企業分析2026年10月12日

旭化成の強みとは:化学・電子材料の「マテリアル」、注文住宅などの「住宅」、医薬・医療機器の「ヘルスケア」の3本柱。2026年3月期は売上高3兆745億円・営業利益2,312億円(+9.1%)。住宅とヘルスケアが増益、マテリアルは定期修理などで減益

旭化成を、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月12日、東証の適時開示)で分析しました。売上高3兆745億円(+1.2%)、営業利益2,312億円(+9.1%、営業利益率7.5%)、経常利益2,304億円(+19.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益1,588億円(+17.6%)、ROE8.0%、自己資本比率50.5%。セグメントの営業利益は、住宅998億円(売上高1兆774億円、建築請負の平均単価の上昇、北米は減益)、ヘルスケア835億円(+194億円、医薬事業の主力製品の販売増とスウェーデンのCalliditas社の連結効果)、マテリアル683億円(−116億円、エッセンシャルケミカルの在庫受払差と水島製造所の大規模な定期修理。エレクトロニクスはAIサーバーなどの需要で増益)。年42円の配当、2027年3月期は営業利益2,480億円(+7.3%)・年44円の予想。東レとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

目次
  1. 1. ひとことで言うと
  2. 2. 何で稼いでいるか
  3. 3. 強み
  4. 4. 弱み・リスク
  5. 5. ライバルとの比較
  6. 6. 投資プレイヤー的チェックポイント
  7. まとめ

プレ男旭化成って、化学の会社だよね。住宅もやってるの?

メル美決算短信を見ると、いちばん営業利益が大きいのは「住宅」なんだって。医薬品や医療機器のヘルスケアもあるよ

企業分析の連載、106社目は旭化成です。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月12日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載の東レの強みとはで確認した数字を使っています。

この記事は会社のしくみと数字の解説で、旭化成株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。特定の医薬品・医療機器・住宅をすすめるものでもありません。

1. ひとことで言うと

化学品・電子材料などの「マテリアル」、注文住宅・不動産などの「住宅」、医薬・医療機器などの「ヘルスケア」の3つの事業をもつ会社

項目(日本基準・連結) 2026年3月期 前期比
売上高 3兆745億円 +1.2%
営業利益 2,312億円 +9.1%
営業利益率 7.5% 前期 7.0%
経常利益 2,304億円 +19.1%
親会社株主に帰属する当期純利益 1,588億円 +17.6%
ROE(自己資本当期純利益率) 8.0% 前期 7.4%
自己資本比率 50.5% 前期 46.3%
配当 年42円(配当性向35.9%) 前期 38円

2. 何で稼いでいるか

セグメント 中身(決算短信の記載) 売上高 営業利益
住宅 建築請負、不動産開発、賃貸管理・不動産流通、建材、海外住宅 1兆774億円(+415億円) 998億円(+39億円)
ヘルスケア 医薬、ライフサイエンス、医療機器などのクリティカルケア 6,641億円(+482億円) 835億円(+194億円)
マテリアル エレクトロニクス、エッセンシャルケミカル、カーインテリア、エナジー&インフラなど 1兆3,062億円(−625億円) 683億円(−116億円)
その他 エンジニアリング、リサーチ、人材派遣など 267億円 39億円

3. 強み

会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。

① 住宅事業

② ヘルスケアの成長

③ 電子材料

4. 弱み・リスク

① 化学品の市況と定期修理

② 北米の住宅

③ 事業の入れ替えの費用

5. ライバルとの比較

総合化学・素材の東レと比べます。会計基準(東レはIFRS)が違い、旭化成は住宅・ヘルスケアの比重が大きいので、おおまかな比較です(どちらも2026年3月期)。

旭化成 東レ
売上高(売上収益) 3兆745億円(+1.2%) 2兆5,851億円(+0.9%)
営業利益 2,312億円(+9.1%) 972億円(−23.7%)
親会社株主(所有者)に帰属する当期純利益 1,588億円 795億円
ROE 8.0% 4.5%

6. 投資プレイヤー的チェックポイント

旭化成の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。

見ておく数字 2026年3月期 どこに書いてある
セグメント別の営業利益 住宅998億円、ヘルスケア835億円、マテリアル683億円 決算短信(セグメント別概況)
マテリアルの動き(在庫受払差・定期修理) 減益 決算短信(セグメント別概況)
会社の業績予想 2027年3月期 売上高3兆2,540億円、営業利益2,480億円 決算短信のサマリー
配当 年42円、2027年3月期予想44円 決算短信

プレ男化学の会社だと思っていたら、住宅と医薬・医療機器も大きな柱なんだね。化学品の市況で利益が動くところも見ておこう

住宅と化学品をもつ会社は積水化学工業の強みとはも参考にしてください。

まとめ


参考文献

  1. 旭化成. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月12日). https://www2.jpx.co.jp/disc/34070/140120260511523883.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
  2. 東レ. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月13日). https://www.toray.co.jp/ir/pdf/fin/fin_a133.pdf (閲覧日:2026年10月12日)

この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。