アドバンテストの強みとは:できあがった半導体が正しく動くかを調べる「テスタ」の会社。AI向けの高性能半導体の需要で、2026年3月期は売上高1兆1,286億円(+44.7%)・営業利益4,991億円(+118.8%)、営業利益率44.2%。海外売上は97.8%
アドバンテストを、2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月27日)で分析しました。売上高1兆1,286億円(+44.7%)、営業利益4,991億円(+118.8%、営業利益率44.2%)、当期利益3,754億円(+132.9%)、ROE57.6%で、いずれも過去最高。テストシステム事業(SoCテストシステム、メモリテストシステム)は売上高1兆194億円・セグメント利益5,188億円で、データセンター向けのHPCデバイスやAI関連半導体向けのテスタが大幅に伸びました。自動車・産業機器向けなど成熟半導体向けは軟調。海外売上比率97.8%で、顧客の所在地ではアジア(台湾・中国・韓国など)が約92%。自己株式の取得に1,143億円。2027年3月期は売上高1兆4,200億円・営業利益6,275億円の予想。米テラダインとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

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プレ男半導体を「テストする機械」らしいよ。AIのブームと関係あるのかな
企業分析の連載、33社目はアドバンテストです。2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月27日)で確認しました。比較には、米国の半導体テスタ大手テラダインの2025年の決算発表を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、アドバンテスト株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
できあがった半導体が設計どおりに動くかを調べる装置「半導体テスタ」をつくり、世界の半導体メーカーに売る会社
| 項目(IFRS・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 1兆1,286億円 | +44.7% |
| 営業利益 | 4,991億円 | +118.8% |
| 営業利益率 | 44.2% | 前期 29.3% |
| 当期利益 | 3,754億円 | +132.9% |
| ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) | 57.6% | 前期 34.4% |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 67.9% | 前期 59.3% |
| 配当 | 年59円(配当性向11.5%) | 前期 39円 |
- 売上高・利益とも過去最高です。営業利益の伸びは、増収に加え、高収益の製品の販売比率が上がったためとしています
2. 何で稼いでいるか
2026年3月期から、セグメントは2つになりました。
| セグメント | 中身 | 売上高 | セグメント利益 |
|---|---|---|---|
| テストシステム | SoCテストシステム、メモリテストシステム | 1兆194億円(+49.3%) | 5,188億円(+97.9%) |
| サービス他 | サポート・サービス、テスト用インタフェースボードなどの消耗品 | 1,092億円(+12.7%) | 88億円(前期 −161億円) |
| 地域(顧客の所在地) | 売上高 | 割合 |
|---|---|---|
| アジア(台湾・中国・韓国・マレーシアなど) | 1兆359億円 | 約92% |
| 米州 | 445億円 | 約4% |
| 日本 | 251億円 | 約2% |
| 欧州 | 231億円 | 約2% |
- 海外売上比率は97.8%です
3. 強み
会社の資料で確かめられる事実から、強みと考えられる点を挙げます。
① AI向け半導体の需要
- データセンター向けのHPC(高性能計算)デバイスやAI関連半導体の需要の高まりで、高性能SoC向けのテスタが大幅に伸びました。会社は、半導体の複雑化や性能向上がテスタの需要を引っ張ったとしています
- メモリでも、高性能DRAM向けを中心に堅調でした
② 供給能力
- 顧客の旺盛な設備投資に応えるため、製品の供給能力を拡大し、タイムリーに納入したとしています
③ 高い利益率と株主還元
- 営業利益率44.2%、ROE57.6%。自己株式の取得に1,143億円を使い、期末の発行済株式数は7億6,614万株→7億3,200万株に減りました(→自社株買いのしくみ)
4. 弱み・リスク
① AI関連への依存
- 伸びの多くがAI関連です。会社も、自動車や産業機器などの成熟半導体向けは軟調だったとしています。AI投資のペースが変われば、需要も変わります
② アジアへの集中
- 売上の約92%がアジアで、特定の地域・顧客の設備投資の動きに左右されます
③ 半導体の波
- 半導体業界には需要の波があります(→東京エレクトロンの強みとは)
④ 中東情勢・為替
- 中東情勢では、物流コストなど一部のコスト増を見込むものの、直接的な影響は現時点では限定的としています。2027年3月期の前提は1ドル150円、1ユーロ170円です
5. ライバルとの比較
半導体テスタの大手、米国のテラダイン(Teradyne)と比べます。決算期(テラダインは12月期)・会計基準(米国基準)・通貨が違うので、おおまかな比較です。
| アドバンテスト(2026年3月期) | テラダイン(2025年12月期) | |
|---|---|---|
| 売上 | 1兆1,286億円(+44.7%) | 31.9億ドル(+13%) |
| 事業 | 半導体テスタが中心 | 半導体テスト、製品テスト、ロボティクス |
- テラダインも、2025年10〜12月期にAI関連の需要(コンピュート、ネットワーキング、メモリ)で伸びたとしています
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
アドバンテストの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| テストシステムの売上高・セグメント利益 | 1兆194億円・5,188億円 | 決算短信(セグメント) |
| 営業利益率 | 44.2% | 決算短信のサマリー |
| 地域別売上(アジアの割合) | 約92% | 決算短信(地域別売上高) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上高1兆4,200億円、営業利益6,275億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年59円(2027年3月期は未定) | 決算短信 |
- 会社は、暦年2026年の半導体テスタ市場は「過去最大の規模になる」と見込んでいます。見通しの前提が変わっていないかを四半期ごとに確かめます
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ。半導体の関連は東京エレクトロンの強みとは、村田製作所の強みとは

プレ男AIの半導体は複雑だから、テストも大変になる。だからテスタがたくさん売れたんだね。でも、その分AIの波に左右されやすい
半導体の露光装置もつくる会社はキヤノンの強みとはへ。
半導体の精密加工装置の会社はディスコの強みとはへ。
自動車・産業向けの半導体の会社はルネサスエレクトロニクスの強みとはへ。
半導体関連装置の会社はレーザーテックの強みとはも参考にしてください。
まとめ
- アドバンテストは、半導体テスタの会社
- 2026年3月期は売上高1兆1,286億円(+44.7%)、営業利益4,991億円(+118.8%)、営業利益率44.2%
- 伸びのもとはAI向けの高性能半導体(HPC・高性能DRAM)
- 売上の約92%がアジア、海外売上比率97.8%
- リスクはAI投資への依存、地域の集中、半導体の波
参考文献
- アドバンテスト. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月27日). https://www.advantest.com/ja/news/2026/a81o6o0000000heh-att/J_FR_FY2025_FN.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
- Teradyne. Teradyne Reports Fourth Quarter and Full Year 2025 Results. https://investors.teradyne.com/news-events/press-releases/detail/433/teradyne-reports-fourth-quarter-and-full-year-2025-results (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。