J-オイルミルズの強みとは:大豆・菜種から食用油をつくる油脂事業が売上の約9割。2026年3月期は円安やミール価格の低迷で油脂コストが大きく上がり、営業利益44億円(−48.6%)
J-オイルミルズを、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月11日、東証の適時開示)で分析しました。売上高2,266億円(−1.8%)、営業利益44億円(−48.6%、営業利益率1.9%)、経常利益58億円(−42.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益48億円(−32.1%)、ROE4.4%、自己資本比率66.5%。油脂事業は売上高2,068億円(−1.1%)・セグメント利益34億円(−59.1%):業務用は堅調、家庭用は節約志向で需要減、円安・物流費・エネルギー価格の高止まり、ミールバリューの歴史的低水準、カナダ産菜種の油分低下で油脂コストが大きく上昇。スペシャリティフード事業は190億円・8億円(+513.1%)。年70円の配当(配当性向48.7%)、2027年3月期は売上高2,430億円・営業利益55億円(+24.9%)の予想。キッコーマン・カゴメとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

メル美J-オイルミルズって、サラダ油の会社?

プレ男決算短信だと、大豆や菜種から油をつくる「油脂事業」が売上の9割なんだって。円安などで原料のコストが上がって、利益が半分になったみたい
企業分析の連載、269社目はJ-オイルミルズです。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月11日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載のキッコーマンの強みとは・カゴメの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、J-オイルミルズ株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。特定の商品をすすめるものではなく、食品の健康効果についてはふれません。
1. ひとことで言うと
大豆・菜種などを搾って、家庭用・業務用の食用油などをつくる「油脂事業」と、粉末油脂・食品用でん粉・大豆シート食品などの「スペシャリティフード事業」の会社
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 2,266億円 | −1.8% |
| 営業利益 | 44億円 | −48.6% |
| 営業利益率 | 1.9% | 前期 3.7% |
| 経常利益 | 58億円 | −42.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 48億円 | −32.1% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 4.4% | 前期 6.7% |
| 自己資本比率 | 66.5% | 前期 62.2% |
| 配当 | 年70円(配当性向48.7%) | 前期 70円 |
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 主な動き(決算短信の記載) | 売上高 | セグメント利益 |
|---|---|---|---|
| 油脂事業 | 業務用は堅調、家庭用は需要減。油脂コストの大幅な上昇 | 2,068億円(−1.1%) | 34億円(−59.1%) |
| スペシャリティフード事業 | 不採算事業から撤退、粉末油脂の価格改定、大豆シート食品「まめのりさん」が北米向けに伸びる | 190億円(−7.7%) | 8億円(+513.1%) |
| その他 | — | 7億円 | 2億円 |
- 売上高の約91%が油脂事業です(計算値)
油脂のコストが上がった理由(決算短信の記載)
- 円安の進行
- 物流費・エネルギー価格の高止まり
- 油を搾ったあとにできるミール(大豆ミール・菜種ミール)の価値が歴史的に低い水準
- カナダ産菜種の油分の低下
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 業務用の油脂
- インバウンド需要の拡大や外食市場の回復で、業務用油脂の販売は堅調でした
② 高付加価値品と価格改定
- 価格改定の浸透と、「SUSTEC」シリーズや「スマートグリーンパック」などの高付加価値品の拡販を進めています
③ 財務
- 自己資本比率は66.5%です
4. 弱み・リスク
① 原料と為替の影響
- 大豆の相場や為替の動き、ミールの価格などで、油脂のコストが大きく変わります。2026年3月期は、価格改定などを進めても、コスト上昇の影響が大きく減益でした(→ドル円はどう動いた?)
② 家庭用の需要
- 家庭用油脂は、物価上昇による節約志向で需要が減りました
③ 低い利益率
- 営業利益率は1.9%です
5. ライバルとの比較
食品の会社と並べます。会計基準・決算期・利益の指標が違うので、おおまかな比較です。
| J-オイルミルズ(2026年3月期) | キッコーマン(2026年3月期) | カゴメ(2025年12月期) | |
|---|---|---|---|
| 売上高(売上収益) | 2,266億円(−1.8%) | 7,455億円(+5.2%) | 2,943億円(−4.1%) |
| 利益 | 44億円(営業) | 795億円(事業利益) | 227億円(事業利益) |
| 利益率 | 1.9% | 10.7% | 7.7% |
| ROE | 4.4% | 11.5% | 7.9% |
- 調味料の会社はキッコーマンの強みとは、トマト加工の会社はカゴメの強みとはへ
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
J-オイルミルズの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 油脂事業のセグメント利益 | 34億円 | 決算短信(セグメントの概況) |
| 主原料・為替相場の説明 | 大豆相場、為替、ミール価格 | 決算短信(主原料・為替相場の動向) |
| 営業利益率 | 1.9% | 決算短信のサマリー |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上高2,430億円、営業利益55億円、当期純利益50億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年70円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

メル美原料の大豆や菜種、それに為替の動きで、利益が大きく変わるのね
まとめ
- J-オイルミルズは、油脂事業が売上の約91%の会社
- 2026年3月期は営業利益44億円(−48.6%)
- 円安・ミール価格の低迷・菜種の油分低下などで油脂コストが上昇
- 業務用は堅調、家庭用は節約志向で需要減
- 2027年3月期は営業利益55億円(+24.9%)の予想
参考文献
- J-オイルミルズ. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月11日). https://www2.jpx.co.jp/disc/26130/140120260508519771.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- キッコーマン. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月24日). https://www.kikkoman.com/jp/ir/assets/tan202603.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- カゴメ. 2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月2日). https://www2.jpx.co.jp/disc/28110/140120260202544466.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。