企業分析2026年10月10日

HOYAの強みとは:メガネ・コンタクトレンズ・内視鏡の「ライフケア」と、半導体用マスクブランクス・HDD用ガラスの「情報・通信」。2026年3月期は売上収益9,477億円・税引前利益3,277億円(+26.0%)。売上は6割がライフケア、利益は6割が情報・通信

HOYAを、2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月30日)で分析しました。売上収益9,477億円(+9.4%)、税引前利益3,277億円(+26.0%、売上収益税引前利益率34.6%)、親会社の所有者に帰属する当期利益2,531億円(+25.2%)、ROE25.4%。ライフケア(メガネレンズ、コンタクトレンズ、内視鏡、眼内レンズなど)は売上収益5,907億円・セグメント利益1,295億円、情報・通信(半導体用マスクブランクス、FPD用フォトマスク、HDD用ガラスサブストレート、レンズなど)は3,548億円・1,923億円。マスクブランクスはEUV向け先端品などで大幅増収。中国の眼内レンズ合弁の買い取り額の見直しで一過性の収益も。年間配当295円。業績予想は通期を出さない方針。信越化学との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

目次
  1. 1. ひとことで言うと
  2. 2. 何で稼いでいるか
  3. 3. 強み
  4. 4. 弱み・リスク
  5. 5. ライバルとの比較
  6. 6. 投資プレイヤー的チェックポイント
  7. まとめ

メル美HOYAって、コンタクトレンズのお店の会社だよね?

プレ男半導体の材料もつくってるって聞いたよ。メガネと半導体って、全然ちがう気がするけど…

企業分析の連載、19社目はHOYAです。2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月30日)で確認しました。比較には、この連載の信越化学工業の強みとはで確認した信越化学の2026年3月期決算短信の数字を使っています。

この記事は会社のしくみと数字の解説で、HOYA株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

1. ひとことで言うと

ガラスと光学の技術で、メガネ・コンタクトレンズ・医療機器と、半導体やHDDの部材をつくる会社

項目(IFRS・連結) 2026年3月期 前期比
売上収益 9,477億円 +9.4%
税引前利益 3,277億円 +26.0%
売上収益税引前利益率 34.6% 前期 30.0%
親会社の所有者に帰属する当期利益 2,531億円 +25.2%
ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) 25.4% 前期 20.8%
親会社所有者帰属持分比率 78.4% 前期 78.9%
配当 年295円(配当性向39.7%) 前期 160円

2. 何で稼いでいるか

セグメント 主な製品 売上収益 セグメント利益(税引前) 利益率
ライフケア メガネレンズ、コンタクトレンズ(ヘルスケア)/内視鏡、眼内レンズ、人工骨など(メディカル) 5,907億円(+7.2%) 1,295億円(+43.3%) 21.9%
情報・通信 半導体用マスクブランクス・フォトマスク、FPD用フォトマスク、HDD用ガラスサブストレート(エレクトロニクス)/カメラ用レンズなど(映像) 3,548億円(+14.0%) 1,923億円(+12.9%) 54.2%

3. 強み

会社の資料で確かめられる事実から、強みと考えられる点を挙げます。

① 半導体の先端部材

② 景気に左右されにくいライフケア

③ 高い資本効率と財務

4. 弱み・リスク

① 一過性の利益

② 半導体・データセンターへの依存

③ 業績予想を通期で出さない

④ 特定顧客

5. ライバルとの比較

半導体用マスクブランクスでは、信越化学工業も製品を持っています。信越化学はマスクブランクスを含む「電子材料」でしか数字を出していないので、事業の範囲がちがうおおまかな比較です。

HOYA 情報・通信(IFRS) 信越化学 電子材料(日本基準)
売上 3,548億円(+14.0%) 1兆157億円(+9%)
利益 1,923億円(税引前のセグメント利益) 3,445億円(営業利益)
主な製品 マスクブランクス、フォトマスク、HDD用ガラス、レンズ シリコンウエハー、フォトレジスト、マスクブランクスなど

6. 投資プレイヤー的チェックポイント

HOYAの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。

見ておく数字 2026年3月期 どこに書いてある
情報・通信のセグメント利益 1,923億円(+12.9%) 決算短信(セグメント情報)
ライフケアのセグメント利益 1,295億円(+43.3%、一過性の収益を含む) 決算短信(セグメント情報)
製品群別の売上(エレクトロニクス・映像・ヘルスケア・メディカル) エレクトロニクス2,958億円 決算短信
業績予想 第1四半期に上半期分、第3四半期に通期分 決算短信
配当 年295円(配当性向39.7%) 決算短信

プレ男メガネと半導体、どっちもガラスと光の技術なんだ。売上はメガネ側、利益は半導体側っていうのが面白い

医療機器メーカーはテルモの強みとはとオリンパスの強みとはも参考にしてください。

まとめ


参考文献

  1. HOYA. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月30日). https://ssl4.eir-parts.net/doc/7741/tdnet/2797235/00.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
  2. 信越化学工業. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月28日). https://www.shinetsu.co.jp/wp-content/uploads/2025/07/20260428_con_J.pdf (閲覧日:2026年10月10日)

この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。