サッポロホールディングスの強みとは:「黒ラベル」「ヱビス」の国内ビールが中心の酒類事業が事業利益の約9割。2025年12月期は事業利益250億円(+48.6%)。不動産事業(サッポロ不動産開発)に外部資本を受け入れる取引を決め、一部を非継続事業に
サッポロホールディングスを、2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月13日、東証の適時開示)で分析しました。売上収益5,069億円(−1.1%)、事業利益250億円(+48.6%、事業利益率4.9%)、営業利益244億円(+332.9%、前期のStone社ののれん減損の反動)、親会社の所有者に帰属する当期利益195億円(+152.8%)、ROE9.4%、親会社所有者帰属持分比率33.5%。2025年12月にサッポロ不動産開発へPAG・KKRなどのファンドが出資する一連の取引を決議し、不動産事業の一部を非継続事業に分類。セグメントの事業利益は、酒類285億円(+33.1%、黒ラベル缶107%・ヱビス102%、4月の価格改定)、食品飲料42億円(+23.3%、コスト構造改革)。年90円の配当、2026年1月に1株→5株の株式分割。2026年12月期は事業利益220億円、当期利益2,960億円・年40円(分割後)の予想。アサヒ・キリンとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男サッポロって、ビールのほかに不動産の事業ももっているの?

メル美決算短信を見ると、その不動産の会社にファンドが出資する取引を決めて、不動産事業の一部は「非継続事業」になったんだって
企業分析の連載、190社目はサッポロホールディングスです。2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月13日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載のアサヒグループホールディングスの強みとは・キリンホールディングスの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、サッポロホールディングス株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。お酒や特定の商品をすすめるものでもありません。
1. ひとことで言うと
国内・海外のビールなどのお酒と外食(酒類事業)、レモン飲料などの食品飲料を手がける会社。不動産事業は、子会社のサッポロ不動産開発に外部の出資を受け入れる取引を決めた
| 項目(IFRS・連結) | 2025年12月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 5,069億円 | −1.1% |
| 事業利益(会社の指標) | 250億円 | +48.6% |
| 事業利益率 | 4.9% | 前期 3.3% |
| 営業利益 | 244億円 | +332.9% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 195億円 | +152.8% |
| ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) | 9.4% | 前期 4.1% |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 33.5% | 前期 29.5% |
| 配当 | 年90円(配当性向36.0%) | 前期 52円 |
- 2025年12月24日に、完全子会社のサッポロ不動産開発に、PAGインベストメント・マネジメントとKKRなどが助言・運営するファンドが出資するSPARK合同会社が出資する一連の取引を決議しました。これにともない、不動産事業の一部を非継続事業に分類し、売上収益・事業利益・営業利益は継続事業だけの数字です
- 営業利益が大きく増えたのは、前期に計上したStone社ののれんの減損損失の反動などです
- 2026年1月1日に1株→5株の株式分割をしています(→株式分割と投資単位)
2. 何で稼いでいるか
当期から報告セグメントを「酒類」「食品飲料」の2つに変更しています。
| セグメント | 主な動き(決算短信の記載) | 売上収益 | 事業利益 |
|---|---|---|---|
| 酒類 | 国内ビールが好調(黒ラベル缶107%、ヱビス102%)、4月の価格改定、北米のSAPPOROブランドは105% | 4,002億円(+1.5%) | 285億円(+33.1%) |
| 食品飲料 | 事業譲渡などの構造改革で減収、コスト構造改革で増益 | 1,066億円(−9.6%) | 42億円(+23.3%) |
- 2つのセグメントの事業利益の合計327億円のうち、酒類が約87%です(計算値)
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 国内のビールブランド
- 「サッポロ生ビール黒ラベル」の缶製品は前期比107%、「ヱビスビール」は102%と好調で、国内のビール類合計は総需要(96%)を上回る99%でした。RTD缶も108%です
② 構造改革
- 食品飲料は、事業譲渡などの構造改革で減収でしたが、コスト構造改革で事業利益は+23.3%でした。「キレートレモン」「ポッカレモン100」などが好調でした
③ 外食の回復
- 外食は、インバウンド需要の取り込みやシニア層の顧客獲得、メニュー・価格の改定で、既存店売上高が前期比104%でした
4. 弱み・リスク
① 国内のビール市場
- 会社は、国内のビール類の総需要は前期比96%と推定しています。2026年10月の酒税改定を見据えた取り組みを進めるとしています
② 海外のクラフトビール
- 北米ではクラフトビールの市況が弱く、海外ブランドの売上数量は前期を下回りました
③ 2026年12月期の事業利益は減益予想
- 2026年12月期は、事業利益220億円(−12.0%)、営業利益60億円(−75.4%)の予想です
5. ライバルとの比較
ビール大手と比べます。3社ともIFRS・2025年12月期で、事業利益はそれぞれの会社の指標です。
| サッポロHD | アサヒGHD | キリンHD | |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 5,069億円(−1.1%) | 2兆8,947億円(−1.5%) | 2兆4,334億円(+4.1%) |
| 事業利益 | 250億円(+48.6%) | 2,630億円(−7.8%) | 2,518億円(+19.3%) |
| 事業利益率 | 4.9% | 9.1% | 10.3%(計算値) |
| ROE | 9.4% | 4.3% | 12.0% |
- 規模はアサヒ・キリンが大きく、サッポロは国内ビールに強みがあります(→アサヒグループホールディングスの強みとは、キリンホールディングスの強みとは)。清涼飲料はサントリー食品インターナショナルの強みとはも
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
サッポロHDの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2025年12月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 酒類の事業利益 | 285億円 | 決算短信(セグメント別の概況) |
| 国内ビールの売上数量 | 黒ラベル缶107%、ヱビス102% | 決算短信(国内酒類) |
| 不動産の取引の進み方 | 非継続事業に分類 | 決算短信(非継続事業) |
| 会社の業績予想 | 2026年12月期 売上収益5,050億円、事業利益220億円、当期利益2,960億円 | 決算短信(今後の見通し) |
| 配当 | 年90円(分割前)、2026年12月期予想40円(分割後) | 決算短信 |
- 2026年12月期から、セグメントを「国内事業」「海外事業」に変更する予定です
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

プレ男国内のビールは好調で、不動産は外部の資本を受け入れるんだね。取引がどう進むかを見ておこう
まとめ
- サッポロHDは、国内ビールを中心とした酒類と食品飲料の会社
- 2025年12月期は事業利益250億円(+48.6%)
- 事業利益の約87%が酒類、黒ラベル・ヱビスが好調
- 不動産事業に外部の出資を受け入れる取引を決め、非継続事業に分類
- 2026年12月期は事業利益220億円、当期利益2,960億円の予想
参考文献
- サッポロホールディングス. 2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月13日). https://www2.jpx.co.jp/disc/25010/140120260212558122.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- アサヒグループホールディングス. 2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年7月8日). https://www2.jpx.co.jp/disc/25020/140120260707588934.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- キリンホールディングス. 2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月13日). https://www2.jpx.co.jp/disc/25030/140120260212558383.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。