キユーピーの強みとは:マヨネーズ・ドレッシングの市販用と業務用、海外の3本柱。海外がセグメント利益で最大に。2025年11月期は売上高5,134億円(+6.1%)、鶏卵の高騰で営業利益346億円(+0.9%)、工場跡地の売却益で当期純利益305億円(+42.4%)
キユーピーを、2025年11月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年1月14日、東証の適時開示)で分析しました。売上高5,134億円(+6.1%)、営業利益346億円(+0.9%、営業利益率6.7%、鶏卵相場の高騰などの原材料高を価格改定と海外の販売増でカバー)、経常利益374億円(+1.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益305億円(+42.4%、工場跡地の売却益121億円)、ROE9.7%、自己資本比率67.4%。セグメントの営業利益は、海外136億円(+9.0%、米州・アジアパシフィックの販売が堅調、新工場の本格稼働)、市販用126億円(−11.9%)、業務用119億円(−0.8%)。年64円の配当(マヨネーズ発売100周年の記念配当10円を含む)、2026年11月期は売上高5,300億円・営業利益380億円(+9.7%)・年65円の予想。味の素・キッコーマンとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

メル美マヨネーズのキユーピーって、卵の値段が上がると大変なんじゃない?

プレ男決算短信を見ると、鶏卵の高騰で国内の利益は減ったけど、海外の利益が伸びて、全体ではわずかに増益だったんだって
企業分析の連載、196社目はキユーピーです。2025年11月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年1月14日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載の味の素の強みとは・キッコーマンの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、キユーピー株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。特定の商品をすすめるものでもありません。
1. ひとことで言うと
マヨネーズ・ドレッシングなどの調味料やカット野菜の「市販用」、業務用市場向けのマヨネーズ・ドレッシング類やタマゴ商品などの「業務用」、米州・アジアパシフィックなどの「海外」を中心に、ジャムなどのフルーツ ソリューション、ファインケミカルも手がける会社
| 項目(日本基準・連結) | 2025年11月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 5,134億円 | +6.1% |
| 営業利益 | 346億円 | +0.9% |
| 営業利益率 | 6.7% | 前期 7.1% |
| 経常利益 | 374億円 | +1.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 305億円 | +42.4% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 9.7% | 前期 7.3% |
| 自己資本比率 | 67.4% | 前期 65.4% |
| 配当 | 年64円(記念配当10円を含む、配当性向29.0%) | 前期 54円 |
- 会社は、高病原性鳥インフルエンザや猛暑による供給減で鶏卵の相場が高止まりし、野菜相場の変動も収益に影響したとしています
- 当期純利益が大きく増えたのは、工場跡地の売却による特別利益(固定資産売却益121億円)によるものです
- 年64円の配当には、キユーピー マヨネーズ発売100周年の記念配当10円が含まれます
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 主な動き(決算短信の記載) | 売上高 | 営業利益 |
|---|---|---|---|
| 海外 | 米州・アジアパシフィックの販売が堅調、中国の生産・販売の効率化 | 1,003億円(+8.7%) | 136億円(+9.0%) |
| 市販用 | 調味料・カット野菜の単価上昇、鶏卵・野菜相場の高騰で減益 | 1,898億円(+1.6%) | 126億円(−11.9%) |
| 業務用 | 価格改定とタマゴ商品の販売数量増、鶏卵相場の高騰で減益 | 1,856億円(+9.1%) | 119億円(−0.8%) |
| フルーツ ソリューション | 家庭用ジャム・スプレッドと産業用フルーツ加工品 | 176億円(+3.4%) | 7億円(+245.2%) |
| ファインケミカル | 通信販売が好調 | 118億円(+4.0%) | 7億円(+24.5%) |
- セグメントの営業利益の合計408億円(全社費用の前)のうち、海外が約33%で、いちばん大きくなりました。市販用と業務用の国内2事業で約60%です(計算値)
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 海外の成長
- アジアパシフィック・米州での新工場の本格稼働で供給力と生産効率を高め、KEWPIEブランドの認知度向上に取り組みました。海外の営業利益は+9.0%です
② 価格改定と高付加価値商品
- 国内では、原材料価格の上昇に対して価格改定を実施し、高付加価値商品の展開を強化しました。ロボット導入による生産の自動化も進めています
③ 厚い財務
- 自己資本比率は67.4%です
4. 弱み・リスク
① 鶏卵などの原材料相場
- 市販用・業務用とも、鶏卵相場の高騰などの原材料高で減益でした。主原料の価格に利益が大きく左右されます
② 消費者の節約志向
- 会社は、食品価格の上昇にともなう消費者の節約志向の高まりを挙げています
③ 一度きりの利益
- 2025年11月期の当期純利益には工場跡地の売却益が含まれます。2026年11月期の当期純利益は255億円(−16.4%)の予想です
5. ライバルとの比較
食品の会社と比べます。会計基準(味の素・キッコーマンはIFRS)と決算期(キユーピーは11月期、ほか2社は3月期)、利益の指標が違うので、おおまかな比較です。
| キユーピー(2025年11月期) | 味の素(2026年3月期) | キッコーマン(2026年3月期) | |
|---|---|---|---|
| 売上(売上収益) | 5,134億円(+6.1%) | 1兆5,837億円(+3.5%) | 7,455億円(+5.2%) |
| 利益(営業/事業) | 346億円(営業) | 1,811億円(事業) | 795億円(事業) |
| 利益率 | 6.7% | 11.4% | 10.7% |
| ROE | 9.7% | 17.7% | 11.5% |
- 3社とも海外で伸びていますが、キユーピーは利益率がやや低めです(→味の素の強みとは、キッコーマンの強みとは)。海外で稼ぐ食品の会社は東洋水産の強みとはも
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
キユーピーの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2025年11月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 海外の営業利益 | 136億円 | 決算短信(営業利益の内訳) |
| 市販用・業務用の営業利益 | 126億円・119億円 | 決算短信(営業利益の内訳) |
| 鶏卵相場の動き | 高止まり | 決算短信(経営成績の概況) |
| 会社の業績予想 | 2026年11月期 売上高5,300億円、営業利益380億円、当期純利益255億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年64円、2026年11月期予想65円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

メル美卵の値段で国内の利益が動くのね。海外がどこまで伸びるかも見ておきたいな
まとめ
- キユーピーは、市販用・業務用・海外の3本柱の食品の会社
- 2025年11月期は営業利益346億円(+0.9%)
- 鶏卵の高騰で国内は減益、海外は+9.0%でセグメント利益が最大に
- 当期純利益は工場跡地の売却益で305億円(+42.4%)
- 2026年11月期は営業利益380億円(+9.7%)・年65円の予想
参考文献
- キユーピー. 2025年11月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年1月14日). https://www2.jpx.co.jp/disc/28090/140120260109531428.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 味の素. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月7日). https://news.ajinomoto.co.jp/2026/05/2026_05_07_03.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- キッコーマン. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月24日). https://www.kikkoman.com/jp/ir/assets/tan202603.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。