企業分析2026年10月12日

キッコーマンの強みとは:しょうゆを世界で売り、事業利益の8割超を海外で稼ぐ会社。2026年3月期は売上収益7,455億円(+5.2%)・事業利益795億円(+2.9%)。海外のしょうゆ製造・販売が409億円、東洋食品の卸売が307億円。米国第3工場は2026年秋に出荷開始予定

キッコーマンを、2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月24日)で分析しました。売上収益7,455億円(+5.2%)、会社が重視する事業利益795億円(+2.9%、事業利益率10.7%)、営業利益759億円(+3.0%)、親会社の所有者に帰属する当期利益616億円(−0.1%)、ROE11.5%、親会社所有者帰属持分比率74.6%。セグメントの事業利益は、海外 食料品製造・販売409億円(しょうゆ・デルモンテ、北米・欧州・アジアで売上増)、海外 食料品卸売307億円(東洋食品の仕入れ・販売)、国内 食料品製造・販売99億円(+15.9%、しょうゆ・つゆ・豆乳飲料など)、国内 その他16億円。事業利益の約86%が海外。北米では2026年秋に米国第3工場が出荷を開始する予定。年25円の配当、2027年3月期は売上収益7,991億円・事業利益823億円の予想。味の素との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

目次
  1. 1. ひとことで言うと
  2. 2. 何で稼いでいるか
  3. 3. 強み
  4. 4. 弱み・リスク
  5. 5. ライバルとの比較
  6. 6. 投資プレイヤー的チェックポイント
  7. まとめ

プレ男キッコーマンって、日本のしょうゆの会社だよね。日本で稼いでいるんでしょ?

メル美決算短信を見ると、利益の8割以上が海外なんだって。アメリカで3つ目の工場も動き出す予定よ

企業分析の連載、120社目はキッコーマンです。2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月24日)で確認しました。比較には、この連載の味の素の強みとはで確認した数字を使っています。

この記事は会社のしくみと数字の解説で、キッコーマン株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

1. ひとことで言うと

しょうゆ・つゆ・豆乳飲料などを国内外でつくって売り、海外では東洋食品の卸売も手がける会社

項目(IFRS・連結) 2026年3月期 前期比
売上収益 7,455億円 +5.2%
事業利益(会社が重視する指標) 795億円 +2.9%
事業利益率 10.7% 前期 10.9%
営業利益 759億円 +3.0%
親会社の所有者に帰属する当期利益 616億円 −0.1%
ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) 11.5% 前期 12.3%
親会社所有者帰属持分比率 74.6% 前期 74.8%
配当 年25円(配当性向37.9%) 前期 25円(特別配当2円を含む)

2. 何で稼いでいるか

セグメント 中身(決算短信の記載) 売上収益 事業利益
海外 食料品製造・販売 しょうゆ、デルモンテ(アジア・オセアニア)など 1,735億円(+3.8%) 409億円(+2.7%)
海外 食料品卸売 東洋食品などの仕入れ・販売 4,329億円(+6.2%) 307億円(+0.8%)
国内 食料品製造・販売 しょうゆ、つゆ・たれ、デルモンテ調味料・飲料、豆乳飲料など 1,601億円(+3.8%) 99億円(+15.9%)
国内 その他 臨床診断用酵素・衛生検査薬、ヒアルロン酸、不動産賃貸、運送など 218億円(+0.9%) 16億円(+38.8%)

3. 強み

会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。

① 世界でのしょうゆの販売

② 供給体制の拡大

③ 厚い財務

4. 弱み・リスク

① 国内のしょうゆ

② 為替

③ 当期利益の横ばい

5. ライバルとの比較

調味料・食品の大手、味の素と比べます。どちらもIFRS・2026年3月期です。

キッコーマン 味の素
売上収益 7,455億円(+5.2%) 1兆5,837億円(+3.5%)
事業利益 795億円(+2.9%) 1,811億円(+13.7%)
事業利益率 10.7% 11.4%

6. 投資プレイヤー的チェックポイント

キッコーマンの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。

見ておく数字 2026年3月期 どこに書いてある
海外 食料品製造・販売の事業利益 409億円 決算短信(セグメント)
海外 食料品卸売の事業利益 307億円 決算短信(セグメント)
米国第3工場の稼働 2026年秋に出荷開始予定 決算短信(今後の見通し)
会社の業績予想 2027年3月期 売上収益7,991億円、事業利益823億円 決算短信のサマリー
配当 年25円、2027年3月期予想25円 決算短信

プレ男日本のしょうゆの会社だと思っていたら、利益の8割以上が海外なんだね。為替と、アメリカの新しい工場の動きを見ておこう

即席麺やマヨネーズの会社は東洋水産の強みとはとキユーピーの強みとはも参考にしてください。

海外で日本食材を売る会社は宝ホールディングスの強みとはも参考にしてください。

トマト加工の会社はカゴメの強みとはも参考にしてください。

まとめ


参考文献

  1. キッコーマン. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月24日). https://www.kikkoman.com/jp/ir/assets/tan202603.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
  2. 味の素. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月7日). https://news.ajinomoto.co.jp/2026/05/2026_05_07_03.pdf (閲覧日:2026年10月12日)

この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。