TOTOの強みとは:トイレ・ウォシュレットなどの住設が売上の9割、利益の半分超は半導体製造装置向けのセラミック(静電チャックなど)。2026年3月期は売上高7,374億円・営業利益538億円(+10.9%)。中国大陸事業は69億円の営業損失
TOTOを、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月30日、東証の適時開示)で分析しました。売上高7,374億円(+1.8%)、営業利益538億円(+10.9%、営業利益率7.3%)、経常利益607億円(+20.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益403億円(+230.8%、前期の減損損失341億円の反動)、ROE7.7%、自己資本比率63.8%。グローバル住設事業は売上高6,697億円・営業利益279億円で、日本住設203億円、アジア・オセアニア102億円、米州48億円、中国大陸は69億円の損失。新領域事業のセラミック(半導体製造装置向けの静電チャックなど)は売上高674億円(+34.0%)・営業利益289億円で、住設全体を上回る。年110円の配当、2027年3月期は売上高7,850億円・営業利益600億円(+11.6%)・年120円の予想。積水化学工業との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男TOTOって、トイレの会社だよね。ウォシュレットで稼いでいるの?

メル美決算短信を見ると、利益がいちばん大きいのは半導体の製造装置向けのセラミックなんだって!
企業分析の連載、134社目はTOTOです。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月30日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載の積水化学工業の強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、TOTO株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。特定の商品をすすめるものでもありません。
1. ひとことで言うと
トイレ・ウォシュレットなどの住宅設備(住設)を日本と海外で売り、半導体製造装置向けのセラミック部品もつくる会社
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 7,374億円 | +1.8% |
| 営業利益 | 538億円 | +10.9% |
| 営業利益率 | 7.3% | 前期 6.7% |
| 経常利益 | 607億円 | +20.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 403億円 | +230.8% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 7.7% | 前期 2.4% |
| 自己資本比率 | 63.8% | 前期 64.1% |
| 配当 | 年110円(配当性向45.3%) | 前期 100円 |
- 当期純利益が大きく増えたのは、前期に減損損失341億円を計上していた反動です(当期は16億円)
2. 何で稼いでいるか
| 事業 | 地域・中身 | 売上高 | 営業損益 |
|---|---|---|---|
| グローバル住設 | 日本・米州・アジア・オセアニア・欧州・中国大陸 | 6,697億円(−0.6%) | 279億円 |
| └ 日本住設 | 4,797億円(−0.3%) | 203億円 | |
| └ アジア・オセアニア | 549億円(+9.3%) | 102億円 | |
| └ 米州 | 756億円(+7.3%) | 48億円 | |
| └ 欧州 | 57億円(+16.3%) | −4億円 | |
| └ 中国大陸 | 539億円(−19.5%) | −69億円 | |
| 新領域(セラミック) | 半導体製造装置向けのセラミック製品(静電チャックなど) | 674億円(+34.0%) | 289億円 |
- 売上高の約9割が住設ですが、営業利益はセラミック(289億円)が住設全体(279億円)を上回りました
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 半導体向けのセラミック
- 半導体デバイスメーカーの既設工場での稼働率向上で交換需要が堅調で、半導体製造装置に採用されているセラミック製品の売上が拡大しました。会社は、静電チャックを中心に、世界的なAI需要の拡大で伸びが期待される半導体市場に注力するとしています
② アジア・オセアニアと米州
- アジア・オセアニアは営業利益102億円で、台湾などで高級ブランドとしての認知度を生かした事業をしています。米州は、ジョージア州の既存工場の敷地で供給体制を強化しています
③ 厚い財務
- 自己資本比率は63.8%です
4. 弱み・リスク
① 中国大陸事業の赤字
- 中国大陸事業は、売上高が19.5%減り、69億円の営業損失でした
② 日本住設のコスト
- 会社は、日本住設で各種コストアップなどの影響により営業利益が漸減傾向であることを構造的課題と認識しているとしています
③ 半導体市況への依存
- 利益の半分超がセラミックで、半導体の設備投資や工場の稼働の動きに左右されます
5. ライバルとの比較
住宅関連の製品も手がける積水化学工業と並べます。どちらも日本基準・2026年3月期ですが、製品はまったく違うので、おおまかな比較です。
| TOTO | 積水化学工業 | |
|---|---|---|
| 売上高 | 7,374億円(+1.8%) | 1兆3,093億円(+0.9%) |
| 営業利益 | 538億円(+10.9%) | 1,065億円(−1.4%) |
| 営業利益率 | 7.3% | 8.1% |
| ROE | 7.7% | 9.1% |
| 自己資本比率 | 63.8% | 59.6% |
- どちらも、住宅関連と半導体関連の素材の両方をもつのが特徴です(→積水化学工業の強みとは)。半導体製造装置の会社は東京エレクトロンの強みとは、基板の会社はイビデンの強みとはも
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
TOTOの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| セラミックの売上高・営業利益 | 674億円・289億円 | 決算短信(新領域事業) |
| 中国大陸事業の損益 | −69億円 | 決算短信(海外住設事業) |
| 日本住設の営業利益 | 203億円 | 決算短信(日本住設事業) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上高7,850億円、営業利益600億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年110円、2027年3月期予想120円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

プレ男トイレの会社なのに、半導体向けのセラミックで住設全体より稼いでいるんだね。中国の赤字がどうなるかも見ておこう
給湯器などの会社はリンナイの強みとはも参考にしてください。
まとめ
- TOTOは、住宅設備(住設)と半導体製造装置向けのセラミックの会社
- 2026年3月期は営業利益538億円(+10.9%)
- 売上の約9割は住設、営業利益はセラミック(289億円)が住設(279億円)を上回る
- 中国大陸事業は69億円の営業損失
- 2027年3月期は営業利益600億円(+11.6%)の予想
参考文献
- TOTO. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月30日). https://www2.jpx.co.jp/disc/53320/140120260430514673.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 積水化学工業. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月28日). https://www2.jpx.co.jp/disc/42040/140120260427511507.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。