株式の売却益を特別利益に計上しています
5. ライバルとの比較
自動車部品の大手、デンソーと比べます。どちらもIFRS・2026年3月期で、セグメントも地域別ですが、製品は違うので、おおまかな比較です。
| アイシン | デンソー | |
|---|---|---|
| 売上収益 | 5兆1,177億円(+4.5%) | 7兆5,400億円(+5.3%) |
| 営業利益 | 2,287億円(+12.7%) | 5,525億円(+6.5%) |
| 営業利益率 | 4.5% | 7.3% |
| ROE | 8.2% | 8.5% |
- 規模と利益率はデンソーが上回ります(→デンソーの強みとは)。自動車メーカーはトヨタの強みとは、電線・ワイヤーハーネスの会社は住友電気工業の強みとはも
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
アイシンの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 地域別の営業利益 | 日本802億円、アセアン・インド696億円など | 決算短信(セグメント別の業績) |
| ハイブリッドトランスミッションなどの動き | 日本・北米で増加 | 決算短信(セグメント別の業績) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上収益5兆2,500億円、営業利益2,350億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年70円、2027年3月期予想75円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

プレ男ハイブリッド車向けの部品が伸びて、オートマチックトランスミッションは地域によって減っているんだね。地域ごとの動きを見ておこう
エアバッグなどの自動車部品の会社は豊田合成の強みとはも参考にしてください。
まとめ
- アイシンは、パワートレインを中心とした自動車部品の大手
- 2026年3月期は営業利益2,287億円(+12.7%)、当期利益1,716億円(+59.6%)
- ハイブリッドトランスミッション・eAxleが伸び、欧州・中国はATの減少で減益
- 利益率が高いのはアセアン・インド
- 2027年3月期は営業利益2,350億円の予想
参考文献
- アイシン. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月28日). https://www2.jpx.co.jp/disc/72590/140120260427512421.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- デンソー. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月28日). https://www2.jpx.co.jp/disc/69020/140120260424510681.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。