豊田合成の強みとは:エアバッグ・ハンドルなどのセーフティシステムと内外装部品を世界でつくる自動車部品メーカー。2026年3月期は営業利益795億円(+32.9%)、米州が最大の稼ぎ頭。2026年9月末に1株→5株の分割
豊田合成を、2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月28日、東証の適時開示)で分析しました。売上収益1兆1,467億円(+8.2%、顧客の生産台数の増加)、営業利益795億円(+32.9%、営業利益率6.9%、増販効果と原価改善)、親会社の所有者に帰属する当期利益620億円(+70.7%)、ROE11.2%、親会社所有者帰属持分比率57.3%。所在地別のセグメント利益は、米州350億円(+2.4%、米国の関税影響を吸収)、日本235億円(+105.9%)、アジア149億円、インド58億円(+32.3%)、欧州・アフリカ27億円、中国は21億円の損失(赤字幅は縮小)。芦森工業の完全子会社化でシートベルトとエアバッグを組み合わせた開発を加速。年138円の配当(前期105円)、2026年9月30日を基準日に1株→5株の株式分割を予定。2027年3月期は売上収益1兆2,000億円・営業利益800億円の予想。デンソー・アイシンとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

メル美豊田合成って、何をつくっている会社なの?

プレ男決算短信を見ると、エアバッグやハンドルなどのセーフティシステムと、内外装部品が重点事業なんだって。米州でいちばん稼いでいるみたい
企業分析の連載、179社目は豊田合成です。2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月28日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載のデンソーの強みとは・アイシンの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、豊田合成株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
エアバッグ・ステアリングホイールなどのセーフティシステム、内外装部品、ウェザストリップ、燃料系部品などの自動車部品を、日本・米州・アジア・インド・中国・欧州でつくる会社
| 項目(IFRS・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 1兆1,467億円 | +8.2% |
| 営業利益 | 795億円 | +32.9% |
| 営業利益率 | 6.9% | 前期 5.6% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 620億円 | +70.7% |
| ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) | 11.2% | 前期 6.8% |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 57.3% | 前期 59.4% |
| 配当 | 年138円(配当性向26.9%) | 前期 105円 |
- 売上収益は顧客の生産台数の増加などで増え、営業利益は増販効果と原価改善で伸びました
- 2026年9月30日を基準日に1株→5株の株式分割を予定しています(→株式分割と投資単位)
2. 何で稼いでいるか
セグメントは所在地別です。
| 地域 | 主な動き(決算短信の記載) | 売上収益(内部取引を含む) | セグメント利益 |
|---|---|---|---|
| 米州 | 生産台数の増加、米国の関税影響を増販と原価改善で吸収 | 4,284億円(+6.1%) | 350億円(+2.4%) |
| 日本 | 生産台数の増加、増販効果と原価改善 | 4,886億円(+11.1%) | 235億円(+105.9%) |
| アジア | 生産台数の増加 | 1,539億円(+11.1%) | 149億円(+5.3%) |
| インド | 生産台数の増加 | 519億円(+22.4%) | 58億円(+32.3%) |
| 欧州・アフリカ | 為替、固定費の増加を原価改善で吸収 | 346億円(+5.8%) | 27億円(−1.1%) |
| 中国 | 生産台数の減少、固定費の削減で赤字を縮小 | 908億円(−4.3%) | −21億円 |
- セグメント利益の合計798億円のうち、米州が約44%、日本が約29%です。海外の合計は約71%です(計算値)
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① セーフティシステム
- 側面衝突時の乗員どうしの衝突を防ぐ「前席センターエアバッグ」や、ステアバイワイヤシステム用の異形ステアリングホイールを量産化しました。芦森工業の完全子会社化で、シートベルトとエアバッグを組み合わせた開発を加速しています
② 成長地域への展開
- 会社は、セーフティシステムと内外装部品を重点事業とし、北米・インド・ブラジルなどの重点地域に積極的に投資するとしています。インドのセグメント利益は+32.3%でした
③ 原価改善
- 米国の関税影響がある中でも、増販効果と原価改善で米州は増益でした
4. 弱み・リスク
① 顧客の生産台数
- 売上は顧客の自動車の生産台数に大きく左右されます。中国は生産台数の減少で売上が減り、21億円の損失でした
② 関税
- 米州では米国の関税影響を受けています
③ 2027年3月期の伸びは小さい見通し
- 2027年3月期は、価格改定や昇給の影響を原価改善で補い、営業利益800億円(+0.6%)の予想です
5. ライバルとの比較
自動車部品の会社と比べます。3社ともIFRS・2026年3月期です。
| 豊田合成 | デンソー | アイシン | |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 1兆1,467億円(+8.2%) | 7兆5,400億円(+5.3%) | 5兆1,177億円(+4.5%) |
| 営業利益 | 795億円(+32.9%) | 5,525億円(+6.5%) | 2,287億円(+12.7%) |
| 営業利益率 | 6.9% | 7.3% | 4.5% |
| ROE | 11.2% | 8.5% | 8.2% |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 57.3% | 62.9% | 48.8% |
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
豊田合成の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 米州のセグメント利益 | 350億円 | 決算短信(セグメントの業績) |
| 中国の損益 | −21億円 | 決算短信(セグメントの業績) |
| 為替の前提 | 1米ドル155円(2027年3月期) | 決算短信(次期の見通し) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上収益1兆2,000億円、営業利益800億円、当期利益570億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年138円(分割前) | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

メル美エアバッグなどの安全の部品が重点事業なのね。米州の関税と中国の赤字がどうなるかを見ておきたいな
まとめ
- 豊田合成は、セーフティシステムと内外装部品などの自動車部品の会社
- 2026年3月期は営業利益795億円(+32.9%)
- セグメント利益の約44%が米州、海外で約71%
- 芦森工業の完全子会社化でシートベルトとエアバッグの開発を加速
- 2027年3月期は営業利益800億円の予想、2026年9月末に1株→5株の分割予定
参考文献
- 豊田合成. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月28日). https://www2.jpx.co.jp/disc/72820/140120260427512444.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- デンソー. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月28日). https://www2.jpx.co.jp/disc/69020/140120260424510681.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- アイシン. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月28日). https://www2.jpx.co.jp/disc/72590/140120260427512421.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。