SUMCOの強みとは:半導体の材料「シリコンウェーハ」だけの会社。2025年12月期はAI向けの先端品が好調な一方、ほかは在庫調整が続き、営業利益13億円(−96.4%)、当期純損失118億円。業績予想は次の四半期だけ
SUMCOを、2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年2月10日、東証の適時開示)で分析しました。高純度シリコン事業の単一セグメント。売上高4,097億円(+3.3%)、営業利益13億円(−96.4%)、経常損失39億円、親会社株主に帰属する当期純損失118億円、ROE−2.0%、自己資本比率51.3%。半導体市場はAI用データセンター向けが伸びる一方、民生・産業・自動車向けは伸び悩む「二極化」。300mmの先端品は強い需要、それ以外は在庫調整、200mm以下は低調。先端300mmの増産投資で減価償却費は1,157億円。営業キャッシュ・フロー1,000億円、設備投資の支出1,110億円。配当は年20円、2026年12月期の配当は未定。業績予想は翌四半期だけを開示する方針。信越化学工業との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男AIで半導体が好調なら、材料の会社ももうかっているんじゃない?

メル美SUMCOの決算短信だと、AI向けの先端品は強いけど、ほかの用途は在庫調整で、2025年は赤字だったんだって
企業分析の連載、231社目はSUMCOです。2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年2月10日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載の信越化学工業の強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、SUMCO株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
半導体の材料になる「シリコンウェーハ」をつくる会社。事業は「高純度シリコン事業」のひとつだけ
| 項目(日本基準・連結) | 2025年12月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 4,097億円 | +3.3% |
| 営業利益 | 13億円 | −96.4% |
| 営業利益率 | 0.3% | 前期 9.3% |
| 経常利益 | −39億円(損失) | 前期 375億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | −118億円(損失) | 前期 199億円 |
| ROE(自己資本当期純利益率) | −2.0% | 前期 3.4% |
| 自己資本比率 | 51.3% | 前期 50.5% |
| 配当 | 年20円 | 前期 21円 |
- 売上高は増えましたが、減価償却費の負担が増え、営業利益は大きく減りました
- 2026年12月期の配当は未定です
2. 何で稼いでいるか
事業は高純度シリコン事業の単一セグメントです。決算短信では、製品の大きさ(直径)ごとに次のように説明しています。
| 製品 | 2025年12月期の動き(決算短信の記載) |
|---|---|
| 300mm 先端品 | AI用半導体の増産で強い需要が続いた |
| 300mm 先端品以外 | 顧客の在庫調整の影響で、ゆるやかな回復にとどまった |
| 200mm以下 | 1年を通じて低調な出荷が続いた |
- 半導体市場は、AI用データセンター向けが大きく伸びる一方、民生・産業・自動車向けは伸び悩む「二極化」が続いたとしています
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 先端品の高いシェアを保つ取り組み
- 顧客の高精度化の求めや製品の差別化に対応する技術開発で、先端品の高シェアの維持に努めているとしています
② お金を生む力
- 赤字でも、営業活動によるキャッシュ・フローは1,000億円でした。主な要因は減価償却費(1,157億円)です
③ 財務
- 自己資本比率は51.3%です
4. 弱み・リスク
① 減価償却費の重さ
- 先端300mmの生産能力を増やす設備投資で、減価償却費の負担が増えました。2025年12月期の有形・無形固定資産の取得による支出は1,110億円です
② 先端品以外の需要
- 先端品以外の300mmと200mm以下は需要が弱く、会社は200mm以下の生産体制の再編を進めています
③ 見通しが短い
- 半導体業界は事業環境が短期間で大きく変わるとして、翌四半期の業績予想だけを開示しています。決算短信の時点の2026年1〜3月期の予想は、売上高1,000億円、営業損失60億円、純損失100億円でした
5. ライバルとの比較
シリコンウエハーも手がける信越化学工業と並べます。信越化学は塩化ビニルなども手がけるので、会社全体の数字のおおまかな比較です。決算期も違います。
| SUMCO(2025年12月期) | 信越化学工業(2026年3月期) | |
|---|---|---|
| 売上高 | 4,097億円(+3.3%) | 2兆5,739億円(+0.5%) |
| 営業利益 | 13億円(−96.4%) | 6,352億円(−14.4%) |
| 営業利益率 | 0.3% | 24.7% |
| ROE | −2.0% | 10.4% |
| 自己資本比率 | 51.3% | 78.7% |
- 信越化学のシリコンウエハーを含む電子材料セグメントは、営業利益3,445億円でした(→信越化学工業の強みとは)。半導体の製造装置の会社は東京エレクトロンの強みとはも
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
SUMCOの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2025年12月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 300mm・200mm以下の需要の説明 | 先端品は強い、ほかは在庫調整・低調 | 決算短信(経営成績の概況) |
| 営業利益 | 13億円 | 決算短信のサマリー |
| 減価償却費 | 1,157億円 | 決算短信(キャッシュ・フロー) |
| 設備投資の支出 | 1,110億円 | 決算短信(キャッシュ・フロー) |
| 会社の業績予想 | 翌四半期だけ(2026年1〜3月期は営業損失60億円の予想) | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

メル美AIの半導体が好調でも、ウェーハの会社の全部がもうかるわけじゃないのね。先端品以外の需要の戻りを見ておきたいな
まとめ
- SUMCOは、半導体の材料シリコンウェーハだけの会社
- 2025年12月期は営業利益13億円(−96.4%)、純損失118億円
- AI向けの300mm先端品は強い、ほかは在庫調整・低調の二極化
- 増産投資で減価償却費が重い
- 業績予想は翌四半期だけ、2026年12月期の配当は未定
参考文献
- SUMCO. 2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年2月10日). https://www2.jpx.co.jp/disc/34360/140120260202545202.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 信越化学工業. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月28日). https://www.shinetsu.co.jp/wp-content/uploads/2025/07/20260428_con_J.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。