LIXILの強みとは:トイレ・水栓金具などの水まわり(ウォーターテクノロジー)が事業利益の6割弱、窓などの住宅建材、キッチン・洗面も。2026年3月期は売上収益1兆5,107億円(+0.4%)・事業利益385億円(+22.9%)、ROE1.3%
LIXILを、2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月30日、東証の適時開示)で分析しました。売上収益1兆5,107億円(+0.4%)、事業利益385億円(+22.9%、事業利益率2.5%、販売価格の適正化・欧州の売上改善・構造改革のコスト削減)、営業利益284億円(−4.3%、追加の構造改革などのその他の費用)、親会社の所有者に帰属する当期利益81億円(前期の4.1倍)、ROE1.3%、親会社所有者帰属持分比率35.3%。セグメント(当期から3区分)の事業利益は、ウォーターテクノロジー454億円(+23.3%、国内のリフォームと欧州・中東の売上改善)、ハウジングテクノロジー267億円(+2.6%、窓の高断熱リフォーム)、リビング78億円(+8.5%)。米国の需要低迷と中国の不動産市況の低迷、新設住宅着工戸数の減少が逆風。年90円の配当(配当性向317.7%)、2027年3月期は売上収益1兆6,000億円・事業利益450億円・年90円の予想。TOTOとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男LIXILって、トイレも窓もつくっている会社だよね

メル美決算短信を見ると、利益がいちばん大きいのは水まわりの事業なんだって。海外でも売っているみたい
企業分析の連載、135社目はLIXILです。2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月30日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載のTOTOの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、LIXIL株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。特定の商品をすすめるものでもありません。
1. ひとことで言うと
衛生設備・水栓金具・バスルームなどの水まわり製品を日本と海外で売り、国内では窓などの住宅建材やキッチン・洗面も手がける会社
| 項目(IFRS・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 1兆5,107億円 | +0.4% |
| 事業利益(会社独自の指標) | 385億円 | +22.9% |
| 事業利益率 | 2.5% | 前期 2.1% |
| 営業利益 | 284億円 | −4.3% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 81億円 | 前期の4.1倍 |
| ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) | 1.3% | 前期 0.3% |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 35.3% | 前期 33.7% |
| 配当 | 年90円(配当性向317.7%) | 前期 90円 |
- 事業利益は、売上収益から売上原価と販売費及び一般管理費を引いた金額です
- 事業利益は、資材・エネルギー・部品の価格の高止まりがあった一方、販売価格の適正化、欧州を中心とした売上の改善、構造改革によるコスト削減で増えました
- 営業利益は、追加の構造改革などにともなうその他の費用が増えて、減りました
2. 何で稼いでいるか
当期から、報告セグメントを2つから3つに変えています(前期の数字も組み替えて比較)。
| セグメント | 中身(決算短信の記載) | 売上収益 | 事業利益 |
|---|---|---|---|
| ウォーターテクノロジー | 衛生設備、水栓金具、バスルームなど(日本と海外) | 8,111億円(+0.8%) | 454億円(+23.3%) |
| ハウジングテクノロジー | 窓などの住宅建材(主に国内) | 5,257億円(−0.3%) | 267億円(+2.6%) |
| リビング | キッチン、洗面、インテリア建材(主に国内) | 2,076億円(+1.0%) | 78億円(+8.5%) |
- セグメントの売上収益は取引消去前、事業利益は全社費用を引く前の数字です
- 3つのセグメントの事業利益の合計799億円のうち、ウォーターテクノロジーが約57%です(計算値)
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 国内のリフォーム需要
- 国内では、新築向けが伸び悩んだ一方、水まわり製品を中心としたリフォーム向けの売上が堅調でした。ハウジングテクノロジーでは、政府の補助金制度を背景に、窓を中心とした高断熱商品のリフォーム向け売上が堅調でした
② 海外の水まわり事業
- 海外では、水栓金具を含む大半の商品カテゴリーで売上が回復し、中東・インドでも堅調な需要が続きました
③ 構造改革と価格改定
- 価格改定とコストダウン、構造改革の効果で、3つのセグメントすべてが増益でした
4. 弱み・リスク
① 低い利益率とROE
- 事業利益率は2.5%、ROEは1.3%、配当性向は317.7%です(→配当方針の読み方)
② 新築住宅の減少
- 会社は、建築基準法などの改正(2025年4月)にともなう一時的な着工増の反動や住宅価格の高騰などで、新設住宅着工戸数が著しく減少したとしています
③ 米国と中国
- 米国では前年の浴槽事業の譲渡による売上減に加えリフォーム市場の需要が回復せず、中国では不動産市況の低迷が続きました
5. ライバルとの比較
水まわり製品のTOTOと比べます。会計基準(LIXILはIFRS、TOTOは日本基準)と事業の範囲が違うので、ここでは営業利益で並べたおおまかな比較です。
| LIXIL | TOTO | |
|---|---|---|
| 売上 | 1兆5,107億円(+0.4%) | 7,374億円(+1.8%) |
| 営業利益 | 284億円(−4.3%) | 538億円(+10.9%) |
| 営業利益率 | 1.9% | 7.3% |
| ROE | 1.3% | 7.7% |
- 売上はLIXILが約2倍ですが、利益はTOTOが上回ります。TOTOは半導体製造装置向けのセラミックが利益の半分超を占めます(→TOTOの強みとは)。住宅関連の製品をもつ会社は積水化学工業の強みとはも
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
LIXILの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 事業利益と営業利益の差 | 385億円と284億円 | 決算短信のサマリー |
| ウォーターテクノロジーの事業利益 | 454億円 | 決算短信(セグメント別の概況) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上収益1兆6,000億円、事業利益450億円、営業利益375億円 | 決算短信(次期の見通し) |
| 配当 | 年90円、2027年3月期予想90円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

メル美売上は大きいけど、利益率はまだ低いのね。構造改革で事業利益がどこまで増えるかを見ておきたいな
まとめ
- LIXILは、水まわり製品と住宅建材、キッチン・洗面の会社
- 2026年3月期は事業利益385億円(+22.9%)、営業利益は284億円(−4.3%)
- 事業利益の約57%がウォーターテクノロジー
- 国内のリフォームが堅調、新築と米国・中国が逆風
- 2027年3月期は事業利益450億円の予想
参考文献
- LIXIL. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月30日). https://www2.jpx.co.jp/disc/59380/140120260428513524.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- TOTO. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月30日). https://www2.jpx.co.jp/disc/53320/140120260430514673.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。