企業分析2026年10月10日

テルモの強みとは:カテーテルなどの「心臓血管」、病院・薬剤向けの「メディカルケアソリューションズ」、採血・血漿採取の「血液・細胞テクノロジー」の医療機器メーカー。2026年3月期は売上収益1兆1,319億円(+9.2%)、海外が8割。臓器保存のOrganOx社を約2,306億円で買収

テルモを、2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月15日)で分析しました。売上収益1兆1,319億円(+9.2%)、営業利益1,763億円(+11.8%)、会社が重視する調整後営業利益2,194億円(+7.8%)、親会社の所有者に帰属する当期利益1,359億円(+16.2%)、ROE9.2%。セグメントの調整後営業利益は、心臓血管1,640億円(売上収益6,764億円、インターベンショナルシステムズ事業が中心)、血液・細胞テクノロジー336億円(北米の血漿イノベーションビジネスで+15.4%の増収)、メディカルケアソリューションズ216億円、オーガンテクノロジーズ17億円。地域別の売上収益は海外9,093億円(米州4,434億円)、日本2,226億円。米国の関税政策の影響も。2025年10月に臓器保存デバイスのOrganOx社を取得対価約2,306億円で完全子会社化。年30円の配当、2027年3月期は調整後営業利益2,615億円・年36円の予想。HOYAとの比較と、見ておくべき数字も。医療機器の効果を説明する記事ではなく、売買をすすめるものでもありません。

目次
  1. 1. ひとことで言うと
  2. 2. 何で稼いでいるか
  3. 3. 強み
  4. 4. 弱み・リスク
  5. 5. ライバルとの比較
  6. 6. 投資プレイヤー的チェックポイント
  7. まとめ

プレ男テルモって、どうやって1兆円も売り上げているの?

メル美病院で使うカテーテルや、献血の機械もつくってるらしいよ。しかも海外の売上が多いんだって

企業分析の連載、73社目はテルモです。2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月15日)で確認しました。比較には、この連載のHOYAの強みとはで確認したHOYAの数字を使っています。

この記事は会社のしくみと数字の解説で、テルモ株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。医療機器の効果や使い方を説明する記事でもありません。

1. ひとことで言うと

カテーテルなどの心臓・血管の医療機器、病院・薬剤向けの製品、採血・血漿採取などの機器を、世界で売る医療機器メーカー

項目(IFRS・連結) 2026年3月期 前期比
売上収益 1兆1,319億円 +9.2%
営業利益 1,763億円 +11.8%
調整後営業利益(会社が重視する指標) 2,194億円 +7.8%
親会社の所有者に帰属する当期利益 1,359億円 +16.2%
ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) 9.2% 前期 8.7%
親会社所有者帰属持分比率 68.5% 前期 74.8%
配当 年30円(配当性向32.6%) 前期 26円

2. 何で稼いでいるか

セグメント 主な製品(決算短信の記載から) 売上収益 調整後営業利益
心臓血管 血管造影用ガイドワイヤー・カテーテル、PTCA用バルーンカテーテルなど 6,764億円(+8.3%) 1,640億円
血液・細胞テクノロジー 採血関連製品、血漿採取(グローバルブラッドソリューション) 2,310億円(+15.4%) 336億円
メディカルケアソリューションズ 病院向け(ホスピタルケア)、薬剤向け(ファーマシューティカル) 2,161億円(+2.3%) 216億円
オーガンテクノロジーズ 臓器保存デバイス(OrganOx社) 80億円 17億円

地域別の売上収益

地域 売上収益 伸び率
米州 4,434億円 +12.1%
欧州 2,427億円 +11.2%
アジア他 1,319億円 +9.9%
中国 913億円 +7.5%
日本 2,226億円 +2.5%

3. 強み

会社の資料で確かめられる事実から、強みと考えられる点を挙げます。

① 心臓血管(カテーテル治療の機器)

② 血漿の事業

③ 新しい分野への投資

4. 弱み・リスク

① 米国の関税

② 買収による借入と償却

③ 日本の伸び

5. ライバルとの比較

医療機器も手がけるHOYAと比べます。どちらもIFRS・2026年3月期ですが、事業の中身と利益の指標が違うので、おおまかな比較です。

テルモ HOYA
売上収益 1兆1,319億円(+9.2%) 9,477億円(+9.4%)
利益 営業利益1,763億円(15.6%) 税引前利益3,277億円(34.6%)
親会社の所有者に帰属する当期利益 1,359億円 2,531億円
ROE 9.2% 25.4%

6. 投資プレイヤー的チェックポイント

テルモの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。

見ておく数字 2026年3月期 どこに書いてある
調整後営業利益 2,194億円 決算短信のサマリー
心臓血管の売上収益・利益 6,764億円・1,640億円 決算短信(セグメント)
米州の売上収益 4,434億円 決算短信(地域別)
会社の業績予想 2027年3月期 売上収益1兆2,390億円、調整後営業利益2,615億円 決算短信のサマリー
配当 年30円、2027年3月期予想36円 決算短信

メル美稼ぎの中心は海外のカテーテルの機器なのね。大きな買収や関税の影響も見ておきたいな

まとめ


参考文献

  1. テルモ. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月15日). https://www.terumo.co.jp/system/files/document/2026-05/FinancialResults_26Q4_J.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
  2. HOYA. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月30日). https://ssl4.eir-parts.net/doc/7741/tdnet/2797235/00.pdf (閲覧日:2026年10月10日)

この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。