ディスコの強みとは:半導体向けの精密加工装置と、消耗品の精密加工ツール。2026年3月期は売上高4,369億円・営業利益1,850億円で、出荷額・売上高とも6期連続の過去最高。営業利益率42.3%
ディスコを、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月22日)で分析しました。出荷額4,428億円(+10.3%)、売上高4,369億円(+11.1%)、営業利益1,850億円(+10.9%、営業利益率42.3%)、親会社株主に帰属する当期純利益1,355億円(+9.4%)、ROE25.1%、自己資本比率78.9%。出荷額・売上高とも6期連続で過去最高。生成AIの需要拡大でデータセンタ向け投資が続き、先端ロジックやHBMなどの高性能半導体向けに精密加工装置の出荷が好調、消耗品の精密加工ツールも顧客の稼働率に連動して高水準。一方、パワー半導体向けはEV需要の鈍化で低調。顧客の所在地別の売上高は中国1,350億円、台湾1,174億円、日本456億円など。年505円の配当(2027年3月期の配当予想は未定)。会社は四半期ごとの業績予想だけを出しています。アドバンテストとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男ディスコって、踊る場所じゃなくて半導体の会社なんだって! 何をつくってるの?

メル美半導体の円い板を、小さなチップに切り分ける機械って聞いたことがあるよ
企業分析の連載、57社目はディスコです。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月22日)で確認しました。比較には、この連載のアドバンテストの強みとはで確認したアドバンテストの数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、ディスコ株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
半導体のウエーハを切ったり削ったり磨いたりする「精密加工装置」と、その刃などの消耗品「精密加工ツール」をつくる会社
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 出荷額 | 4,428億円 | +10.3% |
| 売上高 | 4,369億円 | +11.1% |
| 営業利益 | 1,850億円 | +10.9% |
| 営業利益率 | 42.3% | 前期 42.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,355億円 | +9.4% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 25.1% | 前期 27.6% |
| 自己資本比率 | 78.9% | 前期 75.1% |
| 配当 | 年505円(配当性向40.4%) | 前期 413円 |
- 出荷額・売上高とも6期連続で過去最高です
- 会社が目標の1つとする「4年累計経常利益率20%以上」は、41.4%で10期連続の達成としています
2. 何で稼いでいるか
- 事業は単一セグメントで、製品ごとの売上は決算短信には出ていません。顧客の所在地別の売上高(2026年3月期)は次のとおりです
| 地域 | 売上高 | 前期 |
|---|---|---|
| 中国 | 1,350億円 | 1,254億円 |
| 台湾 | 1,174億円 | 744億円 |
| 日本 | 456億円 | 410億円 |
| アジア(その他) | 441億円 | 339億円 |
| 米州 | 349億円 | 484億円 |
| 韓国 | 331億円 | 423億円 |
| 欧州 | 268億円 | 279億円 |
- 中国と台湾で全体の約6割です。台湾は約1.6倍に増えました
3. 強み
会社の資料で確かめられる事実から、強みと考えられる点を挙げます。
① 高性能半導体の需要
- 生成AIの需要拡大でデータセンタ向けの投資が続き、先端ロジックやHBM(高帯域幅メモリ)などの高性能半導体向けの需要が高い水準でした。精密加工装置は、高付加価値製品を中心に出荷が好調でした
② 消耗品で稼ぐ
- 消耗品の精密加工ツールの出荷も、顧客の設備の稼働率などに連動して高い水準でした。装置を売ったあとも、使うほど消耗品が売れるしくみです
③ 高い利益率と財務
- 営業利益率42.3%、ROE25.1%、自己資本比率78.9%です
4. 弱み・リスク
① 用途ごとの強弱
- パワー半導体向けは、EV需要の鈍化で低調でした
② 中国・台湾への集中
- 売上の約6割が中国と台湾です。地政学や輸出規制の影響を受ける可能性があります
③ 費用の増加
- 製品・用途の構成の変化によるわずかな粗利率の低下や、人件費・研究開発費の増加がありました
5. ライバルとの比較
同じく半導体の後工程にかかわる装置のアドバンテスト(半導体テスタ)と比べます。会計基準(アドバンテストはIFRS)と製品が違うので、おおまかな比較です。
| ディスコ(2026年3月期) | アドバンテスト(2026年3月期) | |
|---|---|---|
| 売上高 | 4,369億円(+11.1%) | 1兆1,286億円(+44.7%) |
| 営業利益 | 1,850億円(+10.9%) | 4,991億円(+118.8%) |
| 営業利益率 | 42.3% | 44.2% |
| ROE | 25.1% | 57.6% |
- どちらもAI向けの高性能半導体の需要で高い利益率です。2026年3月期は、アドバンテストのほうが大きく伸びました(→アドバンテストの強みとは)
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
ディスコの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 出荷額 | 4,428億円 | 決算短信(経営成績) |
| 顧客の所在地別の売上高 | 中国1,350億円、台湾1,174億円 | 決算短信(地域ごとの情報) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期第1四半期 売上高1,061億円、営業利益420億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年505円、2027年3月期は未定 | 決算短信 |
- 会社は四半期ごとの業績予想だけを出していて、通期の予想はありません。配当予想も未定です
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ。半導体の製造装置は東京エレクトロンの強みとは

プレ男装置を売るだけじゃなく、刃みたいな消耗品も売れ続けるんだね。AI向けの半導体が増えると、ディスコの出番も増えるのか
まとめ
- ディスコは、半導体の精密加工装置と精密加工ツール(消耗品)の会社
- 2026年3月期は売上高4,369億円、営業利益1,850億円、出荷額・売上高とも6期連続の過去最高
- 追い風は生成AI向けの高性能半導体(先端ロジック・HBM)
- 売上の約6割が中国・台湾、パワー半導体向けは低調
- 業績予想は四半期ごと、配当予想は未定
参考文献
- ディスコ. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月22日). https://www.disco.co.jp/jp/ir/library/doc/fr/fr20260422.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
- アドバンテスト. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月27日). https://www.advantest.com/ja/news/2026/a81o6o0000000heh-att/J_FR_FY2025_FN.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。