企業分析2026年10月10日

富士フイルムホールディングスの強みとは:医療機器・バイオ医薬品の受託製造(ヘルスケア)、半導体材料(エレクトロニクス)、複合機(ビジネスイノベーション)、「instax“チェキ”」(イメージング)の4本柱。2026年3月期は売上高3兆3,570億円・営業利益3,502億円

富士フイルムホールディングスを、2026年3月期 決算短信〔米国基準〕(連結)(2026年5月12日)で分析しました。売上高3兆3,570億円(+5.0%)、営業利益3,502億円(+6.1%、営業利益率10.4%)、当社株主に帰属する当期純利益2,767億円(+6.0%)、ROE7.7%、株主資本比率63.4%。部門別の営業利益は、イメージング1,600億円(+14.9%、累計販売台数1億台を突破したinstax“チェキ”とデジタルカメラ)、エレクトロニクス1,009億円(+34.4%、AI半導体向けの半導体材料)、ビジネスイノベーション637億円(−14.6%)、ヘルスケア636億円(−20.3%、売上はバイオCDMOのデンマーク拠点などで増加)。米国ノースカロライナ州に大型のバイオ医薬品CDMO工場を開設。年70円の配当、2027年3月期は営業利益3,650億円・年75円の予想。キヤノンとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

目次
  1. 1. ひとことで言うと
  2. 2. 何で稼いでいるか
  3. 3. 強み
  4. 4. 弱み・リスク
  5. 5. ライバルとの比較
  6. 6. 投資プレイヤー的チェックポイント
  7. まとめ

メル美チェキ、友だちと撮るのに使ってるよ! 富士フイルムって、まだ写真の会社なの?

プレ男半導体の材料や、薬をつくる工場もやってるって聞いたよ。全然イメージが違う!

企業分析の連載、64社目は富士フイルムホールディングスです。2026年3月期 決算短信〔米国基準〕(連結)(2026年5月12日)で確認しました。比較には、この連載のキヤノンの強みとはで確認したキヤノンの数字を使っています。

この記事は会社のしくみと数字の解説で、富士フイルムホールディングス株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。医療機器や医薬品の効果を説明する記事でもありません。

1. ひとことで言うと

医療機器やバイオ医薬品の受託製造、半導体材料、複合機、カメラ・チェキなどを手がける会社

項目(米国基準・連結) 2026年3月期 前期比
売上高 3兆3,570億円 +5.0%
営業利益 3,502億円 +6.1%
営業利益率 10.4% 前期 10.3%
当社株主に帰属する当期純利益 2,767億円 +6.0%
ROE(株主資本当社株主に帰属する当期純利益率) 7.7% 前期 8.0%
株主資本比率 63.4% 前期 63.8%
配当 年70円(配当性向30.5%) 前期 65円

2. 何で稼いでいるか

部門 中身(決算短信の記載から) 売上高 営業利益
イメージング instax“チェキ”、デジタルカメラ 6,271億円(+15.7%) 1,600億円(+14.9%)
エレクトロニクス 半導体材料など 4,562億円(+11.9%) 1,009億円(+34.4%)
ビジネスイノベーション 複合機、DXソリューション 1兆1,748億円(−2.0%) 637億円(−14.6%)
ヘルスケア 医療機器(メディカルシステム)、バイオCDMOなど 1兆989億円(+4.9%) 636億円(−20.3%)

3. 強み

会社の資料で確かめられる事実から、強みと考えられる点を挙げます。

① チェキとカメラ

② AI半導体向けの材料

③ バイオCDMOへの投資

4. 弱み・リスク

① ヘルスケアの減益

② ビジネスイノベーションの減収減益

③ 大きな投資

5. ライバルとの比較

カメラ・複合機・医療機器を持つキヤノンと比べます。決算期(キヤノンは12月期)が違うので、おおまかな比較です。どちらも米国基準です。

富士フイルムHD(2026年3月期) キヤノン(2025年12月期)
売上高 3兆3,570億円(+5.0%) 4兆6,247億円(+2.5%)
営業利益 3,502億円(+6.1%) 4,554億円(+62.8%)
営業利益率 10.4% 9.8%
当社株主に帰属する当期純利益 2,767億円 3,321億円

6. 投資プレイヤー的チェックポイント

富士フイルムHDの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。

見ておく数字 2026年3月期 どこに書いてある
部門別の営業利益 イメージング1,600億円、エレクトロニクス1,009億円など 決算短信(経営成績)
ヘルスケアの営業利益 636億円 決算短信
投資キャッシュ・フロー −5,546億円 決算短信のサマリー
会社の業績予想 2027年3月期 売上高3兆4,700億円、営業利益3,650億円 決算短信のサマリー
配当 年70円、2027年3月期予想75円 決算短信

メル美チェキがいちばん稼いでいる部門なのはびっくり! 半導体材料や薬の受託製造も伸ばしているのね

印刷から半導体材料などに広げた会社は大日本印刷(DNP)の強みとはへ。

まとめ


参考文献

  1. 富士フイルムホールディングス. 2026年3月期 決算短信〔米国基準〕(連結)(2026年5月12日). https://ir.fujifilm.com/ja/investors/ir-news/auto_20260508520206/pdfFile.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
  2. キヤノン. 2025年12月期 決算短信〔米国基準〕(連結)(2026年1月29日). https://global.canon/ja/ir/results/2025/rslt2025j.pdf (閲覧日:2026年10月10日)

この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。