企業分析2026年10月12日

三菱ケミカルグループの強みとは:利益の柱は産業ガス(コア営業利益2,007億円)。半導体関連などの機能材料、MMA、石化・炭素も。2026年3月期は売上収益3兆7,040億円・コア営業利益2,250億円、減損などで営業利益は301億円。田辺三菱製薬(現・田辺ファーマ)は譲渡

三菱ケミカルグループを、2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月13日、東証の適時開示)で分析しました。売上収益3兆7,040億円(−6.2%)、会社が重視するコア営業利益2,250億円(−1.7%、コア営業利益率6.1%)、営業利益301億円(−78.8%)、親会社の所有者に帰属する当期利益118億円(−73.7%)、親会社所有者帰属持分比率30.0%。田辺三菱製薬(現・田辺ファーマ)を譲渡し、非継続事業に分類。セグメントのコア営業利益は、産業ガス2,007億円(+146億円、価格マネジメントとコスト削減、欧州・豪州などの買収)、スペシャリティマテリアルズ323億円(+84億円、半導体関連などの販売価格の向上)、MMA&デリバティブズ−15億円(−372億円、MMAモノマーの市況下落)、ベーシックマテリアルズ&ポリマーズ−42億円。年32円の配当(配当性向370.8%)、2027年3月期はコア営業利益3,050億円(+35.6%)の予想で、ホルムズ海峡の情勢が9月末まで続くと約180億円の下振れ。信越化学工業との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

目次
  1. 1. ひとことで言うと
  2. 2. 何で稼いでいるか
  3. 3. 強み
  4. 4. 弱み・リスク
  5. 5. ライバルとの比較
  6. 6. 投資プレイヤー的チェックポイント
  7. まとめ

プレ男三菱ケミカルって化学の会社だよね。でも利益がすごく減ってる…

メル美決算短信を見ると、会社が重視する「コア営業利益」はほぼ前年並みなんだって。いちばん稼いでいるのは「産業ガス」よ

企業分析の連載、112社目は三菱ケミカルグループです。2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月13日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載の信越化学工業の強みとはで確認した数字を使っています。

この記事は会社のしくみと数字の解説で、三菱ケミカルグループ株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

1. ひとことで言うと

産業ガス、半導体関連などの機能材料(スペシャリティマテリアルズ)、MMA、石油化学・炭素を手がける化学グループ

項目(IFRS・連結) 2026年3月期 前期比
売上収益 3兆7,040億円 −6.2%
コア営業利益(会社が重視する指標) 2,250億円 −1.7%
コア営業利益率 6.1% 前期 5.8%
営業利益 301億円 −78.8%
親会社の所有者に帰属する当期利益 118億円 −73.7%
親会社所有者帰属持分比率 30.0% 前期 29.5%
配当 年32円(配当性向370.8%) 前期 32円

2. 何で稼いでいるか

セグメント 中身(決算短信の記載) 売上収益 コア営業利益
産業ガス 産業ガス 1兆3,525億円(+514億円) 2,007億円(+146億円)
スペシャリティマテリアルズ フィルム・ポリマー、半導体関連、エンジニアリングプラスチック、炭素繊維など 1兆596億円(−117億円) 323億円(+84億円)
MMA&デリバティブズ MMAモノマー、塗料・接着剤向けなど 3,519億円(−657億円) −15億円(−372億円)
ベーシックマテリアルズ&ポリマーズ ポリオレフィンなどの石化、コークスなどの炭素 7,907億円(−1,959億円) −42億円(+104億円)
その他 1,493億円 135億円

3. 強み

会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。

① 産業ガスの安定

② 半導体関連の素材

③ 事業の入れ替え

4. 弱み・リスク

① 市況に左右される事業

② 減損などの非経常損失

③ 原燃料と地政学

5. ライバルとの比較

化学大手の信越化学工業と比べます。会計基準(信越化学は日本基準)と利益の物差しが違うので、おおまかな比較です(どちらも2026年3月期)。

三菱ケミカルG 信越化学工業
売上 3兆7,040億円(−6.2%) 2兆5,739億円(+0.5%)
営業利益 301億円(コア営業利益は2,250億円) 6,352億円
親会社の所有者(株主)に帰属する当期利益 118億円 4,744億円

6. 投資プレイヤー的チェックポイント

三菱ケミカルGの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。

見ておく数字 2026年3月期 どこに書いてある
コア営業利益と営業利益の差(非経常項目) 2,250億円と301億円 決算短信のサマリー
産業ガスのコア営業利益 2,007億円 決算短信(セグメント別の概況)
MMAのコア営業利益 −15億円 決算短信(セグメント別の概況)
会社の業績予想 2027年3月期 売上収益3兆8,000億円、コア営業利益3,050億円 決算短信のサマリー
配当 年32円、2027年3月期予想32円 決算短信

プレ男化学の会社なのに、いちばん稼いでいるのは産業ガスなんだね。コア営業利益と、減損を含んだ営業利益の差もちゃんと見ないと

メガネレンズ用材料や半導体材料も手がける化学会社は三井化学の強みとはも参考にしてください。

まとめ


参考文献

  1. 三菱ケミカルグループ. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月13日). https://www2.jpx.co.jp/disc/41880/140120260513528387.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
  2. 信越化学工業. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月28日). https://www.shinetsu.co.jp/wp-content/uploads/2025/07/20260428_con_J.pdf (閲覧日:2026年10月12日)

この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。