企業分析2026年10月12日

宝ホールディングスの強みとは:焼酎・みりんの「宝酒造」より、海外の日本食材卸と酒類の「宝酒造インターナショナル」が大きく稼ぐ。2026年3月期は売上高3,943億円(+8.7%)、タカラバイオの赤字で営業利益171億円(−17.1%)

宝ホールディングスを、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月13日)で分析しました。売上高3,943億円(+8.7%)、営業利益171億円(−17.1%)、経常利益169億円(−24.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益117億円(−27.8%)、ROE4.6%、自己資本比率50.5%。セグメントの営業利益は、宝酒造インターナショナルグループ142億円(+21.8%、海外日本食材卸1,959億円・海外酒類285億円が増収)、宝酒造57億円(+13.7%、焼酎ハイボールなど)、タカラバイオグループは47億円の損失(研究用試薬などの全カテゴリーが減収、買収費用)、その他34億円。売上高の約56%が宝酒造インターナショナルグループ。タカラバイオは構造改革で赤字の縮小をめざす。年31円の配当(配当性向51.2%)、2027年3月期は売上高4,200億円・営業利益188億円・年31円の予想。キッコーマン・サッポロHDとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

目次
  1. 1. ひとことで言うと
  2. 2. 何で稼いでいるか
  3. 3. 強み
  4. 4. 弱み・リスク
  5. 5. ライバルとの比較
  6. 6. 投資プレイヤー的チェックポイント
  7. まとめ

メル美宝って、焼酎やみりんの会社だよね

プレ男決算短信だと、いちばん稼いでいるのは、海外の日本食レストランなどに食材を売る事業なんだって。売上の半分以上みたい

企業分析の連載、242社目は宝ホールディングスです。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月13日)で確認しました。比較には、この連載のキッコーマンの強みとは・サッポロホールディングスの強みとはで確認した数字を使っています。

この記事は会社のしくみと数字の解説で、宝ホールディングス株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。お酒をすすめるものでもありません。20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。

1. ひとことで言うと

国内の酒類・調味料の「宝酒造」、海外の酒類と日本食材の卸の「宝酒造インターナショナルグループ」、研究用試薬などのバイオの「タカラバイオグループ」をもつ会社

項目(日本基準・連結) 2026年3月期 前期比
売上高 3,943億円 +8.7%
営業利益 171億円 −17.1%
営業利益率 4.3% 前期 5.7%
経常利益 169億円 −24.0%
親会社株主に帰属する当期純利益 117億円 −27.8%
ROE(自己資本当期純利益率) 4.6% 前期 6.8%
自己資本比率 50.5% 前期 51.3%
配当 年31円(配当性向51.2%) 前期 31円

2. 何で稼いでいるか

セグメント 主な動き(決算短信の記載) 売上高 営業利益
宝酒造インターナショナルグループ 海外日本食材卸1,959億円(+18.9%)、海外酒類285億円(+21.1%、バーボン「Blanton’s」が好調) 2,219億円(+19.4%) 142億円(+21.8%)
宝酒造 焼酎ハイボールなどのソフトアルコール飲料・清酒・調味料は増収、焼酎は減収 1,191億円(−0.5%) 57億円(+13.7%)
タカラバイオグループ 試薬・機器・受託・遺伝子医療のすべてが減収、買収費用とのれん償却 403億円(−10.5%) −47億円(損失)
その他 ワイン輸入販売、貨物運送、不動産賃貸など 322億円(+4.3%) 34億円(+24.0%)
宝酒造の品種 売上高 前期比
ソフトアルコール飲料 440億円 +4.7%
焼酎 296億円 −6.8%
清酒 109億円 +3.4%
本みりん 99億円 +1.3%
その他調味料 95億円 +2.6%

3. 強み

会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。

① 海外の日本食材卸

② 国内の重点ブランド

③ 財務

4. 弱み・リスク

① タカラバイオの赤字

② 国内の焼酎

③ コストと海外酒類

5. ライバルとの比較

食品・酒類の会社と並べます。会計基準(キッコーマン・サッポロはIFRS)と利益の指標・決算期が違うので、おおまかな比較です。

宝HD(2026年3月期) キッコーマン(2026年3月期) サッポロHD(2025年12月期)
売上高(売上収益) 3,943億円(+8.7%) 7,455億円(+5.2%) 5,069億円(−1.1%)
利益 171億円(営業) 795億円(事業利益) 250億円(事業利益)
利益率 4.3% 10.7% 4.9%
ROE 4.6% 11.5% 9.4%
自己資本(親会社所有者帰属持分)比率 50.5% 74.6% 33.5%

6. 投資プレイヤー的チェックポイント

宝ホールディングスの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。

見ておく数字 2026年3月期 どこに書いてある
海外日本食材卸の売上高 1,959億円 決算短信(セグメント別の売上)
宝酒造インターナショナルの営業利益 142億円 決算短信(セグメントの業績)
タカラバイオの営業損益 −47億円 決算短信(セグメントの業績)
会社の業績予想 2027年3月期 売上高4,200億円、営業利益188億円、当期純利益119億円 決算短信のサマリー
配当 年31円、2027年3月期予想31円 決算短信

メル美焼酎の会社だと思っていたけど、いまは海外の日本食材が中心なのね。バイオの立て直しも見ておきたいな

まとめ


参考文献

  1. 宝ホールディングス. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月13日). https://ir.takara.co.jp/ja/Library/IRMaterialsArchive/BriefAnnouncement/main/011118/teaserItems1/00/linkList/00/link/2603Q4_Financial%20Statements.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
  2. キッコーマン. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月24日). https://www.kikkoman.com/jp/ir/assets/tan202603.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
  3. サッポロホールディングス. 2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月13日). https://www2.jpx.co.jp/disc/25010/140120260212558122.pdf (閲覧日:2026年10月12日)

この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。