カゴメの強みとは:国内の飲料・調味料と、海外のトマトペースト・ピザソースなどのトマト加工の会社。2025年12月期はトマトペーストの市況下落で国際事業が減益、事業利益227億円(−16.2%)
カゴメを、2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月2日、東証の適時開示)で分析しました。売上収益2,943億円(−4.1%)、事業利益227億円(−16.2%、会社の指標)、営業利益226億円(−37.5%、前期のIngomar子会社化の段階取得差益93億円の反動)、親会社の所有者に帰属する当期利益148億円(−40.8%)、ROE7.9%、親会社所有者帰属持分比率50.7%。国内加工食品事業は売上収益1,573億円(+1.0%)・事業利益155億円(前年並み、製造費用の上昇)、国際事業は1,298億円(−13.0%)・93億円(−33.4%、トマトペーストの国際市況の下落と製造工程の不具合)。年48円の配当(配当性向29.7%)、2026年12月期は売上収益3,100億円・事業利益230億円・年58円の予想。キッコーマンとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

メル美カゴメって、トマトジュースや野菜ジュースの会社だよね

プレ男決算短信だと、海外でトマトペーストやピザソースもつくっていて、売上の4割以上が海外の事業なんだって
企業分析の連載、263社目はカゴメです。2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月2日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載のキッコーマンの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、カゴメ株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。特定の商品をすすめるものではなく、食品の健康効果についてはふれません。
1. ひとことで言うと
国内で飲料・調味料などをつくって売る「国内加工食品事業」と、海外でトマトペーストやピザソースなどのトマト加工品をつくる「国際事業」の会社
| 項目(IFRS・連結) | 2025年12月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 2,943億円 | −4.1% |
| 事業利益(会社の指標) | 227億円 | −16.2% |
| 事業利益率 | 7.7% | 前期 8.8% |
| 営業利益 | 226億円 | −37.5% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 148億円 | −40.8% |
| ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) | 7.9% | 前期 15.7% |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 50.7% | 前期 51.3% |
| 配当 | 年48円(配当性向29.7%) | 前期 57円(記念配当10円を含む) |
- 事業利益は、売上収益から売上原価と販売費・一般管理費を引き、持分法の損益を加えた、会社独自の利益の指標です
- 営業利益の大きな減少は、前期にIngomar Packing Companyを子会社にしたときの段階取得に係る差益(93億円)があった反動です
2. 何で稼いでいるか
| セグメント・カテゴリー | 売上収益 | 事業利益 |
|---|---|---|
| 国内加工食品事業 | 1,573億円(+1.0%) | 155億円(−0.4%) |
| うち飲料 | 842億円 | 86億円 |
| うち食品他 | 591億円 | 59億円 |
| うち通販 | 140億円 | 10億円 |
| 国際事業 | 1,298億円(−13.0%) | 93億円(−33.4%) |
| うちトマト他一次加工(ペーストなど) | 696億円 | 54億円 |
| うちトマト他二次加工(ピザソースなど) | 636億円 | 44億円 |
| その他(国内農事業、種苗、不動産など) | 224億円 | 5億円 |
- 国内加工食品は、植物性ミルクなどの新しい領域と各カテゴリーの需要拡大で増収、事業利益は製造費用の上昇で前年並みでした
- 国際事業は、トマトペーストの国際的な市況の下落による販売価格の引き下げや、製造工程の不具合などで減収減益でした
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 国内の飲料・調味料
- 国内加工食品事業は、事業利益155億円で、会社のいちばん大きな稼ぎです
② トマトの一次加工から二次加工まで
- 海外では、農作物を加工したペーストなどの一次加工から、調味料を加えたピザソースなどの二次加工まで手がけています
③ 財務
- 親会社所有者帰属持分比率は50.7%です
4. 弱み・リスク
① トマトペーストの市況
- 2025年12月期は、トマトペーストの国際的な市況が下がり、販売価格を引き下げたことなどで、一次加工の事業利益が−36.0%でした
② 製造費用の上昇
- 国内では、原材料などの製造費用の上昇が続いています
③ 借入の増加
- 資金需要の高まりで、借入金が増えました
5. ライバルとの比較
食品のキッコーマンと並べます。決算期が違うので、おおまかな比較です。どちらもIFRSで、会社独自の「事業利益」を使っています。
| カゴメ(2025年12月期) | キッコーマン(2026年3月期) | |
|---|---|---|
| 売上収益 | 2,943億円(−4.1%) | 7,455億円(+5.2%) |
| 事業利益 | 227億円(−16.2%) | 795億円(+2.9%) |
| 事業利益率 | 7.7% | 10.7% |
| ROE | 7.9% | 11.5% |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 50.7% | 74.6% |
- キッコーマンのくわしい中身はキッコーマンの強みとは、カレーなどの食品はハウス食品グループ本社の強みとはへ
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
カゴメの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2025年12月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 国内加工食品事業の事業利益 | 155億円 | 決算短信(セグメント別の業績) |
| 国際事業の事業利益 | 93億円 | 決算短信(セグメント別の業績) |
| トマトペーストの市況の説明 | 下降に転じた | 決算短信(経営成績の概況) |
| 会社の業績予想 | 2026年12月期 売上収益3,100億円、事業利益230億円、当期利益134億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年48円、2026年12月期予想58円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

プレ男海外のトマトペーストの値段で、利益が大きく動くんだね。国内の飲料の動きもあわせて見ておこう
まとめ
- カゴメは、国内の飲料・調味料と海外のトマト加工の会社
- 2025年12月期は事業利益227億円(−16.2%)
- 国際事業はトマトペーストの市況下落と製造工程の不具合で減益
- 営業利益の大きな減少は、前期の段階取得差益の反動
- 2026年12月期は事業利益230億円・年58円の予想
参考文献
- カゴメ. 2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月2日). https://www2.jpx.co.jp/disc/28110/140120260202544466.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- キッコーマン. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月24日). https://www.kikkoman.com/jp/ir/assets/tan202603.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。