積水化学工業の強みとは:ユニット住宅の住宅カンパニー、塩ビ管などの環境・ライフライン、合わせガラス用中間膜などの高機能プラスチックス、臨床検査薬などのメディカルの4事業。2026年3月期は売上高1兆3,093億円で過去最高、営業利益1,065億円(−1.4%)。ペロブスカイト太陽電池の事業化も開始
積水化学工業を、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月28日、東証の適時開示)で分析しました。売上高1兆3,093億円(+0.9%、過去最高)、営業利益1,065億円(−1.4%、営業利益率8.1%)、経常利益1,172億円(+5.6%、為替差益で過去最高)、親会社株主に帰属する当期純利益752億円(−8.2%、減損損失)、ROE9.1%、自己資本比率59.6%。セグメントの営業利益は、高機能プラスチックス593億円(−3.1%、半導体・ディスプレイ向けと高機能中間膜が伸びる一方で一時費用)、住宅371億円(+17.9%、集合住宅と高価格帯の戸建で棟単価が上昇、リフォームの伸長)、環境・ライフライン232億円(4期連続で過去最高)、メディカル111億円(−13.0%、米国の重点感染症検査キットの需要減)。フィルム型ペロブスカイト太陽電池は事業化を開始し、2027年度に100MWの生産ライン立ち上げを目指す。年80円の配当、2027年3月期は営業利益1,150億円・年81円の予想。旭化成との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男積水化学と積水ハウスって、同じ会社なの?

メル美決算短信はそれぞれ別に出しているよ(積水化学工業は証券コード4204)。積水化学の決算短信には、住宅のほかに、パイプや自動車のガラス用のフィルム、検査薬まで出てくるの
企業分析の連載、116社目は積水化学工業です。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月28日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載の旭化成の強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、積水化学工業株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。特定の住宅や製品をすすめるものでもありません。
1. ひとことで言うと
ユニット住宅などの住宅、塩化ビニル管などのインフラ資材、合わせガラス用中間膜や半導体材料などの高機能プラスチック、臨床検査薬などのメディカルの4つの事業をもつ会社
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 1兆3,093億円 | +0.9% |
| 営業利益 | 1,065億円 | −1.4% |
| 営業利益率 | 8.1% | 前期 8.3% |
| 経常利益 | 1,172億円 | +5.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 752億円 | −8.2% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 9.1% | 前期 10.2% |
| 自己資本比率 | 59.6% | 前期 60.7% |
| 配当 | 年80円(配当性向43.6%) | 前期 79円 |
- 売上高と経常利益(主に為替差益による)は過去最高です
- 営業利益は、EV市場の伸びの鈍化や、海外の重点感染症検査キットの需要減などで減りました。当期純利益は、主に減損損失で減りました
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 主な製品(決算短信の記載) | 売上高 | 営業利益 |
|---|---|---|---|
| 高機能プラスチックス | 合わせガラス用中間膜、液晶用微粒子、半導体材料、発泡ポリオレフィン、テープなど | 4,565億円(+2.1%) | 593億円(−3.1%) |
| 住宅 | ユニット住宅の製造・施工・販売、リフォーム、レジデンシャル | 5,362億円(+2.3%) | 371億円(+17.9%) |
| 環境・ライフライン | 塩化ビニル管・継手、管きょ更生、建材、合成木材など | 2,404億円(0.0%) | 232億円(+1.3%) |
| メディカル | 臨床検査薬、医薬品原薬・中間体など | 937億円(−5.5%) | 111億円(−13.0%) |
- 売上高は住宅、営業利益は高機能プラスチックスがいちばん大きい形です
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 半導体・自動車向けの高機能素材
- エレクトロニクス分野は、旺盛な半導体・ディスプレイの市況で需要を取り込み、モビリティ分野はヘッドアップディスプレイ用中間膜や航空機関連の需要で伸びました
② 住宅の高付加価値化
- 住宅は、売上棟数は減ったものの、集合住宅と高価格帯の戸建の拡大で棟単価が上がり、リフォームも伸びて、営業利益は+17.9%でした
③ 新しい太陽電池
- フィルム型ペロブスカイト太陽電池は、1メートル幅での製造技術や金属屋根向けの設置仕様を確立し、事業化(製品提供)を開始しました。2027年度の100MW生産ラインの立ち上げを最優先に取り組むとしています
4. 弱み・リスク
① 国内の住宅・建築市況
- 会社は、国内の住宅・非住宅市況の低迷が続いたとしています。住宅ローン金利の上昇や物価上昇の影響で、地方での受注の回復が鈍いとしています
② 一部の分野の需要減
- EV市場の伸びの鈍化、米国の重点感染症検査キットの需要減、中国の市況低迷が利益を押し下げました
③ 原材料の調達
- 会社は、中東情勢の悪化による原材料調達の影響を注視しているとしています
5. ライバルとの比較
住宅と化学の両方をもつ旭化成と比べます。どちらも日本基準・2026年3月期ですが、事業の中身が違うので、おおまかな比較です。
| 積水化学工業 | 旭化成 | |
|---|---|---|
| 売上高 | 1兆3,093億円(+0.9%) | 3兆745億円(+1.2%) |
| 営業利益 | 1,065億円(−1.4%) | 2,312億円(+9.1%) |
| 営業利益率 | 8.1% | 7.5% |
| ROE | 9.1% | 8.0% |
| 自己資本比率 | 59.6% | 50.5% |
- 規模は旭化成が大きく、利益率・ROE・自己資本比率は積水化学が少し上回ります(→旭化成の強みとは)。別の会社の積水ハウスの強みとは、テープ・フィルムの会社は日東電工の強みとはも
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
積水化学の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| セグメント別の営業利益 | 高機能プラスチックス593億円、住宅371億円など | 決算短信(事業セグメント別概況) |
| ペロブスカイト太陽電池の進み具合 | 事業化を開始、2027年度に100MWライン | 決算短信(今後の見通し) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上高1兆4,084億円、営業利益1,150億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年80円、2027年3月期予想81円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

メル美住宅だけじゃなく、半導体や車のフィルムで稼いでいるのね。新しい太陽電池の生産がどこまで進むかも見ておきたいな
住宅設備の会社はTOTOの強みとはとLIXILの強みとはも参考にしてください。
まとめ
- 積水化学は、住宅・環境・ライフライン・高機能プラスチックス・メディカルの4事業の会社
- 2026年3月期は売上高1兆3,093億円(過去最高)、営業利益1,065億円(−1.4%)
- 営業利益は高機能プラスチックス(593億円)がいちばん大きい
- 住宅は棟単価の上昇とリフォームで+17.9%
- フィルム型ペロブスカイト太陽電池の事業化を開始
参考文献
- 積水化学工業. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月28日). https://www2.jpx.co.jp/disc/42040/140120260427511507.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 旭化成. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月12日). https://www2.jpx.co.jp/disc/34070/140120260511523883.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。