日清製粉グループ本社の強みとは:日本と米国などで小麦粉をつくる製粉事業が営業利益の約6割、「マ・マー」「青の洞窟」の加工食品、中食・惣菜も。2026年3月期は営業利益467億円(+0.7%)、水島の新工場が稼働
日清製粉グループ本社を、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日、東証の適時開示)で分析しました。売上高8,650億円(+1.6%)、営業利益467億円(+0.7%、営業利益率5.4%)、経常利益514億円(+4.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益326億円(−6.0%、インドイースト事業の固定資産の減損)、ROE6.5%、自己資本比率61.1%。セグメントの営業利益は、製粉277億円(水島工場の立ち上げ費用と海外の出荷減)、食品82億円(+49.6%、加工食品と酵母・バイオの出荷増・価格改定)、中食・惣菜57億円、その他55億円(エンジニアリング・メッシュクロス)。2025年5月に「スマート工場」の水島工場が稼働し、岡山・坂出工場を閉鎖。米国のMiller Millingで生産体制を強化。年60円の配当、2027年3月期は営業利益460億円・当期純利益410億円・年65円の予想。味の素・日本ハムとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男日清製粉って、小麦粉の会社だよね

メル美決算短信を見ると、小麦粉の製粉が利益の約6割で、パスタの「マ・マー」や「青の洞窟」の加工食品、中食・惣菜もあるんだって
企業分析の連載、197社目は日清製粉グループ本社です。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載の味の素の強みとは・日本ハムの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、日清製粉グループ本社株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。特定の商品をすすめるものでもありません。
1. ひとことで言うと
日本と米国などで小麦粉をつくる「製粉」、パスタ・プレミックスなどの加工食品や酵母・バイオの「食品」、「中食・惣菜」、プラントエンジニアリング・メッシュクロスの「その他」を手がける会社
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 8,650億円 | +1.6% |
| 営業利益 | 467億円 | +0.7% |
| 営業利益率 | 5.4% | 前期 5.4% |
| 経常利益 | 514億円 | +4.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 326億円 | −6.0% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 6.5% | 前期 7.0% |
| 自己資本比率 | 61.1% | 前期 61.4% |
| 配当 | 年60円(配当性向52.9%) | 前期 55円 |
- 当期純利益が減ったのは、インドイースト事業の固定資産の減損損失を計上したためです(政策保有株式の縮減は進めました)
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 主な動き(決算短信の記載) | 売上高 | 営業利益 |
|---|---|---|---|
| 製粉 | 国内はインバウンド需要と拡販で出荷増、水島工場の立ち上げ費用、海外は小麦相場の下落と為替 | 4,285億円(−3.4%) | 277億円 |
| 食品 | 加工食品と酵母・バイオの出荷増、価格改定 | 2,166億円(+5.0%) | 82億円(+49.6%、補正後) |
| 中食・惣菜 | 販売が堅調、生産性の向上 | 1,646億円(+5.4%) | 57億円(+2.1%、補正後) |
| その他 | エンジニアリングの大型工事、メッシュクロスの出荷減 | 553億円(+21.4%) | 55億円(−10.9%、補正後) |
- 4つのセグメントの営業利益の合計471億円のうち、製粉が約59%です(計算値)
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 製粉の生産体制の刷新
- 2025年5月に、最新の自動化・デジタル技術を使った「スマート工場」の水島工場が稼働し、岡山工場・坂出工場を閉鎖しました。米国のMiller Milling Companyでも、新しい生産ラインの稼働や工場の増強を進めています
② 加工食品のブランド
- 「マ・マー」「青の洞窟」のリブランディングを機に製品の見直しや新製品の投入を進め、食品事業の営業利益は+49.6%(補正後)でした
③ 厚い財務と株主還元
- 自己資本比率は61.1%です。会社は、2027年3月期までに配当性向50%を目安とする方針です
4. 弱み・リスク
① 新工場の立ち上げ費用
- 国内製粉は、水島工場の稼働にともなう立ち上げ費用が利益を押し下げました
② 小麦相場と為替
- 海外製粉は、小麦相場の下落や為替換算の影響で売上高が減りました。会社は、原材料価格やエネルギー価格などのコスト上昇も懸念しています
③ 低めの利益率
- 営業利益率は5.4%、ROEは6.5%です
5. ライバルとの比較
食品の会社と比べます。会計基準(味の素・日本ハムはIFRS)と利益の指標が違うので、おおまかな比較です。3社とも2026年3月期です。
| 日清製粉グループ本社 | 味の素 | 日本ハム | |
|---|---|---|---|
| 売上(売上収益) | 8,650億円(+1.6%) | 1兆5,837億円(+3.5%) | 1兆4,574億円(+6.3%) |
| 利益(営業/事業) | 467億円(営業) | 1,811億円(事業) | 683億円(事業) |
| 利益率 | 5.4% | 11.4% | 4.7% |
| ROE | 6.5% | 17.7% | 6.6% |
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
日清製粉グループの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 製粉の営業利益 | 277億円 | 決算短信(セグメント別の業績) |
| 食品の営業利益 | 82億円 | 決算短信(セグメント別の業績) |
| 輸入小麦の政府売渡価格 | 2025年4月−4.6%、10月−4.0% | 決算短信(製粉事業) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上高8,700億円、営業利益460億円、当期純利益410億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年60円、2027年3月期予想65円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

プレ男新しいスマート工場で、製粉の利益が戻るかを見ておこう。小麦の値段の動きも大事だね
まとめ
- 日清製粉グループは、製粉を中心に、加工食品・中食・惣菜も手がける会社
- 2026年3月期は営業利益467億円(+0.7%)
- 営業利益の約59%が製粉、水島工場の立ち上げ費用が重荷
- 食品は「マ・マー」「青の洞窟」などで+49.6%(補正後)
- 2027年3月期は営業利益460億円・当期純利益410億円・年65円の予想
参考文献
- 日清製粉グループ本社. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日). https://www2.jpx.co.jp/disc/20020/140120260513530641.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 味の素. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月7日). https://news.ajinomoto.co.jp/2026/05/2026_05_07_03.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 日本ハム. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月8日). https://www2.jpx.co.jp/disc/22820/140120260508519362.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。